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05月31日-02号

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  1. 大町市議会 2017-05-31
    05月31日-02号


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    平成29年  6月 定例会          平成29年 大町市議会6月定例会会議録(第2号)               平成29年5月31日(水)---------------------------------------          平成29年大町市議会6月定例会               議事日程(第2号)                    平成29年5月31日 午前10時 開議日程第1 市政に対する一般質問順位議席氏名13佐藤浩樹216中牧盛登312平林英市45大和幸久511松島吉子64栗林 学76神社正幸---------------------------------------              会議出席者名簿◯出席議員(16名)     1番  堀 堅一君        2番  降旗達也君     3番  佐藤浩樹君        4番  栗林 学君     5番  大和幸久君        6番  神社正幸君     7番  太田昭司君        8番  岡 秀子君     9番  勝野富男君       10番  高橋 正君    11番  松島吉子君       12番  平林英市君    13番  二條孝夫君       14番  小林治男君    15番  大厩富義君       16番  中牧盛登君◯欠席議員(なし)◯説明のために出席した者 市長         牛越 徹君    副市長        吉澤義雄君 教育長        荒井今朝一君   総務部長       市河千春君 総務部参事      勝野礼二君    民生部長福祉事務所長 竹本明信君 産業観光部長     竹村静哉君    産業観光部参事産業立地戦略室長                                小林敏文君 建設水道部長     川上 武君    会計管理者      村山 司君 教育次長       中島喜一君    庶務課長選挙管理委員会書記長                                藤澤浩紀君 企画財政課長     田中久登君    まちづくり交流課長  駒澤 晃君 消防防災課長     遠藤 久君    市民課長       飯沢義昭君 生活環境課長     和田泰典君    子育て支援課長    曽根原耕平君 商工労政課長補佐   菅沢洋一郎君   観光課長       太田三博君 農林水産課長     細井 忠君    建設課長       田中一幸君 上下水道課長     傘木徳実君    学校教育課長     竹内紀雄君 生涯学習課長     降旗邦彦君    山岳博物館長     鳥羽章人君 病院総務課長     川上晴夫君◯事務局職員出席者 事務局長       塚田 茂君    事務局次長      久保田 肇君 書記         西澤秀一君    書記         窪田幸弘君---------------------------------------                本日の会議に付した事件              議事日程(第2号)記載のとおり---------------------------------------              平成29年 大町市議会6月定例会           市政に対する一般質問通告並びに質問要旨、順位順位議席番号 氏名 質問形式質問項目質問要旨ページ13番 佐藤浩樹 [一問一答]1.市政について(1)市長の考えるひとづくり、まちづくりについて (2)市役所内でのひとづくり、まちづくりについて (3)市民が考えるひとづくりについて (4)チャレンジショップについて47 ~ 582.子育て支援について(1)子ども食堂の設置について3.北アルプス日本海広域観光連携協議会について(1)カーゴトラック&トレインについて216番 中牧盛登 [一問一答]1.観光周遊バス「ぐるりん号」について(1)観光周遊バス「ぐるりん号」の評価と今後の事業展開について59 ~ 76312番 平林英市 [一問一答]1.市長の政治姿勢について(1)安倍政権の憲法改正への動きについて (2)北朝鮮への対応について77 ~ 922.医療と福祉について(1)子ども・障がい者の医療費窓口負担無料化について3.国民健康保険について(1)都道府県広域化について45番 大和幸久
    [一問一答]1.北アルプス国際芸術祭について(1)課題について92 ~ 1142.人口減少時代のまちづくりについて(1)大町の「まちづくり」のあり方について511番 松島吉子 [一問一答]1.太陽光発電について(1)八坂明野地区の計画の現状と問題点について (2)太陽光発電施設設置のガイドライン(指針)について114 ~ 1252.共謀罪について(1)共謀罪法案に対する市長の見解について3.教育問題について(1)教育勅語容認の閣議決定について (2)銃剣道の追加について (3)公立小中学校教職員の勤務状態について (4)不登校問題について4.北アルプス国際芸術祭について(1)パスポートの販売について64番 栗林 学 [一問一答]1.大町山岳博物館について(1)博物館の運営と活用について125 ~ 13476番 神社正幸 [一問一答]1.雇用問題について(1)企業誘致について135 ~ 1462.大町市の歴史と文化について(1)観光視点も含めた国宝仁科神明宮について (2)歴史資料館について (3)市の新たな歴史となる北アルプス国際芸術祭について3.第5次総合計画について(1)郷土を愛するひとづくりについて △開議 午前10時00分 ○議長(勝野富男君) おはようございます。ただいまから6月定例会の本日の会議を開きます。 本日の出席議員数は16名全員であります。よって定足数に達しておりますので、会議は成立いたしました。 理事者、部長等の欠席、遅参等については、総務部長の報告を求めます。総務部長。 ◎総務部長(市河千春君) 報告いたします。市長、副市長、教育長及び所定の部課長は、勝野病院事務長を除き出席をしております。 なお、勝野病院事務長は御親族の葬儀のため欠席でございます。代理といたしまして、川上病院総務課長を出席をさせております。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 5月より軽装執務の取り組みを実施しております。暑くなることも多いと思われますので、会議中には上着を脱ぐなどして調整をしていただきたいと思います。 △日程第1 市政に対する一般質問 ○議長(勝野富男君) これより日程第1 市政に対する一般質問を行います。 質問通告者は13名であります。よって、本日は議事日程記載のとおり7名、あす6月1日に6名の予定で一般質問を行います。 また、本定例会では一般質問の答弁に当たり、試行的に答弁者のうち課長職の出席については質問に関する課長のみの出席とすることとしておりますので、あわせて御了承いただきたいと思います。 それでは、これより質問に入ります。 質問順位第1位、佐藤浩樹議員の質問通告は3項目です。佐藤浩樹議員の質問を許します。佐藤浩樹議員。     〔3番(佐藤浩樹君)登壇〕 ◆3番(佐藤浩樹君) 皆さん、おはようございます。政友クラブの佐藤浩樹です。 通告に従いまして、1つ、市政について、2つ、子育て支援について、3つ、北アルプス日本海広域観光連携協議会の大きく3つ質問させていただきます。 さて、先日の市長挨拶の中でも、「まちづくりの原点は人づくりとの認識のもと、郷土や文化に誇りを持ち心から地域を愛する人を育てるを基本理念に、商工業、農林業などの産業を初め教育、福祉などさまざまな分野で活躍し、市の発展を支える人を育むこと」とありました。市長が考える人づくりを市民に多く周知するためにも、もう少し具体的に説明をお願いします。 また、市役所内での人づくりやまちづくりを具体的に行っているところはありますか。たまたま偶然かもしれませんが、市庁舎の中で一部の職員だとは思いますが、挨拶や会釈をしても反応がないことを時たま見かけます。人づくりを市民が主役の庁舎内で、その原点である挨拶がおろそかになっていることをどう捉えているか、お聞かせください。 また3つ目として、市民が考える人づくりやまちづくりと、職員が考えるまちづくりとはかなりすれ違っているのではないかと思われます。学校の登下校で子どもたちが挨拶するのを見て思うことは、挨拶運動が重要なのは一部の職員ではないでしょうか。 せっかく頑張って市政を支えている市の職員がほとんどにもかかわらず、一部の職員の態度が庁舎内全ての職員の見方を変えてしまう。芸術祭を控え、再点検をするべきではないでしょうか。 また、チャレンジショップについてお聞きします。 今までも同様に新規開店者にさまざまな支援をしてきたと思います。その支援してきた結果や過去はどういうふうになっているのか、実績はどうでしょうか。 新規のチャレンジショップも市政にとって重要だと思いますが、既存の店舗で頑張っているがなかなか成果も出せずにいる事業所も多いと思います。新規開店の場合、最も支援が必要な時期は、開店してから数年後だということをさまざまな方からもお聞きしました。店舗をふやすばかりでなく、既存の店舗が減らないような支援も並行して行うことも重要だと思います。例えば市街地の入り口に、市が中心となって共同の大きな案内板などを設置する工夫などが必要ではないでしょうか。 以上、1項目めの質問を終わります。 ○議長(勝野富男君) 佐藤浩樹議員の質問に対する答弁を求めます。市長。     〔市長(牛越 徹君)登壇〕 ◎市長(牛越徹君) 市が進めております地域の未来を育む人づくりについての御質問に順次お答えいたします。 初めに、第5次総合計画に掲げる人づくりにつきまして、わかりやすい説明をとのお尋ねでございます。 第5次総合計画の策定に当たりましては、第4次総合計画において取り組んでまいりました市民参加と協働によるまちづくりの理念をさらに継承・発展し、市が取り組むさまざまなまちづくり施策の企画段階からともに考え、行動する市民の参画による協働の市政の一層の促進と実現を図ることに特に意を配してまいりました。 そのため、公共的団体等の代表者や公募により選ばれた市民などで構成する総合計画審議会における審議や市民意識調査の実施、さらにはパブリックコメントなどにより、市民意見の集約と計画への反映に力を尽くしたところでございます。そして、市民の皆様からお寄せいただいたさまざまな御意見や御要望の内容を整理し、集約・分析を行い、10回に及ぶ審議会において精力的に審議・検討を進めていただく中で、第4次計画の10年間で市民協働によるまちづくり活動の主体的な取り組みや移住・定住促進策の継続的な推進など、成果が目に見えてあらわれてきた分野の取り組みをさらに進め、発展させる必要があり、一方で商工業や農業などの産業振興や雇用の確保など、その成果の実感が薄く、なお課題を抱える分野の取り組みを強化していく必要があるとの総括をいただきました。 このため、新たな計画の策定に当たりましては、審議会の総意として市の将来を見据え、未来を切り開いていくためには、全ての政策分野において核となる担い手、人材の育成が不可欠との認識に至り、第5次計画の基本理念や将来像に人づくりの視点を盛り込んだところでございます。 昨今の社会の潮流、人々の意識は物の豊かさから心の豊かさに変化し、そのニーズも複雑多様化してきております。一方で、今後の自治体経営を考えますと、行政が全ての市民ニーズにきめ細かに対応することは非常に困難な状況となっております。そのため、行政だけでなく市民や市民活動団体、事業者などのさまざまな主体が互いに知恵を出し合い、経営資源を補い合い、社会や地域の課題解決に取り組む協働のまちづくりが不可欠であり、これが結果として、市民の満足度を高めることにつながるものと認識しており、将来にわたり持続可能な地域社会を維持するための活動の核となる人を育てていくことが最も重要だと考えたところでございます。 そこで、具体的には市の将来を託す子どもたちの健やかな成長を支え、育みますとともに、子育て中の若い世代の皆さんや働き盛りの皆さんへは広範な領域の活動に積極的に取り組み、地域社会を育む人として伸びていくことを支援いたします。また、高齢世代の皆さんには、これまで培ってこられた豊富な知識と経験を生かし、地域のリーダーとしてなお力を発揮していただく環境整備に力を尽くしてまいります。 総合計画の概要や策定に当たってのこうした考え方につきましては、議員御指摘のとおり、市民の皆様に広く周知を図ることが非常に重要であると認識しており、5月中旬には市内6地区におきまして、延べ約100人の御参加をいただき市民説明会を順次開催いたしましたほか、今後も行政懇談会や市民を対象とする行事の開催時など、あらゆる機会を捉えて一層の周知を図ってまいります。また、今後具体的に展開してまいります各種の事業の実施におきましても、人づくりにおけるこうした視点を織り込み、議員御提案のように市民の皆様にわかりやすく説明し、御意見、御提言をいただくことにより市民参画と協働により進めてまいりたいと考えております。 次に、市役所内で人づくりやまちづくりで具体的に取り組んでいることはあるかとのお尋ねにお答えいたします。 例年、職員一人一人の職務遂行能力の向上を目的として法制執務研修や公務員倫理に関する研修、行政サービスの向上、窓口での接遇、あるいは人権教育や地域づくりの講演会など、職員として必須のさまざまな研修を実施しております。また、こうした講座などの研修に加え北アルプス国際芸術祭など全庁を挙げて取り組む事業などには部課を越えた体制を組み、積極的に現場に出てできるだけ実践活動による体験を通じ、市民の皆様とともに汗を流し、まちづくりの課題を共有するよう努めております。 市職員による地域社会での活動は、市役所が単に市内で比較的大規模な事業所であるということにとどまらず、地域づくりを推進する基礎自治体として、参加と協働のまちづくりに直接責任を有しており、市職員には市民の皆様と市政の橋渡し役としてさまざまな地域活動への参画を期待し、これまでも事あるごとに私から直接呼びかけてまいりました。 ここ数年の職員のまちづくり活動を見ますと、3年前から若手の職員グループがみずからの発想でまちづくりを実践するマチサラによる信濃大町Youthサミットの開催や駅前中央通りの空き店舗を借り上げ、市民の交流の拠点として整備に活用するリノプロの活動が挙げられます。 また、先週及び本日も地元紙に掲載されました芸術祭に向けての信濃大町駅前広場公園周辺の花壇づくりに取り組む職員有志の自主的な活動組織「大町ずくの会」の取り組みなど、さまざまな分野のまちづくり活動が自発的な職員の手で盛んに行われるようになってまいりました。今後、さらにまちづくりの市民活動や自治会などの地域団体での役割に積極的に参画することを通じて、個々の職員の活動の領域を充実、拡大することに一層努め、市みずからが行う人づくりにつなげてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 総務部長。     〔総務部長(市河千春君)登壇〕 ◎総務部長(市河千春君) 私からは、庁舎内におけます職員の挨拶と職員が考えるまちづくりについての御質問にお答えをいたします。 最初に、庁舎内で人づくりの原点である挨拶がおろそかになっているがどうかとのお尋ねでございます。 まず、議員がそのようにお感じになられたことは、職員を監督する立場といたしまして、まことに残念に思います。 議員御指摘のとおり、挨拶は人と人とが胸襟を開いて接する重要な機会であり、信頼関係を結ぶという人づくりの原点でございます。今後、全職員に周知徹底を図るとともに、これまでは主に新規採用職員を対象に行ってまいりました接遇研修を全職員に範囲を広げて開催し、市民の皆様が気持ちよく市役所を訪れていただくことができますよう努めてまいります。 また、国際芸術祭など市がかかわりますさまざまな催し物の際におきましても、職員が積極的に参画をいたしまして、市民の皆様との交流を実践する生きた体験を通じて自然に心を開いて挨拶をする習慣を身につけるよう努力をしてまいります。 次に、市民が考える人づくりやまちづくりと、市職員が考えるまちづくりはすれ違っているのではないかとのお尋ねでございます。 職員も市民の一人であり、全ての職員が挨拶運動等を初めさまざまな地域活動に積極的に参加し、地域住民の皆様と活動をともにすることによりまして、市民の皆様と職員一人一人の人づくり、まちづくりの考え方が共有ができ、同じ方向を目指した協働のまちづくり活動につながるものと考えております。 また、北アルプス国際芸術祭を控えまして再点検すべきとの御指摘でございます。この国際芸術祭を契機に市民の皆様と職員が同じ思いのもと人づくり、まちづくりを進められますよう、職員に対します意識づけに今後努めてまいります。 私からは以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 産業観光部長。     〔産業観光部長(竹村静哉君)登壇〕 ◎産業観光部長(竹村静哉君) 私からは、チャレンジショップに関するこれまでの実績についてのお尋ねにお答えいたします。 過去には、大町商工会議所におきまして、チャレンジショップに取り組んだ事例があると伺っておりますが、これまで市がチャレンジショップの取り組みを行ったことはございません。市の事業といたしましては、中心市街地の空き店舗を活用した新規開店を図る空き店舗活用事業の補助制度がございます。平成12年度から昨年度までの合計で145件、補助金額3,500万円余の実績となっております。また、本年度スタートいたしましたチャレンジショップ事業は、大町市創業支援協議会において大町商工会議所を中心に関係機関が協力し、取り組んでまいります。 次に、市が中心となって共同の案内看板を設置するなどの工夫が必要ではないかとのお尋ねにお答えいたします。 議員御指摘のとおり、これまで店を開き、営業に努力されている既存店舗がこれからも末永く営業を継続していただくことは大変重要なことであると考えております。本年度新たに中心市街地で頑張って営業されている店舗を支援するための助成制度として、新たに大町市店舗改修事業補助制度を設けました。この制度は、既存の営業店舗の改修等に対しまして、店舗の改修等に要する費用の2分の1を上限50万円まで補助するものでございます。 また、お尋ねの案内看板につきましては、昨年度、大町まちづくり協議会の事業として、駅前のまちなか情報ステーションの壁面にまちなか案内看板を設置し、中心市街地の観光施設等への誘導を図り、訪れる皆さんの利便性の向上に努めております。なお、本年度は中央通りのいーずら大町特産館付近にも設置し、案内機能を充実することといたします。 また、これまで大町商工会議所におきましても、市内のそばどころを初め飲食店、菓子店、宿泊施設等を掲載した小冊子「信濃大町まんぷくガイド」を作成し、観光客を初め来訪者への個々の店舗を紹介しております。この小冊子にはあわせて市街地のガイドマップを掲載しており、飲食店等の情報を容易に確認できるため、大変好評をいただいており、本年度も大要を更新し、作成する予定と伺っております。 今後も、商工会議所と関係団体と連携し、頑張っている店舗の支援に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありますか。佐藤浩樹議員。 ◆3番(佐藤浩樹君) 市長の答弁の中で、市の職員が積極的に自治会などにも参加してという下りがあったんですが、これ今までも私、質問してきたんですけれども、ここで自治会の役員になってでも、以前消防の件で質問しましたけれども、消防職員はだめで、なぜ自治会長は市庁の職員でもできるのかと。そこに少し矛盾があるような気がするんですが、いかがでしょうか。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。総務部長。 ◎総務部長(市河千春君) ただいまの御質問にお答えします。 ただいま職員が地域のさまざまな場面において参画するように市長からも指示が出ていると、特命があるというお話の中で、これは一般論になるかと思いますが、消防は業務と自治会のいわゆる役員とは、これはやっぱり一定程度の違いがあるというふうに思います。自治会というのは、あくまでも任意団体でございまして、いろんな活動もさまざまでありますし、97自治会それぞれ違った活動をして、その地域住民の構成員としての市の参画、職員の参画ということの中から役員を受けたりすることもあるかと思います。 一方で消防団業務につきましては、これは条例上で制定をしております法定的な業務ではございますから、これはその部分と市の職員が通常の業務で災害対応とするものとの、いわゆる同時に災害が発生した場合には、市の職員として業務を行うべき部分がやはり優先をするということとなりますことから、おのずと消防団の業務とその部分で重なる部分がありますことから、その差が出ているものではないかと推測をしております。 以上であります。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありますか。佐藤浩樹議員。 ◆3番(佐藤浩樹君) ちょっとわかりにくい答弁だったと思うんですが、要するに消防団はだめで自治会ならいいよ。じゃ、もし大震災が起きたときに、もし職員が仮に自治会長だった場合、それはどっちを優先するんですか、自治会ですか、それとも市役所の業務ですか。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。総務部長。 ◎総務部長(市河千春君) ただいまの御質問にお答えします。 実際に職員がどの程度自治会長を担っているかちょっと手元に資料がありませんので、それは想定しておりませんので、この場ではお答えを差し控えさせていただきます。 特段ルール上のものは持ち備えておりませんけれども、一般的に考えますれば、やはり自治会長として、いわゆる自主防災組織等と連携する部分、そういったことと、それから市の職員で、その職員でもいろんな担当分野によって違いますことから、例えば直接災害対応にすぐ飛んでいかなければいけない部署でない市の職員が自治会長等々でしたら、そちらのほうを優先することもあり得る。それはそれぞれの場合によって想定が違いますことから、一概に断定はできないものですから、ケース・バイ・ケースで考えていきたいと考えております。 以上であります。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありますか。佐藤浩樹議員。 ◆3番(佐藤浩樹君) 僕、今仮の話をしたんですけれども、答弁が市の職員で自治会長をやっているのはどれくらいあるかという具体的なお話を聞いたわけではなくて、ちょっと交差しているかなというふうに思います。 これって大変重要な問題で、これから人口に合わせて職員数も減ったり、住民も減ったりする中で、必ずやそういうことが起きてくるというふうに私は考えるんですが、やはりもう少しその辺のところのガイドラインをしっかり引いていただいて、市民にもわかりやすくしていただきたいというふうに思います。いかがですか。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。総務部長。 ◎総務部長(市河千春君) ただいまの御質問にお答えします。 御指摘のとおり、そういったはっきりしたガイドライン等はまだつくってございませんけれども、基本的には、繰り返しになりますけれども、市の職員は業務命令でそういった災害対応をする場面と、それから自治会はあくまでも任意組織でございますから、これは命令じゃないわけですね。その職員が自治会の構成員として自主的に役員を受けたりするということになりますから、おのずと命令権者は違ってくるものですから、その業務として取り扱う部分と、地域の自治会員としての業務といいましょうか、そこは命令系統も違ってきますので、議員御指摘のとおり、その辺を整理をさせていただいて、具体的にどういう場合はどうすればいいかというようなことがわかるようなものを検討してまいりたいと考えます。 以上であります。 ○議長(勝野富男君) 再質問はございますか。佐藤浩樹議員。 ◆3番(佐藤浩樹君) チャレンジショップのことについてお聞きしたいと思います。 チャレンジショップ、先ほどの答弁の中で、今現在一生懸命営業しているところへも手厚い対策ができないかというようなことをお聞きしたと思うんですが、意見交換会みたいなものを少し考えてみたらいかがかというふうに思います。 その中で、逆に今、市役所の職員が世間からどういうふうに見られているのか。どういうことが足りて、足りないのかという話も出てくるとは思います。そこで、チャレンジショップをやる方にもそういうところへ参加をしていただいて、今のまちづくりに対してどう思っているのか考える場をつくっていただきたいなというふうに思いますが、いかがでしょうか。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。商工労政課長補佐。 ◎商工労政課長補佐(菅沢洋一郎君) ただいまの御質問にお答えいたします。 佐藤議員おっしゃっていただきました意見交換会、職員の関係もいろんな御意見をいただけると思いますので、チャレンジショップを取り組んでいただける方を含めまして、創業支援協議会の中で相談をさせていただきまして意見交換会等開催をさせていただきたいというふうに検討をしていきたいと思います。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありますか。佐藤浩樹議員。 ◆3番(佐藤浩樹君) わかりました。チャレンジショップについては、ぜひ新しい開店をした方と既存の商店の皆さんと接点を持てるような機会をぜひお願いしたいなと思います。 すみません、先ほどちょっと言い忘れたんですが、一部の職員の問題ですけれども、結局1人がそういう職員らしからぬ行為をすることによって、一生懸命市の秩序のためにと思ってやっている職員がほとんどだと思います。そこでやっぱり一生懸命やっている職員がかわいそうかなというふうに私の心の中では思っています。ぜひ一度再点検をしていただいて、対処していただければと思います。よろしくお願いします。これは意見です、答弁は要りません。 続きまして次に、子育て支援についてお聞きしますということで、子ども食堂のことをお聞きします。 少子化の進行や子どもの貧困が社会問題化している中、無料で、低料金で、地域の子どもに食事や団らんを提供するいわゆる子ども食堂の取り組みが、県内において急速に拡大しているとの新聞報道が先日ありました。 子ども食堂は、貧困家庭や個食の子どもたちに安心して食事できる場所を提供しようと始まったものですが、こうした取り組みが孤立したり、つらい思いを打ち明けられない人を守り、温かく寄り添えるような地域づくりにもつながると考えますが、市ではどのように進めていくか、計画を伺いたいと思います。また、子ども食堂を実施するに当たり、どのような課題があるとお考えでしょうか。こうした事業を進めるに当たり、子育て世帯の生活実態を把握することが必要であるかと思いますが、いかがでしょうか。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。民生部長。     〔民生部長(竹本明信君)登壇〕 ◎民生部長(竹本明信君) 子育て支援についての御質問に順次お答えいたします。 最初に、子ども食堂の設置について、市ではどう進めていくかとの御質問にお答えいたします。 平成24年の厚生労働省の国民生活基礎調査では、平均的な所得を下回る水準で暮らす18歳未満の子どもの割合は16.3%で、子どもの6人に1人が貧困家庭で暮らしている計算となり、1990年代以降増加傾向が続いているとの報告がされております。こうした事態を受け、平成26年には子どもの貧困対策の推進に関する法律が施行されるなど、子どもの貧困は社会的な課題としてより実効性のある対策が求められております。 また、子どもが帰宅しても家に誰もおらず、一人で食事をとり、一人で過ごす個食も課題となっており、全国的に子どもに無料で食事を提供する子ども食堂と呼ばれる活動が徐々に広がってきており、新聞報道によりますと、県内におきましても18の自治体、30カ所で、主にNPO法人などにより取り組まれております。 当市としましても、このような取り組みは子どもの成長を地域社会全体で支えるという考え方からも大変有意義な活動であると考え、子ども食堂の設置、運営を含め、新たな子どもの居場所づくりを行う団体等に対し財政的支援を行う子どもの居場所支援モデル事業を実施することとして、実施に必要な食材費や調理に係る人件費等の実費分を補助するための予算48万円を本年度当初予算に計上いたしております。 また、6月24日にはこうした取り組みに関心のある市民の皆さんや子育て支援にかかわる市内のNPO団体等との意見交換会を計画しており、こうした場を通じ意欲的に取り組もうとしている団体等と連携して、子ども食堂や子どもが安心して過ごせる居場所づくりを速やかに進めてまいります。 次に、子ども食堂の実施に当たり、どのような課題があるかとのお尋ねにお答えいたします。 子ども食堂を安定的、継続的に運営するための課題として考えられますものは、食事の提供、食の安全という観点からは、調理に係る設備と衛生管理の面で十分に配慮する必要があります。また、開設場所、運営スタッフの体制や事業運営に係る費用の確保、利用される子どもたちの行き帰りの手段の確保などが考えられます。こうしたことから、これら課題となる事項につきまして、子育て支援課が事業運営全般に係る総合的な窓口となり、庁内各課及び関係機関との調整等を図ってまいります。 次に、子育て世帯の生活実態を把握する必要があると思うがとのお尋ねにお答えいたします。 昨今、社会的な課題となっています子どもの貧困につきましては、その性質から実態を把握することがなかなか難しいのが実情であります。また、子どもが家に帰っても誰もいないという個食の実態等につきましても同様な状況にあり、具体的な対応を検討する上では子育て世帯の生活の実態を把握する必要があるものと考え、本年度においてアンケート調査を実施することを予定しております。一方、このたび県でも同様の調査を本年7月に実施するとの情報が伝えられており、県の調査の内容や対象の範囲等について、現在情報を収集しているところでございます。 近年の子育て環境は、核家族化の進展や共働き世帯の増加、地域のつながりの希薄化などにより大きく変化し、子育て中の孤立感や不安感、負担感が高まっている中、市といたしましても、子ども食堂などの取り組みを契機に、保護者の皆さんが抱えている不安の解消や課題の把握に努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありませんか。佐藤浩樹議員。 ◆3番(佐藤浩樹君) 子ども食堂イコール子どもの貧困率というようなお話ですが、子どもの貧困って、ただ単純に子どもが貧困になるわけじゃなくて、要するにその親が苦しいから子どもも苦しくなるということが言えると、私は思っています。 子ども食堂といっても、少し調べましたが、毎日開催するのではなくて月に数回というようなことがインターネット等で見ることができました。一番困るのは、例えば延長保育だとか、そのときの子どもの食事をどうするのか。子ども食堂、子ども食堂って単純に言っても毎日できるわけでもないし、悪いことではありませんけれども、子どもの貧困をなくすということは、要するに親の貧困をなくすということです。 だから、子ども、子どもって言いますけれども、単純にその子どもに飯を与えて、ああよかったではなくて、やはり子どもが何で一人でいなければいけないのか、何で子どもが貧困なのかということから調査をしないと、ただ単純にうちの子ども貧困だよと言われたら、ああそうですかというふうな、とても軽いものになってしまうというふうに思います。ぜひ調査をするに当たって、もう少し深い意味での調査をしていただきたいと思いますが、いかがですか。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。子育て支援課長。 ◎子育て支援課長(曽根原耕平君) ただいまの御質問にお答えいたします。 先ほど答弁にもありましたが、市でもアンケート調査、生活実態の調査を実施する予定でありましたところ、県におきましても幅広く子育て世帯、またお子さん向けの調査を実施する計画があるというお話を伺っております。特に、子どもの生活実態という観点では生活習慣でありますとか、放課後の過ごし方、家庭生活の状況、友達関係等々幅広い項目が想定されているとお聞きしておりますし、保護者向けの調査につきましても、子どもとの関係性、それから習い事をしているか、教育にかかわる家計の実情、または働き方、幅広くそんな観点の調査が実施されるように伺っております。 いずれにいたしましても、まだ詳細が確定という段階ではございませんので、県のその動向、情報を集めながら、市として不足する部分があれば、対応が必要かとも思いますし、そこら辺のところは、今後、情勢を見ながら確認し、検討してまいりたいというように考えております。 子どもの貧困というのは、親の生活実態そのものというお話がありましたけれども、まさにそういう観点だと思われます。子ども食堂そのものが全て貧困の支援につながるということではないというようにも認識しておりますけれども、こうした事業を進めることによりましてさまざまな情報を収集し、また次の施策、事業の展開を進めてまいりたいというようにも考えております。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありますか。佐藤浩樹議員。 ◆3番(佐藤浩樹君) ありがとうございました。前向きなお答えをいただきまして、ありがとうございます。 やはり子どもがどうして貧困なのかどうなのかということは追求していただきたいと思いますし、逆に子ども食堂が毎日開催されるようなまちづくりを考えていただければと思います。子どもをうまく育てられるようなまちづくりをすれば、人口も減っていかないわけですし、県内の状況を見ても、毎日開設しているところはやっていないわけです。だから、ほかの市町村と同じことをやるんではなくて、大町独自の子育て環境をつくるということは移住者もふえるかもしれませんし、就業者もふえるかもしれません。その辺のところを慎重にかつ性急に調べていただいて、実行していただきたいなと思います。 では、最後の質問に移ります。 北アルプス日本海広域観光連携協議会のカーゴトラック&トレインについてお尋ねします。 新聞でも目にしましたが、もう少し詳細な計画を説明していただきたいと思います。また、こういう事業を要するにどうやって日本中に発信していくのかということをお尋ねしたいと思います。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。産業観光部長。     〔産業観光部長(竹村静哉君)登壇〕 ◎産業観光部長(竹村静哉君) カーゴトラック&トレインについてのお尋ねにお答えいたします。 初めに、北アルプス日本海広域観光連携協議会は、北陸新幹線糸魚川駅開業を契機に連携した情報発信や交通アクセスの向上、広域観光の推進等を図るため、平成25年度に大町市、白馬村、小谷村と新潟県の糸魚川市、上越市及び富山県の朝日町の6市町村で構成した広域連携組織でございます。 この協議会における本年度の新たな取り組みとして計画いたしました事業にカーゴトラック&トレイン事業がございます。この事業は、当市と日本海を結ぶ国道148号線におきまして道幅が狭く長いトンネルが複数あるなど、自転車で通行する際に危険箇所が多い小谷村から糸魚川市の間でサイクリング愛好者が安全に移動できる環境を整備するものであります。 事業実施の背景としまして、近年、国内外で愛好者がふえておりますサイクリングに着目し、北アルプス山麓と日本海沿いの両方のコースにおいて手軽に自転車で行き来して、山と海を満喫していただくことを目的としており、具体的な内容としまして、カーゴトラック事業とサイクルトレイン事業があります。 カーゴトラック事業は、自転車を貨物トラックで運搬するとともに利用者を鉄道で輸送するもので、朝夕2往復の予約制としております。また、サイクルトレイン事業はJR西日本が実施するもので、団体予約をメーンに自転車運搬専用車両を1両ふやして、利用者と自転車を鉄道で同時に輸送するものであります。両事業ともにサイクリストが安全に所有できる利便性の向上と大糸線の利用促進を図るものでございます。 本年度は社会実験として実施することとし、この利用状況等を踏まえて、本格的な実施体制の構築や今後の新たな観光ツールとしての検証を進めてまいることといたします。 次に、この事業をどのように他の地域に周知していくかとのお尋ねでございます。 本年度の広報につきましては、サイクリング専門誌等にこの事業の内容と、当地域のサイクリング環境の紹介記事を掲載するとともに、サイクリング団体等の関係者を招請し、SNS等で情報発信を要請するなど広報周知を図ってまいります。 なお、先ほどもお答えいたしましたとおり、この事業は本年度は社会実験として実施するものであり、本年度の事業を評価する中で、今後の実施体制や情報発信のあり方のほか、旅行商品にパッケージとして組み込むことなどにつきまして検討を進めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありますか。佐藤浩樹議員。 ◆3番(佐藤浩樹君) ありがとうございます。 JR西日本が中心、主体となってという御答弁でしたが、その前段でトラック・トレイン、要するにトラックは自転車で自分たちは電車でという、こうすると1日2往復とかというと、運行時間などが重なる場合が出てきますよね。やっぱり朝晩、朝夕が主体になって昼、夜はない。そうなってしまうと、結局無駄遣いの第一歩になってしまうので、そこはぜひJRさんとも、運送会社さんともよく話をしていただいて、無駄にならないようにしていただきたいなというふうに思います。 また、どうやってこの事業をどういうふうに告知するかというのはやっぱり難しいわけです。多分これインターネットか何かで検索すると出てくると思いますが、それをどうやって広げていくのかというのは、有料のサイトへお願いするのか、それとも市で無料のサイトを立ち上げてやるのか、そういうことも重要になってくると思われます。 これ以上深く追及しても、多分お答えに困ると思うので、この辺でやめておきたいと思いますが、やはり大町市というのは、今現在頼りになるのはまず観光、それからほかの業種、伸び代があるのはもう観光しかないと思うんですね。ですから、これをどうやって有効に使ってまちづくりをしていくのか。自転車乗っている人にどうやって大町にお金を落としていただけるのか、泊まっていただけるのか、お弁当を食べていただけるのかということをまず第一歩に考えて、カーゴトラック&トレインを進めていただきたいというふうに思います。 以上です。 ○議長(勝野富男君) よろしいでしょうか。 ◆3番(佐藤浩樹君) はい。 ○議長(勝野富男君) 以上で佐藤浩樹議員の質問は終了いたしました。 ここで、11時10分まで休憩といたします。 △休憩 午前10時51分 △再開 午前11時10分 ○議長(勝野富男君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 市政に対する一般質問を継続いたします。 質問順位第2位、中牧盛登議員の質問項目は1項目です。中牧盛登議員の質問を許します。中牧盛登議員。     〔16番(中牧盛登君)登壇〕 ◆16番(中牧盛登君) 市民クラブの中牧盛登です。 通告どおり観光周遊バス「ぐるりん号」の評価と今後の事業展開について、市長のお考えをお聞きしますので、よろしくお願いいたします。 1つとして、この事業は大町駅から観光地までの二次交通運行事業として、平成22年7月から運行が開始され、ことしで8年目となります。運行開始時の予算は約200万円でしたが、平成28年度は400万円となっています。これまで7年間の「ぐるりん号」の事業評価はどのような評価をしてこられたのか、お聞きをいたします。 2点目としまして、観光周遊バス「ぐるりん号」の事業目的は何かをお聞きをいたします。 以上で1回目の質問を終わります。 ○議長(勝野富男君) 中牧盛登議員の質問に対する答弁を求めます。市長。     〔市長(牛越 徹君)登壇〕 ◎市長(牛越徹君) 観光周遊バス「ぐるりん号」についての御質問に順次お答えいたします。 初めに、「ぐるりん号」のこれまでの事業をどのように評価しているかとのお尋ねでございます。 「ぐるりん号」は、JR信濃大町駅を起点に市内の観光施設をめぐる周遊バスとして平成22年に運行を開始し、同年に展開されました信州デスティネーションキャンペーンや大糸線のリゾート列車乗り入れとタイアップして、市内への誘客に取り組んでまいりました。各観光施設では利用者向けに特典を設けるとともに、1日券を設定することなどにより観光地間の周遊の促進を図っております。 運行開始以来、年度によって運行日数に若干の違いはありますが、年間利用者の実績は約1,000人から1,500人となっております。これまでの間、コースや停留所の見直しを行い、利用者の増加を図ってまいりましたが、昨年度の実績では1日当たりの利用者数は約15人と伸び悩んでおり、さらに改善を進めていく必要があるものと認識いたしております。 本年3月の市議会交通網対策特別委員会でもさまざまな課題について御提言をいただいており、本年度の運行に当たりましては、バス車両への名称表示の大型化を図るとともに、利用実態を把握するための利用者アンケート調査を実施することとしております。市内の二次交通は、個人旅行者向けの重要な移動手段でありますことから、引き続き改善を重ね、利用者の増加に努めてまいります。 次に、観光周遊バス「ぐるりん号」事業の目的についてお尋ねにお答えします。 「ぐるりん号」は、JRなどを利用して大町市を訪れる観光客の市内における足を確保する駅から観光地までの二次交通対策であります。近年、国内外を問わず団体旅行から小グループや個人旅行への移行が急速に進んでおり、立山黒部アルペンルートだけでなく、市内に点在する観光資源を二次交通で結び、観光客が周遊することにより市内での滞在時間をもう半日、もう一日延ばし、滞在型、周遊型の観光を振興して観光消費の増大を図ることを目的とするものでございます。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありますか。中牧盛登議員。 ◆16番(中牧盛登君) 今の7年間の事業評価についてですが、余り積極的に評価をしていないようなふうに聞こえましたんで、また順次これから質問していきたいと思います。 まず、運行開始から7年間、これまで「ぐるりん号」事業の実際どんな効果があったのかというのが整理されておりましたら、お聞きをいたします。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。観光課長。 ◎観光課長(太田三博君) ただいまの御質問にお答えいたします。 この事業、平成22年度から7年間にわたって事業を行ってまいりました。これまでの間、先ほど1,000人から1,500人というふうに申し上げました。最も多いときで平成25年の1,532人、最も少ないときでは平成26年の987人ということで、1日当たりにしますと、最も多いときで24人、少ないときですと15人程度、1便当たりにしますと、3人程度ということになっております。この事業そのものにつきましては、二次交通の必要性ということでバスを運行してまいりましたが、実際に利用していただいているこの人数を見る限りは、当初の目的を十分には果たしてはいないというふうに考えております。 これまでの間の評価でございますが、平成22年度からの3年間につきましては、県の元気づくり支援金を導入して実施しておりましたので、それぞれ中間の事業評価並びに事業終了時点での評価というものが行われてまいりましたが、それ以降につきましては、通常の事務事業評価の中で運行実績並びに費用対効果などについて検討を進めてきたところでございます。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありますか。中牧盛登議員。 ◆16番(中牧盛登君) それでは具体的にお聞きをしたいと思いますが、平成22年の運行開始時の事業効果予想では、観光客に黒部ダム以外の観光地に周遊していただくきっかけづくりとなるという予想しています。これについてはどうだったのか。 それから2つとして、当市の課題である中心市街地への観光客の流入を促進することができるという事業効果も予想されていました。この2つの点について、評価はどうであったのか、お聞きをいたします。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。観光課長。 ◎観光課長(太田三博君) ただいまの御質問にお答えいたします。 まず、平成22年度「ぐるりん号」を運行開始したときの事業目的でございますが、アルペンルート以外の観光客の流れを創出するということで、想定の利用人数を設定して事業を開始したわけでございますが、この元気づくり事業の評価の中では、当初の運行目標人数に全く到達していないと、目標の半分程度しか乗客がいないという状況がまずございました。この時点におきまして、平成22年の夏ごろでございますが、実際にバスを利用される皆さんへのアンケート並びに温泉郷に宿泊をされている皆さんに対しまして「ぐるりん号」の反応といいますか、どのように有効的に使っていただいたかというアンケートを実施しております。ただ、その中ではやはり利用実績にありますように、所期の目的については、十分に二次交通としての機能が発揮できていなかったというふうに分析をいたしております。 また、中心市街地への観光客の誘導につきましては、22年度の運行時点では大町駅から国営公園、ラ・カスタ、仁科神明宮というコースでございました。このコース設定でありますと、なかなか市街地のほうへ観光客を誘導するという目的に対しては十分機能してはいなかったのではないかというふうに分析をしております。その後、塩の道ちょうじやですとか、市街のほうにもバスを回すという取り組みが、その後になって反省の中で運行の内容を変更してきたという経過がございます。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありますか。中牧盛登議員。 ◆16番(中牧盛登君) 事業効果は余りなかったということであります。 それでは、次にお聞きをしますが、3月定例会の一般質問の答弁で前産業観光部長から「運行開始から7年が経過し、今後の周遊バスのあり方を検討する時期に来ている」との答弁をいただいています。今回、4月の人事異動で担当部長、課長がかわりました。改めて今後の周遊バス事業のあり方について、継続なのか、廃止するのか含めてお考えをお聞きします。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。観光課長。 ◎観光課長(太田三博君) ただいまの御質問にお答えいたします。 この4月に産業観光部の中では人事異動がございまして、私自身も4月から担当をさせていただいております。ただ、これまでの間、さまざまな旅行エージェントの皆さんにお話を伺いますと、この地域におきましては、特にJRから先、二次交通につきましては非常に要望が高いと。面的な整備がされてきますと非常に魅力的な観光地であるにもかかわらず、二次交通の整備が十分でないという御提言をいただいております。 本日、たまたま台湾の飛鳥旅行社という旅行エージェントの方が市役所のほうにお見えになりまして、これは芸術祭の取材ということでおいでになったわけですが、今回の北アルプス国際芸術祭では東山を中心に市街地では西回り、東回り、それぞれコースがありますが、この夏以降につきましては、信濃大町では、例えばタクシーですとかバスを利用して観光地に行くことが非常に困難であると。やはり二次交通については、もう少し頑張っていただきたいといったような意見をいただいております。やはり効率ですとかやり方については、改善の余地が大分あるものというふうに考えておりますが、二次交通というものは、当市が目指します滞在型の観光地づくりでありますとか、周遊型による観光消費額の増加を目指すといった点では、二次交通につきましては、何とかいい形で継続をしていきたいというふうに考えております。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 再質問はございますか。中牧盛登議員。 ◆16番(中牧盛登君) 今の答弁で、国際芸術祭でも利用するというような答弁がありましたが、具体的にはどういうことなんでしょうか。コースとか、今の南回りの便以外に便をふやすとか、車両をふやすとか、そんなことも考えているのかどうかお聞きします。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。観光課長。 ◎観光課長(太田三博君) ただいまの御質問にお答えいたします。 ただいま芸術祭の関連で申し上げましたのは、「ぐるりん号」自体が芸術祭のお客を運ぶということではなく、たまたま芸術祭のほうで芸術祭のためのバスを別途運行すると、これが芸術祭の期間中にございますが、これがなくなった場合には従来の「ぐるりん号」だけになるということで、依然として二次交通が弱いという御指摘をいただいたという内容でございます。「ぐるりん号」が芸術祭のために特別に台数をふやすということではございません。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 再質問はございますか。中牧盛登議員。 ◆16番(中牧盛登君) そうすると、「ぐるりん号」は国際芸術祭とは切り離して運行するということでよろしいですね。 それでは次に、先ほども答弁いただきました観光周遊バス「ぐるりん号」の事業目的を探してみましたが、どこに明記されているのかわかりませんでした。ただ、観光周遊バス運行業務委託仕様書にその目的が書いてありました。その目的は観光客の利便性の向上と観光客の増加を図ることを目的としています。業務委託の目的はこれでよしとして、市としての本当の明確な事業目的というものを再度お答えいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。観光課長。 ◎観光課長(太田三博君) ただいまの御質問にお答えいたします。 「ぐるりん号」の真の目的でございますが、まず観光客の増加という点がございますけれども、まず本当の目的で申しますと、先ほど市長が答弁申し上げましたとおり、やはり立山黒部アルペンルートには年間100万人のお客様がおいでになっているわけでございますが、このお客様方が信濃町駅前でおりたときに市街地なり、ほかの観光地のほうに行っていただくということがなかなか少ないという通過型の観光地となってございます。このため、観光客の皆様、ぜひもう半日ないしもう一日、市内にもほかにも観光資源がございますので、こうしたところにぜひ足を運んでいただきたい、これが「ぐるりん号」の目的でございます。 したがいまして、アルペンルート以外の部分で市街での観光客の増加を図るということが一番の目的でございます。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 再質問はございますか。中牧盛登議員。 ◆16番(中牧盛登君) 大変わかりやすい答弁でよかったです。 次に、先ほど答弁でもありましたが、議会特別委員会においても、「ぐるりん号」について調査してきましたので、この事業の問題点についてお聞きをしたいと思います。先ほどの答弁にもありましたが、繰り返し聞きます。 1つとして、「ぐるりん号」のバスの車両についてですが、普通のマイクロバスで観光周遊バスとは言えません。地味なバスです。誰が見ても観光周遊バスだとわかるような外観にすることについてのお考えをお聞きします。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。観光課長。 ◎観光課長(太田三博君) ただいまの御質問にお答えいたします。 特別委員会におきましても、バスの外観につきましては一目でわかるような外観にしてはどうかとの御提言をいただいております。ただ、「ぐるりん号」につきましては通年運行型のバスではございませんので、特定の車両を特別に用意することができません。こうしたことから、今年度取り組んでまいりますのは、これまでも行っておりましたマグネット表示での「ぐるりん号」の表示につきまして、車両運行上問題がない程度に最大限大きなものに変更しまして、なるべく目立つような装飾をするという変更を行っております。 なお、通年運行型ですと、他の地域で実施しておりますような特別な車両ですとか、塗装を施したもの、こうした車両が使えますが、現状では運行日数が最大で、今年度の場合92日、約3カ月でございますので、特別な車両を用意することが非常に困難であるという状況は御理解をいただけたらと思います。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 再質問はございますか。中牧盛登議員。 ◆16番(中牧盛登君) それでは2つ目として、このバスの車内についても観光案内は全くありません。観光ルートマップなどの掲示もありません。細かいことですが、降車ボタンの位置も座席の座っている人の脇より下の位置ですから、改善すべきではないかと思っています。この周遊バスの車内環境についてのお考えをお聞きします。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。観光課長。
    ◎観光課長(太田三博君) ただいまの御質問にお答えいたします。 バスの内部の状況についての御質問でございます。 これも特別委員会のほうでさまざま御指摘をいただいておりまして、まず車内に観光案内ですとかルートマップを置いてはどうかという御指摘をいただいております。今年度につきましては、車内どういった形で置けるか、まだ業者と調整中でございますが、周遊パンフレットなどにつきましては、きちんと配置をしていきたいというふうに考えております。 また、車内での観光案内につきましては、まず1つとしまして、運転者の方ドライバーの方に案内をしていただくということがまず1点考えられますが、これには事前の調整等がかなり必要だと思われますので、すぐには対応することは困難かと考えております。ただ、テープなど音声による観光案内、こうしたものはぜひ必要だというふうに考えておりますので、運行開始当初からというのは若干困難でございますが、なるべく早い時期に車内での音声案内等について取り組めるようにしてまいりたいと考えております。 また、降車ボタンにつきましては、これも先ほど申し上げましたとおり、特別な車両ではございませんので、この点につきましては改善ができるかどうか、引き続きバスの運行事業者と協議を進めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 再質問はございますか。中牧盛登議員。 ◆16番(中牧盛登君) 次に、今答弁もありましたが、観光周遊バス専用の車両を新たに購入するお考えはありますかということですが、通年運行なら考えるということなんでしょうか。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。観光課長。 ◎観光課長(太田三博君) ただいまの御質問にお答えいたします。 まず、通年運行ならば、車両を購入するかということでございますが、これは予算的なこともございますが、観光サイドで要望といいますか、将来的な希望で申し上げますと、他の地域では非常に外観に特色のあるバスを運行しております。例えば会津若松ですと、レトロな感じのボンネットバスが運行されております。または横浜のほうへ行きますと、童謡になぞられた「あかいくつ」という名前の赤いバスが運行している。また、若干規模が違いますけれども、福岡のほうに参りますと、日本初の二階建てバス、屋根を取り払ったオープンルーフのバスなど、非常に特色のあるバスが運行しております。 やはり周遊バスにつきましては、バスそのものに興味を持っていただく、ここに来てバスに乗ることが目的になるような特色のあるバスが運行できたら「ぐるりん号」、周遊バスにつきましては非常にいいというふうには考えておりますが、やはりこの地域は冬季の観光地ですとか、通年通しての観光ポイントが若干違ってまいりますので、通年運行ということについては非常に困難であるかというふうには考えておりますが、将来的には議員から御提言いただきましたような特色のあるバスでの通年運行という形に持っていければというふうに考えております。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありますか。中牧盛登議員。 ◆16番(中牧盛登君) わかりました。 次に、「ぐるりん号」については、大町駅におりた観光客の二次交通としての役割であるということです。その大町駅前に「ぐるりん号」のバス停案内表示が全くないというのはいかがなものかということですが、対策についてお考えをお聞きします。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。観光課長。 ◎観光課長(太田三博君) ただいまの御質問にお答えいたします。 まず、「ぐるりん号」につきましては、朝夕1便ずつの大町温泉郷のバス停のほかには基本的にJR信濃町駅前を発着地点としております。確かに議員御指摘のように、バス停につきましては、現在、バス停長野大町線と同様のバス停を使用しておりますが、「ぐるりん号」の発着につきましては土・日だけということもありまして、余り大型の案内表示がされていないというのが現状でございます。このためバスにつきまして、毎日運行している7月、8月ございますが、観光客からの認知度も低いという状況がございます。 ですので、これから6月に運行開始いたしますが、その時点におきましてはJRとの協議が必要となってまいりますけれども、なるべく目立つようなわかりやすい表示をバス停のほうに設置をするように改善をしてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありますか。中牧盛登議員。 ◆16番(中牧盛登君) 信濃大町駅前の正面口からおりた真ん前のところに、このくらいの駅の大体いろんなものを描いた絵があるんですけれども、構図が、その中に「ぐるりん号」の周遊バスはここですよという位置を示してもらうようなことはできないんでしょうか。これ日本語と韓国語かちょっと外国語がわかりませんので、2つあります。その辺のお考えをお聞きしたいと思います。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。観光課長。 ◎観光課長(太田三博君) ただいまの御質問にお答えいたします。 JR信濃町駅前をおりますと、正面横断歩道の前に多国籍語で書いた案内板と、それからもう一つバス停のすぐ前に案内板が高さが1メーター50ぐらいですが、この案内板がございます。ただ、この案内板につきましては、現在表示が若干古くなっておりまして、現在、内容の書きかえなどについて検討しております。例えば、観光案内所の位置が変更になっておりますが、それがきちんと表記されていないこと等々がございますので、現在、この看板の早急な改修を進めているところでございます。改修が現在済んでおりませんので、この中では駅前のバス停というのは非常にわかりにくくなっております。このバス停がわかりやすくなるような表示に書きかえをするように取り組んでまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありますか。中牧盛登議員。 ◆16番(中牧盛登君) 続きましてバス停についてですが、市民バスと「ぐるりん号」のバス停表示が混在しているバス停があります。塩の道ちょうじやがそうです。観光客の皆さんにはわかりにくい表示だと思いますが、このバス停表示についてのお考えをお聞きします。 それから、「ぐるりん号」のバス停がまだできていないんですが、これいつごろから出るわけですかね。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。観光課長。 ◎観光課長(太田三博君) ただいまの御質問にお答えいたします。 まず、後段の御質問でございますが、バス停につきましては、本年度6月4日からの運行を予定しております。余り前もって設置をしますと、利用者の方に混乱を生じますので、直前でのバス停の設置を予定しております。 そのほかバス停につきまして表示でございますが、やはり土・日だけの運行ということがございますが、バスに乗る方にとりましては、一体どちらのバスが来るんだということで非常にわかりにくいバス停があるというふうに考えております。 実際に運行が開始されますと同時に、私どものほうでも現地を確認しまして、観光客の目線でどういったバス停の表示がわかりやすいかという点につきまして、業者も含めまして再度検討して改善をしてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありますか。中牧盛登議員。 ◆16番(中牧盛登君) それでは次に、コースの設定についてお聞きをします。 平成22年から3年間は、大町駅から国営公園、ラ・カスタ、仁科神明宮の3カ所でした。平成25年度からは仁科神明宮をコースから外し、新たにちひろ美術館と大町温泉郷を加えました。平成27年度からは新たに山岳博物館と塩の道ちょうじやが追加され、現在は大町駅から5カ所をめぐるコース設定となっています。このコース設定についてはどのような評価、検証がされているのかお聞きをします。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。観光課長。 ◎観光課長(太田三博君) ただいまの御質問にお答えいたします。 議員御指摘のとおり、平成22年度以降何度かにわたりましてコースの見直しをしてきております。この中で、まず平成25年には乗降客数が若干比較的少なかった仁科神明宮を外しまして、新たに広域的な観光ルートの設置ということで、ちひろ美術館を設定しております。また、ちひろ美術館から最終的に大町温泉郷に来る方というのが一定程度見込まれましたので、大町温泉郷の朝夕2便を追加したところでございます。 また、平成27年度につきましては、これは当初から設定があってもよかったのではないかと私自身思うわけでございますが、山岳博物館、それから中途のちょうじやが設定されております。 このコース設定の考え方でございますが、基本的には乗降客数が伸び悩んでいる中、一定程度のお客様に伺ったところ、ここに行くのにバスがあればいいという御意見を幾つか抱く中でコース設定を変えてきたものでございます。 このコース設定につきましては、今後もやはりこれ利用者の方の声を具体的に聞いた上で設定をしていかなければならないというふうに考えております。今年度では利用者の方のアンケートをとる、または実際に観光客の皆様とお話をされている宿泊事業者の皆さん等にも御意見を伺って今後もコース設定については、効率的かつ満足度の高いコース設定をしていきたいというふうに考えております。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありますか。中牧盛登議員。 ◆16番(中牧盛登君) 現状のコース設定は、大町市の南部地域のみの設定でありまして、とりわけちひろ美術館は松川村、ラ・カスタは民間事業者であること、仁科神明宮は大町市の誇るべき宝でありますが、コースから外されました。今のコース設定には疑問を持たざるを得ません。その理由として、当市の主要な観光地をめぐるコース設定ではないと思うからです。 市は、当市を訪れた観光客の皆さんにどこを見てもらいたいと考えているのでしょうか、お聞きをします。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。観光課長。 ◎観光課長(太田三博君) ただいまの御質問にお答えいたします。 今、御指摘をいただきましたまず仁科神明宮を外したという点でございます。この仁科神明宮につきましては、やはり国宝ということで、訪れていただく方が非常に現在ふえております。ことし5月の塩の道祭りの時点でも、塩の道祭り参加者のほかに県外からの車も非常に数多くおいでになっていた場所でございます。 当然、こうしたところもごらんいただきたいというふうに思っておりますし、また「ぐるりん号」自体が当初の発足がJRからの接続をメーンということで考えておりましたので、現在のところ南コース、これ南コースを回っておりますのは、一定の施設があり、バスで乗客をおろしますと、その施設のほうで職員なり担当の方がいて案内をしていただく、こうした施設を結んでおります。 このほかに、例えば大町市でごらんをいただきたいということであれば、まず王子神社でありますとか仁科三湖、こうした北部地域にも観光地ございますが、そちらのほうにバスを回した場合には、なかなか「ぐるりん号」自体の運行時間が長くなってしまうということがございます。これを1日で回りますと、現在1時間少しの間隔で運行しているバスがさらに時間が長くなってしまうということから、現時点では北コースについては設定をしていないという状況でございます。 ただ、まだまだごらんいただきたいところはございますが、そうしますと、ぐるりん号を例えばほかの地区のように南コース、北コース、何本も出さなければならないということが出てまいります。そうした場合には費用対効果の点もございますので、今後のコース設定の中で再度根本的に検討をしてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありますか。中牧盛登議員。 ◆16番(中牧盛登君) 個人的な見解ですが、ラ・カスタとかちひろ美術館は大町市の主要な観光地とは思っておりません。担当課として、大町市の主要な観光地というのは一体どこだと思っているのか、その辺をお聞きしたいと思います。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。観光課長。 ◎観光課長(太田三博君) ただいまの御質問にお答えいたします。 まず、現在回っておりますラ・カスタですとかちょうじや、こうしたところは実際に観光客の方においでをいただいている実績があるという施設でございますので、現在「ぐるりん号」の中に設定をしております。当然、現在「ぐるりん号」で回っているポイント以外でも、例えば山をごらんいただく、あるいは湖のほうで楽しんでいただく、こうした観光地点はたくさんございますが、現状ではバスでお客様をそこに送り届ける、一定程度時間を消費していただいて、またバスで戻るということの設定には、非常に困難なポイントが数多くあるというふうに考えております。 ですので、売りたいポイント全てが現在「ぐるりん号」で回れている状況ではないということは自覚をしているところでございます。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありますか。中牧盛登議員。 ◆16番(中牧盛登君) 私の質問は、大町市の主要な観光地はどこなのかということを聞いています。そして、課長とすれば大町市のどこを見てもらいたいのか、それを聞いています。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。観光課長。 ◎観光課長(太田三博君) ただいまの御質問にお答えいたします。 「ぐるりん号」を活用して見ていただきたいところということであれば、例えば、年に1度でございますが、「三蔵呑み歩き」をしております酒蔵ですとか、市街地に数ある「食」、食べる物を楽しんでいただくところ、こうしたところもごらんをいただきたいと思っておりますし、それから仁科三湖、湖につきましても、これも見るということではなくさまざまな体験プログラムのあるところでございますが、こうした仁科三湖をごらんいただく。あるいは、これは「ぐるりん号」で行っているところではございませんが、高瀬渓谷、こうしたところも御覧をいただきたいと。いずれにしても、立山黒部アルペンルート以外の部分で非常に見ていただきたいところがたくさんございますので、いかにそうしたところに来ていただくかということで考えているところでございます。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありますか。中牧盛登議員。 ◆16番(中牧盛登君) それでは、ただいまの答弁に合わせたような運行コースの見直し検討というのは実際に始められるのか、その辺をお聞きします。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。観光課長。 ◎観光課長(太田三博君) ただいまの御質問にお答えいたします。 現在、南コースだけの「ぐるりん号」につきまして、今後、見直しについて着手するかという御質問でございます。 この点につきましては、これまで今年度も含めまして8年間運行してまいりましたが、やはり乗客が伸びないという中では、抜本的なコースの見直しが必要であるというふうに考えております。ただ、先ほど申し上げましたようなポイント全てを回ることが周遊バスだけで回ることが効率的なのかどうかという点もございます。 例えば、場所が離れているところ、こうしたところはタクシー事業者の皆さんと御相談申し上げて特別なタクシープランを設定する。実際に高瀬渓谷につきましては、タクシーを活用した料金を割り引いたプラン等を設定しているところでございます。また、仁科神明宮ですとか王子神社、さまざまな神社仏閣等につきましては、これは単に周遊バスでお客様を送り届けるだけではなくて、やはりきちんとしたガイド、案内がついた別のプランを御用意したほうがお客様には満足いただけるのではないかというふうに考えております。ただ単に観光地だけをめぐるような形ではなく、それぞれの観光地で皆様がより満足していただけるような送客、足の確保につきまして、バス、タクシーさまざまな形を含めまして、今後早急に検討していきたいというふうに考えております。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありますか。中牧盛登議員。 ◆16番(中牧盛登君) そのコースの見直し検討というのは、今年度からということでよろしいですか。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。観光課長。 ◎観光課長(太田三博君) ただいまの御質問にお答えいたします。 今年度につきましては、今週6月4日から既に11月までの運行が決定をしておりまして、既に契約も締結をしております。ですので、今年度につきましては、実際においでいただいた方、または利用者の方により詳しいアンケートをとった上で、来年度以降に改善点については反映をさせてまいりたいというふうに考えております。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありますか。中牧盛登議員。 ◆16番(中牧盛登君) 来年度以降ということですので、しっかり見直しをしてほしいんですが、コースの見直しを検討する中に加えていただきたいのは、大町市のお土産や食事のPR、いわゆるお金を使っていただくような仕掛けづくりも考えていただきたいと思います。 これは、なぜラ・カスタになったか、なぜ山岳博物館だとか、ちょうじやになったかというのは、ここで観光客の皆さんがおりていただければ、それなりの滞在時間があり、お金も使うということが考えられますが、まだまだ仁科三湖でどこでお金を使うのか、王子神社でどこでお金使って何時間いられるのかと、そんなこともやはりしっかりと見直しを考えてもらいたいと思います。 それから、答弁いただきたいのは、6月4日から始まる国際芸術祭から走らせるわけですが、コースは全く変わらないわけですよね。これ何とか工夫次第で国際芸術祭に絡めて利用することによって、非常に大きなPRになると私は思うんですが、全くこういう考えはありませんか。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。観光課長。 ◎観光課長(太田三博君) ただいまの御質問にお答えいたします。 今年度の「ぐるりん号」につきましては、6月4日から運行を開始いたします。7月1日から8月の間は毎日運行となっております。毎日運行しておりますので、芸術祭のほうで運行するバスとあわせまして、アートサイト以外にもこういったところを回っていただけるということをインフォメーションセンター等で「ぐるりん号」についてもあわせてPRをして、芸術祭に来たお客様がほかの観光地のほうまで足を延ばしていただく、こうした取り組みについて実施してまいりたいというふうに考えております。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありますか。中牧盛登議員。 ◆16番(中牧盛登君) 「ぐるりん号」のコースは、芸術祭が始まっても変わらないということですよね。 ぜひその辺を柔軟に芸術祭に絡めるような、どうやって絡めたらいいのかという知恵と工夫をぜひお願いしたいと思います。 次に、「ぐるりん号」の運行日は7月から11月上旬までの94日間運行となっています。冬場の運行は困難としても、5月連休前からの運行日など効果的な運行を計画すべきではないかと考えますが、いかがお考えでしょうか。ちなみに大きな町では、金沢とか仙台、松本もそうですが、通年運行です。上田は4月29日から11月下旬までやっています。あづみ野周遊バスは4月29日からやはり11月まで、だから5月の連休の前から運行しているんですが、この辺を改善する考えはあるのかどうかお聞きをします。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。観光課長。 ◎観光課長(太田三博君) ただいまの御質問にお答えいたします。 まず、運行期間につきましては、本年度は6月から11月になっております。他の地域を見ますと、やはり通年運行のところもございます。または議員御指摘のように、あづみ野周遊バスにおきましては、ゴールデンウイーク前からの運行となっております。 実際に私、ことし塩の道祭りでちょうじやのほうでお客様がおいでになったときに、博物館のほうにおいでをいただきたいというお客様が大勢いらっしゃったんですが、実際には長い距離10キロ程度歩いてきて、これから博物館まで歩いていくのは非常に大変だという方もいらっしゃいました。また、連休中、ことしは陽気の回りがよかったものですから、市街地にもたくさんのお客様においでになったわけですが、その時点では「ぐるりん号」が運行していないという状況がことし初めてわかったわけでございますが、やはり今後のコース見直しの中では、日程につきましては、ぜひゴールデンウイークに運行ができるような形で前向きに運行期間の設定をしてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありませんか。中牧盛登議員。 ◆16番(中牧盛登君) 次に、「ぐるりん号」自体を知らない人が大変多くいると聞いています。この「ぐるりん号」のPRを充実させていただきたいのですが、具体的なPR方法というのがありましたら、お考えをお聞きしたいと思います。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。観光課長。 ◎観光課長(太田三博君) ただいまの御質問にお答えいたします。 「ぐるりん号」につきましては、「ぐるりん号」だけのパンフレット、または松本から北の部分につきましては、それぞれの二次コース、バス、タクシーのパンフレット等を設定しております。こうしたパンフレットをつくっているわけでございますが、やはり周遊バス等乗り物だけのパンフレットではなかなか観光客の皆様の目にとまることが少なく、覚えていただくことが難しいかと思っております。 ですので、他の地区で成功しておりますように、この乗り物を使えば、例えばこのエリアでは1時間ならこの程度楽しんでいただける、半日あればここを楽しんでいただける、もし1日あるようでしたら、こんな楽しみができる、どこでどんな食べ物を食べていただける、こうした具体的なコース設定の提案をしていくことによって、この周遊バスの認知度が上がり、利用度が上がるものというふうに考えております。 そうしたことを一般の利用者の方だけでなく、旅行エージェントの皆様にも具体的な提案をしながら、知名度の拡大を図ってまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありますか。中牧盛登議員。 ◆16番(中牧盛登君) 次に、「ぐるりん号」について答弁もありましたが、お客様利用実態調査がしっかりとできていません。この事業を進める上で、また見直し改善に取り組むためにも、お客様の利用実態調査の実施が必要であると思います。先ほどの答弁では、今年度実施するような答弁がありましたが、もう少し詳しく答弁をお願いいたします。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。観光課長。 ◎観光課長(太田三博君) ただいまの御質問にお答えいたします。 先ほども若干答弁の中で触れておりますが、今年度につきましては、実際に利用されている方の生の声を具体的に聞くため、全ての便ではございませんが、一部委託調査を含めまして、利用されている方のアンケートについて実施をする予定でございます。それに加えまして、私ども観光課の職員も実際にバスに乗り込んで、お客様から意見を伺うといったことも取り組んでまいりたいと考えております。 また、バスに乗っている方の人数が少ないということがありますので、例えばJR信濃大町駅前で、このバスを利用されない方等につきましても、何らかの方法でアンケート調査をなるべくたくさんのサンプルをとるような形で進めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありますか。中牧盛登議員。 ◆16番(中牧盛登君) それでは次に、「ぐるりん号」の今後の事業展開についてお聞きをします。 観光周遊バス「ぐるりん号」事業の今後の効果について、どのような効果を予想されているのかお聞きをします。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。観光課長。 ◎観光課長(太田三博君) ただいまの御質問にお答えいたします。 これまで答弁の中で全般、この事業の目的、それから最終的に理想的な形等について述べてまいりました。今後の周遊バス「ぐるりん号」につきましては、先ほども申し上げましたが、やはり各市内に点在する観光地を結ぶために大町を訪れた方が信濃大町駅前におりたときに、このバスに乗れば、何か楽しいことがあるというふうにまず認知をしていただくこと。さらには、このバスに乗ることにより各観光地をめぐることができるだけでなく、昨夜のテレビ放送でもありましたが、仙台のループバス等では観光案内をしながら運転をされるバス運転手さんがいらっしゃいまして、非常に有名になっていると聞いております。そのバスの場合ですと、周遊バスでもあるにもかかわらず、始発から終点までずっと乗ったまま観光案内を聞く方がいるというくらいの名物のバスになっております。 ぜひ「ぐるりん号」につきましても、すぐにというわけにはまいりませんが、なるべく早い時点で、バスそのものに乗っていただくことが目的になるような、大町に行けば何か楽しいことがあるよというふうに感じていただくアイテムの一つになるように、この事業を今後展開してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 再質問ありますか。中牧盛登議員。 ◆16番(中牧盛登君) わかりました。 次に、周遊バス事業は継続するという答弁をいただきました。今年度の予算は464万円であります。今後、周遊バス事業に対する予算、今、答弁でもお答えいただきました。いろいろな実施可能な答弁をいただきましたが、そういったものを含めると、周遊バス事業にはどのくらいまで予算をつぎ込めるのでしょうか、お聞きをいたします。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。観光課長。 ◎観光課長(太田三博君) ただいまの御質問にお答えいたします。 本年度は四百数十万円程度の予算でございます。ただ、周遊バスというものは、各地全国市町村それぞれそうでございますが、やはりこの単体をもって黒字が出るような事業ではございません。やはり観光事業者がうまくいかない部分を行政側で補てんをする事業が周遊バス、二次交通の確保であるというふうに考えております。 ただ、この金額がどの程度まで出せるかというのは、ちょっと私自身お答えは非常に困難でございますが、やはり一定程度の金額、観光客の方に認知していただいて、それによって市内各地に観光客の方がおいでになって、市民の方もこのバスは非常に有効だというふうに思っていただけるようであれば、一定程度の金額は必要であろうかというふうに考えております。ただ、やはりこの周遊バスにつきましては、基本赤字の事業でございますので、単に要望だけで拡大の一途をたどるということは非常に困難であるというふうに考えております。 先ほど申し上げましたように、費用対効果を考えて適正な金額での執行を考えてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 再質問ありますか。中牧盛登議員。 ◆16番(中牧盛登君) よろしくお願いします。 次に、第5次総合計画の具体的な施策の中に、二次交通の整備強化が計画されています。この二次交通を強化するための一つとして、現在は観光振興事業の中に含めた形で周遊バス事業の事務事業評価をしておりますが、観光周遊バス「ぐるりん号」事業を単独での事業評価をしていただきたいと考えますが、この辺についてはいかがでしょうか。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。観光課長。 ◎観光課長(太田三博君) ただいまの御質問にお答えいたします。 現在の事務事業評価につきましては、予算書に計上された事務事業単位で事業評価を行っているところでございますが、本年から始まりました第5次総合計画では、それぞれ個々の事業につきまして指標を設けて、より細かい詳細な評価をすることとなっております。こうしたことから、この周遊バス「ぐるりん号」だけではなく全ての事業については、それぞれ予算執行金額がかかっているところでございますので、詳細な費用対効果の分析・評価については行っていきたいというふうに考えております。 特に、こうした赤字といいますか、収入が少なくてやり方によっては拡大してしまうようなものにつきましては、きちんとした外的な評価も含めまして細かな事務事業評価、厳密に行ってまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありますか。中牧盛登議員。 ◆16番(中牧盛登君) 今の答弁でいくと、単独での事務事業評価ということをつくるということでよろしいですか。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。観光課長。 ◎観光課長(太田三博君) ただいまの御質問にお答えいたします。 事務事業評価の制度自体、行政全体のことになりますので、観光課単独でということではございませんが、やはり現在大きな課題となっております二次交通に係る事業でございます。ということから、特に「ぐるりん号」を初め二次交通確保事業、この「ぐるりん号」以外にも幾つかございますが、これにつきましては費用対効果、内容の見直しについては、きちんとしてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 再質問ありますか。中牧盛登議員。 ◆16番(中牧盛登君) 答弁がうま過ぎてよくわからないんですが、要するにこの事業は、委託することでチェック機能が7年間、8年間かけても、全く働いていない事業だと思うんですよ。だから、チェックするのは誰なのかということなんです。ですから、事務事業評価を単独で立てたら、どうなのかということです。難しい言い回しはやめてちゃんと話してください。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。観光課長。 ◎観光課長(太田三博君) 御質問にお答えいたします。 二次交通「ぐるりん号」につきましては、単独であってもきちんと評価をするべきだというふうに考えております。これまで7年間、今年度含めて8年間でございますが、やはりきちんとした評価が客観的に見てできていないというふうに自覚をいたしておりますので、「ぐるりん号」につきましては、きちんとした評価、単独で実施をしていきたいというふうに考えております。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 再質問ありますか。中牧盛登議員。 ◆16番(中牧盛登君) よくわかりました。 大変きょうはよくわかった答弁で、最後に市長にお聞きしたいと思います。 周遊バス運行事業について、担当部長からの答弁は継続していきたいということです。今後、観光バス専用車両購入の検討や効果的な運用コース、効果的な運行日、利用者のニーズ把握、調査等々課題というのは山積しているわけであります。この課題とともに、大町市にとってやはり本当の観光地づくりを考えていただかなければいけないんじゃないか。やっぱりお金を落とす観光地が大町市の北部地域にないということから、こういった周遊バスもなかなか回す手がないというようなことのいろんな答弁をいただきました。 やはりそうなりますと、この事業に対する予算も大きく膨らんでくると思います。私はこの事業に対して大きな投資をしても、大町市が考えている効果が得られないようならば、廃止を考えることも選択肢の一つではないかというふうに考えるわけですが、市長はどのようにお考えでしょうか。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。市長。 ◎市長(牛越徹君) さまざまな観点から御質疑をいただきました。 まず、「ぐるりん号」は先ほど私自身が答弁申し上げましたように、利用客の伸び悩み、また芳しい状況には決してございません。これが基本認識でございます。しかしながら、これも答弁申し上げましたが、周遊型、滞在型、さらには着地型の観光を大町市として目指す以上、これは立山黒部アルペンルートにこれだけ大勢のお客様が来ている、そのお客様がいわゆる通過型の観光になっている、そうした観点からの戦略的な取り組みでありますので、まずこれは抜本的な見直しを加えた上、継続していくということをまず前提にしてまいりたいと思います。 抜本的な見直しの内容とすれば、御質問にありましたようにコースの見直し、あるいはダイヤ、あるいはさまざまな実施時期や運行そのもののあり方についてメスを入れる。それからもう一つ、これは情報発信のあり方も考えていかなければいけないと考えております。 平成22年以降7年間続けてまいりましたけれども、やはり戦略的な取り組み、そして郊外へ第二次交通としての足を用意することがやはり面的な広がりを持つということにつながっておりますし、しかも発足したときに、スタートしたときの考え方ですけれども、やはり二次交通というのは、もちろん新幹線のダイヤ、あるいは鉄道のダイヤと違って非常に多くの人々に知られにくい分野の情報であります。これらについては、やはりホームページや特に個人客、小グループの皆さんが使うSNS、ソーシャル・ネットワーキング・サービスなどを使って、実際に経験した人が、体験した人が生の情報を発信する、そういったところにも配慮しながら、できるだけ大勢の人に知っていただく、認知度を向上させる、そんな取り組みにもつなげてまいりたいと考えております。 とりわけこれまでも、これも観光課長から答弁申し上げましたように、例えば安曇野ちひろ美術館、松川村にあります。そこには個人客、小グループのお客様、相当ウエート多く見えております。そこまで延伸するとともに、そこには安曇野市から周遊バスが来ておりますので、それとの結節点、接続するということも念頭に置きながら改善しました。そうしたことも加えながら、そうした観点もこれからもより広域的な連携も念頭に置きながら改善を加えていきたいと考えるところでございます。 やはり着地型、これは先ほど周遊型と滞在型というふうに並べましたが、もう一つ大町に来てから行き先を探す、そのためには二次交通、あるいは二次交通といっても、それは周遊バス「ぐるりん号」だけではなく、例えばタクシーとの組み合わせもありますが、そうした中で基本的な二次交通としての「ぐるりん号」が利用されるためには、大町に行けば楽しいよ、楽しいものがある。あるいはこれは地域ブランドそのものの向上という観点からも重要なテーマでありますが、そうした来てから行き先を選ぶときにも、そうした二次交通というのは極めて重要でありますし、またいわゆる団体旅行から小グループ、あるいは個人旅行に徐々に徐々に、あるいは急速に移行しております観光動態を見ますと、やはりこれはしっかり支えていく、そのためにも抜本的な見直しを加えた上、大勢の皆さんに利用いただけるような、そんな展開を目指してまいりたいと考えております。 その際、情報発信のあり方まで含めると、多分一定程度の財政投資も検討の対象にしていかなければなりませんが、予算のあり方、予算の規模はどの程度になるか、今から申し上げることはなかなか困難ですが、財源の調達、さまざまな活用すべき助成制度なども研究検討しながら、そういったことを総合的に考えていきます。その点の手がかりは、これも議論の中にありましたやはり今年度予定しております利用者の皆さんの生の声、そうしたことをしっかり反映できる。利用者の皆さんの声というのは、それを分析して集約するのは非常に困難で、どれを抜き出して、それを政策に反映するかというのは容易なことではありませんが、澄んだ目でしっかりしたその声を吸い上げることによって、需要を見通してまいりたいと考えているところでございます。 いずれにしても、二次交通というのはなかなか認知されにくい旅行手段ではありますが、できるだけ多くの皆さんに知っていただく、そしてあわせて地域ブランドなどの振興によって、大町に行けば楽しめるんだということも並行して事業を展開しながら、「ぐるりん号」のあり方についてしっかり将来に向けての構築を考えてまいりたいと考えるところでございます。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 再質問ありますか。中牧盛登議員。 ◆16番(中牧盛登君) ありがとうございました。 大町市は、やはり観光立市ということで、大町市の観光振興全体の中の二次交通はわずかな一つの事業であります。ほかにも本当にやらなければいけない観光地づくりなどがいっぱいあるかと思いますが、ぜひ大町市全体の観光地の最適化に向けて、知恵と工夫を発揮していただきたいと思います。 それを申し上げまして、質問を終わります。 ○議長(勝野富男君) 以上で中牧盛登議員の質問は終了いたしました。 ここで、昼食のため1時5分まで休憩といたします。 △休憩 午後0時05分 △再開 午後1時05分 ○議長(勝野富男君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 市政に対する一般質問を継続いたします。 質問順位第3位、平林英市議員の質問通告は3項目です。平林英市議員の質問を許します。平林英市議員。     〔12番(平林英市君)登壇〕 ◆12番(平林英市君) 日本共産党の平林です。 まず初めに市長の政治姿勢について、2番目に子どもの医療費窓口無料化について、3番目に国民健康保険、以上の3項目について質問をいたします。 初めに、市長の政治姿勢について伺います。 安倍首相は、憲法記念日に当たる5月3日の改憲推進の集会に向けたメッセージで、2020年までに憲法を改正して施行を目指す意向を表明しました。具体的な改憲項目として9条を挙げ、新たに条文を追加して自衛隊の存在を憲法上に位置づけるとしています。さらに、共謀罪の内容を含むテロ等組織犯罪準備罪を強行に押し当て、戦前、特高警察が戦争に反対する国民を弾圧した治安維持法のように、戦争遂行のために国民を監視して国民の声を封じることにならないか、私は懸念するところであります。憲法の基本的三原則は、平和主義、国民主権、基本的人権の擁護を貫いております。 そこで質問の1です。市長は、市民の生活と福祉を守り、財産と生命を守るということが首長の義務であると思いますが、その観点で憲法の精神を守ることが最重要課題だと思います。市長の見解を伺います。 2番目に、広報おおまち6月号が発行され、北朝鮮による弾道ミサイル落下を想定した速やかな避難行動という内容のものが掲載されました。政府が危機意識をあおり、憲法改定を推進するために政治的利用をしているのではないかと私は感じております。市長はどのような意識で広報に掲載しているのか伺いたいと思います。 ○議長(勝野富男君) 平林英市議員の質問に対する答弁を求めます。市長。     〔市長(牛越 徹君)登壇〕 ◎市長(牛越徹君) 市民生活と権利を守り、福祉を守り、財産と生命を守る観点から憲法を守ることについてのお尋ねにお答えします。 安倍総理が憲法9条に自衛隊を明記することなどを例示して、2020年の改正を目指すと表明したことにより、各党及び衆議院憲法審査会において活発な議論が交わされていることが報道されております。 御案内のとおり、地方公共団体の長は市民の福祉の増進を図り、生命と財産を守り、安全で平和な暮らしを保障する責務が課されております。この責務を全うするに当たりましては、我が国の平和と安全が大前提であります。日本国憲法は、悲惨な戦争の反省を経て平和を願う国民の期待を担って制定され、施行から70年もの間、一貫して平和憲法として守られてまいりました。 一方、昨年、安全保障関連法が施行され、憲法改正をめぐる議論が高まりを見せております。私は、常々平和を希求する憲法の理念や基本的な考え方につきましては、今後も引き継がれるべきものと考えており、初めから憲法改正ありきではなく、憲法の改正が真に必要であるのか、また必要であるならば、国民の理解が十分に得られるよう、国政においてしっかり議論されることを期待するものでございます。 次に、弾道ミサイル落下を想定した避難行動を市の広報に掲載したのはどのような認識かとのお尋ねにお答えします。 政府内閣官房では、北朝鮮から発射された弾道ミサイルが日本に落下する可能性がある場合、全国瞬時警報システム、いわゆるJアラートを使用し、緊急情報を伝達することとしており、国民が身を守るためにとるべき行動を取りまとめ、内閣官房のホームページに避難行動等について掲載し、4月21日付で全国の地方公共団体に対し住民への広報について、県を通して協力を求める通知がありました。これを受け市では、4月24日からホームページ上に、また広報おおまち6月号に記事を掲載し、市民の皆さんへの周知を図ることといたしました。 議員御指摘のように、政府は憲法改正のため国民の危機感をあおり、政治的に利用しているのではないかと考える方もおいでになることかと思いますが、地方自治体には法に基づき市民の生命、財産を守り、安全な暮らしを保障する責務がございます。平成22年に北朝鮮が金正恩体制となり、これまでの約6年半余の期間に発射されたミサイルは、失敗を含め80発を超え、従前に比べ周辺諸国への脅威が大きくなっていることは多くの方々が認識されており、特に日本海を挟んで近隣に位置する日本においては、脅威は大きいものと危惧されるところでございます。 不測の事態に備えて対処方法を市民の皆さんへ周知することは法に基づく市としての責務であり、平成19年3月に大町市国民保護計画を策定し、武力攻撃事態等への対応を規定しておりますことから、この計画に沿い市民の皆さんの安全な避難を最優先に関係機関等と協力し、対応したいと考えております。 地方自治体の長として、国の権限の行使にかかわる是非について率先して申し上げる立場にはありませんが、政府は関係諸国との十分な連携、協調のもと、あらゆる外交努力により平和的に解決されますことを心から望むところでございます。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありませんか。平林英市議員。 ◆12番(平林英市君) ありがとうございました。 市長の市民の安全、責務を全うするには平和憲法理念が必要だというふうに私は受けとめましたが、非常に崇高な見解だと私は思います。 そして、私もう一点聞きたいのは、憲法の最も重要な意義は国家の権力を制限して、国民の権利や自由を保障すると、そういうことであると思います。これがいわゆる立憲主義と言われているゆえんであります。その意味では、この憲法を擁護する義務は、国の権力を握る政府にあるというふうに思います。 それを事もあろうに安倍首相は、権限を切って憲法を変えると宣言したことは、まさに憲法99条の憲法擁護義務違反に当たると、そういう行為であるということを批判されておりますけれども、その点は自治体の政治をつかさどる市長も憲法の理念を尊重して守る、そういう立場にあるんではないかと私は思いますけれども、その見解を伺いたいと思います。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。市長。 ◎市長(牛越徹君) 憲法というのは、やはり国民の権利を守ると同時に、いわゆる権力の暴走を阻止するために、いわゆる権力が集中する、あるいは権限が集中する国の政体、あるいは国の政府、あるいは地方自治体である地方政府にも一定の制限をかける、そうした大きな役割を果たしております。 近代国家におきましては、近代憲法、立憲主義のもとで定められた憲法は、そうした考え方が底流にあり、平林議員御指摘のように行き過ぎた暴走というのを食いとめるという大きな役割は、これからも重要であるということを私自身も考えております。 なお、このたびの安倍総理の発言は、あくまでもいわゆる自由民主党総裁としての見解だということをしきりに説明しております。やはりその説明に多くの国民の皆さんは、まだ危惧を感じているんではないか、そのようなことも報道されているところでございます。こうした中で、きちっと現在の憲法をしっかり守るというのは、国家公務員のみならず地方自治体、地方公務員にもしっかり課せられている義務でございます。そうしたことを私自身も胸にとめて、今後、さまざまな施策について取り組みを進めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありますか。平林英市議員。 ◆12番(平林英市君) それでは、北朝鮮の問題ですけれども、実は私、質問を通告した後の5月29日の早朝に、おとといですけれども、北朝鮮がまたもや弾道ミサイルを日本海に向けて発射したと。日本の排他的経済水域に落下しました。国際社会の強い警告にもかかわらず、再び弾道ミサイルの発射を強行したことは、まさに許しがたい暴挙であり、厳しく抗議するものであります。 しかし、この問題の解決方法は、先ほど市長もちらっと言っておりましたけれども、大惨事をもたらす軍事行為ではなく外交的解決しかないと、私は思います。日本政府は危機的意識をあおるだけでなく、経済的制裁の全面実施と強化で北朝鮮の外交交渉に踏み切り、6カ国協議を含め、対話による解決を図る努力を政府は関係各国に求めていくべきではないですか。決して北朝鮮の蛮行を許すものではありませんが、政府は危機的状況をあおり立て、自治体にも危機意識を恣意的に押しつけているように私は感じます。 6月広報にはミサイル落下情報で直ちに行動をとの大見出しで、できる限り頑丈な建物に避難するなど1ページにわたって、私は誇大宣伝をしていると思います。まさに国の方針に忠実に従って、市民に危機意識をあおる広報に感じますが、再度見解を伺います。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。消防防災課長。 ◎消防防災課長(遠藤久君) ただいまの御質問にお答えいたします。 先ほども市長が答弁申し上げましたとおり、市としましては、市民の皆さんの安全を確保することがまず第一だということで、これだけのページを割いて、まずとっていただく行動ということで広報したものでございますので、御理解をいただきたいと思います。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありますか。平林英市議員。 ◆12番(平林英市君) では、続いての子どもの医療費の窓口無料化について伺います。 長野県は受給者負担金を除き、医療機関の窓口で医療費を支払わなくて済む窓口無料化の制度化を中学卒業まで実施した自治体には財政援助するとしました。大町市はどのような対応になるか、まず伺います。
    ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。民生部長。     〔民生部長(竹本明信君)登壇〕 ◎民生部長(竹本明信君) 長野県は窓口無料化の支援を中学卒業までとしたが、大町市ではどのような対応になるかとのお尋ねにお答えいたします。 県では、本年1月より市長会及び町村会の代表者等で構成させる福祉医療給付事業検討会を設置し、福祉医療制度の見直しを検討してまいりました。この検討会では市町村の意向調査等を踏まえ検討した結果、県下全市町村が足並みをそろえて中学校卒業までは現物給付方式、いわゆる窓口無料化を導入することが適当であるとの考えがまとめられました。 この方針を受け、県では全市町村が足並みをそろえて対象年齢を中学校卒業までとするための環境づくりとして、現物給付方式を導入した場合に生ずる国民健康保険への国庫負担金交付金の減額調整措置に伴うペナルティー額について、その2分の1を補助する措置を新たに講ずることを決定しております。 当市といたしましても、県の動向を注視しながら、現物給付方式導入に向け所要の準備を進めてまいります。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありますか。平林英市議員。 ◆12番(平林英市君) 県下77市町村で足並みがそろうということで、今答弁がありましたけれども、これには非常に長い要望から民主団体と、そして共産党も先頭になって窓口無料化、まさに子育て支援の最たるものではないかということで運動してきて実現したものであります。 今、県が2分の1の負担の財政支援をするということですけれども、市の負担というのは具体的にどのくらいになるんですか。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。市民課長。 ◎市民課長(飯沢義昭君) ただいまの御質問にお答えいたします。 現物給付方式を導入する場合には、市町村の国民健康保険に対しまして国から交付される国庫負担金がペナルティーとして減額されております。県の財政支援は、先ほど説明いたしましたように、ペナルティーとして減額される額の2分の1となります。そして、残りの2分の1の額が当市の負担となります。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 再質問ありますか。平林英市議員。 ◆12番(平林英市君) 2分の1、県が財政支援するということですけれども、国は今まで就学前までの子どものペナルティーも国保の財政調整交付金にかけてきたわけですから、その分が軽くなるということであります。ですから、逆に言えば、国保の財政調整金が自治体にもふえてくるわけですから、いわゆる高校卒業までというような支援を拡大できるような、そういう余裕が出てくるんではないかと思いますが、中学生以上の無料化の検討をしておりますか、どうですか。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。市民課長。 ◎市民課長(飯沢義昭君) ただいまの御質問にお答えいたします。 確かに議員御指摘のとおり、未就学児に関しましてはペナルティーが外れるということでございます。しかし、それ以外の部分、小学校、中学校、高校、そこまではペナルティーがかかるということでございますので、今のところ、それについては考えてございません。 以上です。 ○議長(勝野富男君) 再質問ありますか。平林英市議員。 ◆12番(平林英市君) 調べてみましたけれども、長野県内では高校卒業まで無料化を実施している自治体が31あります。市の段階では飯田市が実施しております。その中で、大北地域の町村でございますけれども、池田、松川、白馬、小谷の各町村が既に高校まで拡大をして実施しております。こういう面から見ても、やはり大町も足並みそろえて拡大していくべきではないかと思いますが、その検討はどうでしょうか。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。市民課長。 ◎市民課長(飯沢義昭君) 窓口負担無料化の対象の拡大についてのお尋ねにお答えいたします。 子育て世代の皆さんの医療費負担軽減は、経済的な支援策として非常に有効であると認識しております。一方で、医療機関を受診しない方は影響がないことなど、子育て支援の環境は地域や年齢に応じて状況が大きく異なります。 県下19市でございますけれども、飯田市、小諸市、佐久市が入院診療、外来診療ともに、また伊那市、駒ヶ根市、飯山市が入院診療のみ18歳到達後の3月31日までとしております。当市におきましては、本年度は高校生までの拡充は見送ることとしておりますが、県下他市の動向を注視し、適切に判断してまいります。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 再質問ありますか。平林英市議員。 ◆12番(平林英市君) わかりました。 以前も質問したんですけれども、市長の選挙向けの公約のビラを私は読んでおりますけれども、子育て支援を非常に重視したいという政策だったと思いますが、子どもの医療費の無料化の拡大という文言がありました。今、非正規社員がふえて経済格差が広がる中で、子育て支援の充実として近隣町村にあわせてやはり拡大実施する必要があると。そして、今、課長が答弁したように、私は飯田だけだと思ったら、ほかの市でもやっているということは、ぜひそういう方向へ向けて拡大の無料化に合わせてやっていただきたいと思いますが、市長、どうでしょうか。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。市長。 ◎市長(牛越徹君) まず、子ども医療費の対象範囲の充実・拡充は、非常に重要なテーマであります。今、御紹介いただきましたように、私自身の公約にも掲載し、そして今までも拡充何回か取り組み、そして実現をしてまいっております。 そうした中で、1つはやはり子ども医療費の拡充という課題については、毎年予算編成の過程を通じながら、しっかり議論をし、そして毎年毎年の方針を決めております。ただ、残念なのは、国から補てんされるといいますか、地方財政の一般財源、地方財源が必ずしも受託に保障されていないという現実がある中、さまざまな施策の優先順位を慎重に見きわめて、毎年苦労しながら予算編成をしております。 そうした中で、子育て支援策というのは、この4年間、5年間、大町市は人口減少対策を含め、住みよい、暮らしよい、また子育てが安心してできる地域づくりという観点からも非常に重要な課題としてさまざまな政策を充実してきております。それは、もちろんこうした医療費の無料化の問題も含めてでありますけれども、やはり子育て施策全体を鑑みますと、大町市の政策は近隣、あるいは県内でも抜きん出て充実してきていることは事実だと、私自身は考えております。 例えば、出産祝い金は、県下19市の中で、市の中では大町市だけでありますし、また、近隣の町村と比べれば、近隣の町村にもそうした制度はありますけれども、子育て支援全体とすれば、いわゆる結婚、出産、そして子育て一連の流れの中で途切れのない、切れ目のない子育て支援策を講じている、そうした考え方を持っているのはそう多くないわけでございます。 そうした観点から、これからもこの地域で子育てをしたい、暮らし続けたい、そうした市民の皆さんの熱い期待を担ってきちっとこの問題、子育て支援全体の課題と、そして今、議員御提案の子育て支援に対する子ども医療費の充実についても、しっかり対応を考えてまいりたいと思っているところでございます。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 再質問ありますか。平林英市議員。 ◆12番(平林英市君) 1レセプト当たりの最大500円という受給者負担金というのがあります。これはいわゆる手数料と聞いておりますが、大町市は徴収しているわけですが、完全無料化を実施していくという考えはないでしょうか。そしてまた、この500円というのは手数料と言われていますが、よくわからないんですよ、どういう意味で徴収しているのか、その辺を教えてください。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。市民課長。 ◎市民課長(飯沢義昭君) ただいまの御質問にお答えいたします。 福祉医療制度は、医療機関でかかった医療費に対して助成する制度でありますことから、医療費の増加や医療保険制度の改正により大きな影響を受けることとなります。そのため、1レセプト当たり500円の受益者負担を導入し、制度が長期に安定的に継続できますよう受益者の方にも一部を負担していただき、限られた財源の中で実施しておりますので、御理解をお願いいたします。 また、500円につきましては、福祉医療の受益者負担金として500円をいただいております。以前は300円であったものですけれども、500円に改正しているところでございます。 以上です。 ○議長(勝野富男君) 再質問ありますか。平林英市議員。 ◆12番(平林英市君) ですから、手数料500円を大町市は取っているというんですけれども、これ自治体によって違うんですよ。原村というところでは全く負担ないんです。そして、今、以前は300円だと言われていましたけれども、300円としているところは24自治体あるんですよね。先ほどの質問にもありましたけれども、本当に子どもたちの貧困というのは深刻だと私は思います。行政が500円くらい大したことない負担だと、こう考えているかもしれませんが、500円であっても、何回もかかれば、違う科へかかればそのたびに取られるんです。これは大変な負担になって、そういう大きな負担になっている世帯があるわけです。 まさにこれは減額するか、完全無料化、他の自治体の先陣を切って大町市はできないものかと、再度伺いたいと思います。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。民生部長。 ◎民生部長(竹本明信君) ただいまの御質問にお答えいたします。 先ほど御質問にもありましたとおり、300円のところで町村が主でありますけれども、その部分についてはなっておりますし、それから市等で、大町市もそうですけれども、受益者負担金として500円をいただいているところでございます。公平に医療を受ける原則といたしまして応分の負担をしていただくという観点の中から、500円という負担金をいただいておるところでございます。 先ほど来、話が出ておりますペナルティー部分の解消でありますとか、今後の医療改正等に基づきまして変更等がございましたら、検討する余地はあろうかと思いますが、当面500円の受益者負担金で賄っていきたいというふうに考えております。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 再質問ありますか。平林英市議員。 ◆12番(平林英市君) それでは、次の障害者の医療費についても、窓口無料化の検討はしているのか伺いたいと思います。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。民生部長。 ◎民生部長(竹本明信君) ただいまの御質問にお答えいたします。 障害者の医療窓口無料化についての御質問でございますけれども、今回、県において方針が示された子ども医療費の現物給付方式の導入の背景には、国の調査によりまして、全国全ての市町村が何らかの医療費助成を行っていることが明らかとなりまして、国が未就学児までの国民健康保険のペナルティーを来年度から撤廃すると決定したものによるところが大きな要因でございます。 未就学児以外のペナルティーにつきましては、今後も継続され、また福祉医療制度につきましては、医療費の増加や医療保険の制度改正に大きく影響を受けますことから、当面は現行の自動給付方式、いわゆる現在やっております償還払いを継続することが望ましいと考えております。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 再質問ありますか。平林英市議員。 ◆12番(平林英市君) 償還払いということは、後で返ってくるんですけれども、一旦は払わなければいけないですね。それで事例をちょっと私、紹介したいと思いますけれども、障害者を子育て中の世帯からは障害者の子どもたちは医療機関にかかる機会が非常に多いんですね。それで、中学を卒業すると途端に今までの制度でいいますと、高額な医療費が請求される。生活費の圧迫になると、こういう声があります。 そしてまた、一般成人の障害者については、償還払いとなっていて窓口無料化にはなっていないわけです。障害者の親からの声では、息子の医療費が昨年だけでも13万円もかかり、そのうち手数料の負担金だけでも1万7,000円にもなったと言っています。さらに、精神障害者の年収は極めて低い。医療機関にかかる機会が多く、自転車操業だと。後日償還されるとはいえ、窓口で高額な医療費を請求されることは大変な負担になる。このような声が寄せられております。 この声に市長はどのように応えるのかなって、ちょっと聞いてみたいと思いますけれども、お願いします。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。市長。 ◎市長(牛越徹君) 子ども医療費、そして今、御質問いただいております障害児の医療費、これはやはり重要な社会保障のやっぱり第一歩の部分であります。しかしながら、この医療費だけで貧困にあえぐ、本当に残念な皆さんの生活を保障するということは極めて難しいわけですので、総合的な社会保障の中で解決すべき問題であります。 翻って、いわゆる医療費の問題は、先ほどの課長の答弁にもありましたように、こうした極めて各都道府県において医療費については施策を講じているということについて、国もようやくそれに目をそむけず着目して、そして一部でありますけれども、未就学児については、国から科していたそのペナルティーの一部を撤廃する、これ第一歩ではないかと思います。 私どもは、今まで答弁でもやはり1つには、もちろん窓口無料化についてはコンビニ受診と言われるような安易な受診が一部に見られるということに鑑み、医療費の増嵩を懸念するということが1つ。 そしてもう一つは、これは常々強く私自身も説明申し上げてまいりましたが、こうした全国一律に都道府県、市町村が取り組んでいる施策については、これは国がそれぞれ都道府県の状況、市町村の財政力などにかかわらず、一律の制度として国がきちっと施策を講じなければならない。そうした分野だというふうに考えております。国民の安心・安全な暮らしを守ることは、むしろ国の直接の責務だということで、これは国にも制度の改正をなお求めていきたいと考えるところでございます。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 再質問ありますか。平林英市議員。 ◆12番(平林英市君) 今、市長の答弁、まさに国の責任であります。それで、私も全くそのとおりだと思いますけれども、その点では、私は国の政策に強い怒りを持っているんですよ。先ほどのペナルティーの問題ですね。今回、国民の世論でようやく未就学児までのペナルティーを外したと。しかし、それ以上についてはまだペナルティーをかけていくわけですから、自治体は福祉を守るという観点から大小の違いがありますけれども、子どもたちの医療費の無料化に取り組んで実現してきました。しかし、厚労省は未就学児は除き就学児童については、実施した自治体にはペナルティーとして国保の調整交付金を減額するという、全く子育て支援とは逆の反対の政策で無料化を抑えているというふうに思います。 私は、ぜひ市長にも全国の市長会などで、このペナルティーというやつを外していくように訴えていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。市長。 ◎市長(牛越徹君) この制度自体、ペナルティーを科するという制度自体、極めて非常にゆがんだ発想に基づくものというのが全国市長会の共通した認識でございます。そうしたことから、これまでも何年にもわたってこの問題を取り上げ、そして全国市長会の決議に基づいて中央省庁、特にこれは厚生労働省に強く求めてきております。これからもそうした要請を力強く国にしてまいりたいと考えております。 以上です。 ○議長(勝野富男君) 再質問ありませんか。平林英市議員。 ◆12番(平林英市君) それでは、国民健康保険の広域化について伺いたいと思います。 2018年、いよいよ来年からですが、都道府県が国保の保険者となり、大町市の国保行政を統括・監督する仕組みが導入されます。新制度で国保財政の流れが変わります。県は国保事業に必要な費用を市に納付金として割り当てます。市は、市民から保険料を徴収し、集めた保険料を県に納付する。県が保険給付に必要な財源を交付金として市に拠出する仕組みとなります。市は、市民にどれだけ保険料を課すかは、県からどれだけ納付金を割り当てられるかに左右されてまいります。 そこで質問であります。厚労省は保険税の標準化という言い方をしておりますけれども、保険税は高い市町村の水準になることが十分に予想されております。その上、収入不足を補う市町村の一般会計からの法定外繰り入れについても、社会保障審議会では廃止の方向が出されていると聞いております。厳しい事業運営になり、保険税の引き上げにならないか伺いたいと思います。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。民生部長。     〔民生部長(竹本明信君)登壇〕 ◎民生部長(竹本明信君) 国民健康保険の広域化による一般会計からの法定外繰り入れについてのお尋ねにお答えいたします。 国保制度の財政運営につきましては、市町村は保険税収納額が納付額を下回らないよう保険税率を算出し、それでもなお災害等特殊事情により不足した場合には、県の財政安定化基金から借り入れを行い運営していくこととしており、保険税の軽減目的とした一般会計からの法定外繰り入れは原則行わないこととされております。 今後、国において交付金等の算定ガイドラインの見直し等について検討がなされ、それに基づき国から示される公費の考え方を踏まえ、県において本年8月を目途に再度納付金の試算を行うとしております。したがいまして、現時点では交付金の額及び納付金を徴収するための国保税の税率と詳細については決定されておりません。 広域化に当たり、負担増となる市町村については、県の財政安定化基金を活用することにより、激変緩和措置が講じられることとされておりますことから、急激な負担増には至らないものと承知いたしております。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありませんか。平林英市議員。 ◆12番(平林英市君) 答弁にありましたように、今までは大町市は保険税引き上げを抑えるために法定外繰り入れを実施してきているわけでございますけれども、これが今度は本当になくなるということは、それで今、部長が答えていました財政安定化基金からの貸し付けだと、そういうもので補っていくんだという答弁だったと思いますけれども、これは必ず基金のものを返していかなければいけないということで、ますます自転車操業になって、保険税が高騰していくんではないかというふうに私は危惧しているんですが、いかがでしょうか。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。市民課長。 ◎市民課長(飯沢義昭君) ただいまの御質問にお答えいたします。 県の財政安定化基金でございますけれども、先ほど部長申しましたように、災害等特殊な事情で保険料が収入不足した場合、市町村へ貸し付けされる基金でございます。これを借り入れる限りは返さなければいけないということでございますけれども、財政安定化基金から貸し付けられることで、被保険者の負担等は避けられるものと考えております。 以上です。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありますか。平林英市議員。 ◆12番(平林英市君) 何か答弁が食い違っているような気がするんですけれども、いわゆる地方自治体から法定外繰り入れをして、そしてそれを何とか賄って引き上げを抑えてきたということですけれども、今度、県の財政安定化基金から借り入れる。しかし、それは返していかなければいけない。必ず返していくことによって、保険税の引き上げということが想定されるんではないかという、私は質問をしているんですけれども、いかがでしょう。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。市民課長。 ◎市民課長(飯沢義昭君) ただいまの御質問にお答えいたします。 いわゆる採算が合わない、納付金を支払えなかったような場合も基金の繰り入れ、あるいは一般会計からの繰り入れというのを考えなければいけないわけですが、どうしても万が一といいますか、将来的には保険税の改正等も考慮することが必要と考えております。 以上です。 ○議長(勝野富男君) 再質問ありますか。平林英市議員。 ◆12番(平林英市君) いつまでやっていても、堂々めぐりになってしまいますので、進めますけれども、この前の質疑のときに私は滞納の問題を聞きましたけれども、大町市では収納率が94.77%と答弁しております。滞納者がふえて保険の収納額が予定を下回った場合は、例えば猶予とか減額、こういうのは認められるんですか。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。市民課長。 ◎市民課長(飯沢義昭君) ただいまの御質問にお答えいたします。 県への納付金は、県全体での保険給付費を確保する目的で各市町村に割り当てられるものでございまして、示された納付金額は責任を持って納付することになりますことから、滞納等の理由により納付の猶予や減額等は認められるものではございません。 以上です。 ○議長(勝野富男君) 再質問ありますか。平林英市議員。 ◆12番(平林英市君) そういった場合、滞納がやっぱりふえていると、そして、どうしても上納は100%しなければいけないと。こういう場合に、しかも法定外繰り入れできないと。そうすると必ず被保険者にはね返って保険料が上がってくるということを私、一番心配しているんですよ。そういうことは考えられませんか。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。市民課長。 ◎市民課長(飯沢義昭君) ただいまの御質問にお答えいたします。 議員おっしゃるとおり、確かにそういったことが考えられると思いますが、そうした場合には、また国保の財政調整基金の繰り入れ、それから一般会計からの法定繰り入れ等に対応することも可能となりますことから、今後、そういった場合には検討をさせていただきたいと思います。 以上です。 ○議長(勝野富男君) 再質問ありますか。平林英市議員。 ◆12番(平林英市君) そういうことで滞納者がふえてくると、ますます保険料が上がると、そういうことになると、余計にもう払えなくなっていくというのが実態であります。それで今、大町市では差し押さえとか保険証の取り上げ、この収納強化という政策についてはどんなように対応しているんですか。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。民生部長。 ◎民生部長(竹本明信君) ただいまの御質問にお答えいたします。 国民健康保険法では災害、その他特別な事情がないにかかわらず、1年以上滞納している方に対しましては被保険者証の返還を求め、かわりに資格証明書を交付することとされております。当市におきましては、近年、資格証明書の発行は行わずに、納税相談等の機会を確保する目的で短期被保険者証を交付しております。 今後もこの方針を維持していくこととしておりますが、広域化に伴いまして市町村間での取り扱いの平準化が求められておりますことから、納税に誠意の見られない一部の滞納者に対しましては、資格証明書の交付を検討する必要があるものと考えております。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 再質問ありますか。平林英市議員。 ◆12番(平林英市君) 資格証明書の発行をしなくてずっと抑えてやってきているということは、非常に行政努力を認めるところであります。しかし、今後、県の制度になりますと、なかなかそういうことができなくなる。上から圧力がかかってくるというようなことを心配されております。 それでは、次の質問ですけれども、実際の保険税収納率が標準的収納率よりも低い自治体は、保険税負担を抑えるために滞納者に締め上げを強化しろとなりますけれども、大町市はこのようなことはありませんか。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。市民課長。 ◎市民課長(飯沢義昭君) ただいまの御質問にお答えいたします。 標準的収納率の設定につきましては、各市町村別に過去3年間の収納率の平均値を用いることとされております。必要な保険税の収入額を確実に確保する必要があります。現在、滞納者に対しましては、納税相談の実施や電話での催告、臨戸訪問等による納税の勧奨を行っており、今後も継続し、収納率の向上を図ってまいります。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 再質問ありますか。平林英市議員。 ◆12番(平林英市君) 新制度では、県が市に納付金の負担額を表示する際、同時に市に標準保険税を公表することになっております。それを参考に市は国保税を決めることが要求されます。これは、あくまでも国は参考としていますが、事実上、義務として押しつけられる心配というのはないでしょうか。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。市民課長。 ◎市民課長(飯沢義昭君) ただいまの御質問にお答えいたします。 県から示される標準保険料率につきましては、納付金の算定に用いられるものであります。市町村は国保税を賦課する際には、この標準保険料率を参考にした市町村独自の算定基準により保険税率を決定し、賦課することとなります。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 再質問ありますか。平林英市議員。 ◆12番(平林英市君) 他の市より標準保険税が高くなる場合は、保険給付費の高さが際立つようになり、医療費削減の努力を強力に求められるという心配があります。こういう心配はないでしょうか。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。市民課長。 ◎市民課長(飯沢義昭君) ただいまの御質問にお答えいたします。 健全な国保財政の運営においては、医療費の適正化は不可欠であります。当市は、県下でも1人当たりの医療費が高い自治体であります。生活習慣病の重症化予防と医療費の適正化に向け保健事業を進めているところであり、今後、一層事業の充実に努めてまいります。 以上です。 ○議長(勝野富男君) 再質問ありますか。平林英市議員。 ◆12番(平林英市君) 標準保険税は、今まで市独自で行ってきた一般会計からの公費繰り入れは反映したものとなるわけでしょうか。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。市民課長。 ◎市民課長(飯沢義昭君) ただいまの御質問にお答えいたします。 県へ支出する納付金の中には、収納した保険税のほかに一般会計からの法定繰入金が含まれることとなりますが、標準保険料率の算出は一般会計からの繰入金を反映したものにはなっておりません。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 再質問ありますか。平林英市議員。 ◆12番(平林英市君) 公費繰り入れによって実際の保険税を標準保険税よりも低く抑えている、そういう自治体は優遇が浮き立つようになります。そして、医療水準に見合った保険料に引き上げろ、滞納分は繰り入れでなく市民に負担させろ、こういう国と県の圧力が加わるような気がするんですが、いかがでしょうか。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。市民課長。 ◎市民課長(飯沢義昭君) ただいまの御質問にお答えいたします。 標準保険料率につきましては、県内の保険料収納必要額を市町村ごとの被保険者数と所得水準で案分し、それぞれに医療費水準を反映し、額を決定するものでございますので、御理解をいただきたいと思います。 ○議長(勝野富男君) 再質問ありますか。平林英市議員。 ◆12番(平林英市君) 国は、国保はあくまで助け合い相互扶助の制度ということを盛んに言っているわけでありますけれども、国保法では社会保障及び国民保険の向上に努めるとあり、社会保障制度の観点で健全な運営を図らなければならないわけです。この点、市としてはどういうふうに考えておりますか。いわゆる相互扶助であるか、社会保障であるかという点です。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。民生部長。 ◎民生部長(竹本明信君) ただいまの御質問にお答えいたします。 議員御指摘のとおり、国民健康保険法第1条では、国民健康保険事業の健全な運営を確保し、社会保障及び国民保健の向上に寄与することを目的とするとしております。また、第2条におきまして、この目的を達成するために被保険者の負傷、出産、または死亡に関して必要な保険給付を行うとあります。 このことは、健全な国保事業を安定的に運営するために適正な保険税の賦課徴収を行うことと、適正な医療の保険給付をしていくこと及びさまざまな保健事業を展開し、医療費の適正化を進めていくことであると考えております。 医療費の適正化が進めば、必然的に財政は安定してまいりますことから、特定健診や保健指導等推進を図り、さらなる保健事業の充実に努めてまいります。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 再質問ありますか。平林英市議員。 ◆12番(平林英市君) 最後になりますけれども、ちょっとこれ最後に基本的な問題ですが、市長に聞きたいと思いますが、今、高過ぎる国保税と言われているんですよ。非常に負担が大きい税金だと言われております。これを抜本的に引き下げ、将来にわたって国保税高騰を抑えていくには、ここが大事なんです、国庫負担割合を上げていくしかない。国保の財政構造を根本的に変えるしかないと、私は思うんです。 これは、国に対して自治体が市民を守る立場で健全な制度の運営を図るために求めていくべきだと私考えますが、市長、いかがでしょうか。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。市長。 ◎市長(牛越徹君) 御指摘のように、やはり国が制度として設けている国民健康保険については、国の財政的な関与をもっとふやすべきだという主張はそのとおりでありますし、また、全国市長会からも再三にわたり、こうした要請を上げております。 ただ、考えなければならないのは、日本は医療費に関して国民皆保険の制度をとっております。大町市でいえば、国民健康保険に加入いただいている市民の皆さんは、全体とすれば一定割合であります。先ほど議員がお尋ねのように、国民健康保険の中で仮に滞納が生じた場合、それを国民健康保険に加入している他の加入者の保険料に反映することはまずいというふうにおっしゃっていました。しかし、これを法定外繰り入れ、一般の税から繰り入れすると、国民健康保険に加入している人以外の方からいただく税金を投入することになります。 どういうことかといいますと、国民健康保険以外に加入している被保険者は、みずからの保険料を払うとともに税として払っている、それを移転する。これはさまざまな観点から慎重に判断しなければいけない状況であります。それぞれごとの保険は、先ほどおっしゃっておりましたように、相互扶助という考え方に成り立っておりますので、まず一つ一つの医療保険の中で完結する。それには収入としてのバランス、それを考えていかなければいけない。 そして、これも先ほど市民課長の答弁にありました医療費を抑制する、これは抑制するというのは、削減するという言葉と違って医療費がかからないような仕組みをつくっていく。そのためには、例えば今、大町市では国民健康保険の特定保健については、無料で特定健診を受けていただく、そうした仕組みをつくって呼びかけております。 ようやく県の平均並みに達してきておりますが、それによってもちろん病気にかからないような疾病予防、あるいは特に慢性的な病気については重症化を予防する、これは加入者に限らず一人一人の責務であります。医療保険というのは、医療費の負担が大きくなることは、もちろん本人にとっても残念なことでありますが、それ以上に健康な暮らしができないことのほうがもっともっと安心して暮らせる幸せな暮らしからすれば、残念なことであります。 そうした意味におきまして、市としてもこの健康保険、単なる財政の健全化ではなく、市民の皆さんの健康を守るという観点から、こうした呼びかけも強調し、また周知を図ってまいりたいと考えるところでございます。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 再質問ありますか。平林英市議員。 ◆12番(平林英市君) 今、市長が言われた特定健診、これは本当に続けていただいて、10%健診率上がったと言われています。これは市民の健康を守るために非常にいい政策だと私は思います。 しかし、先ほど一番最初に言った公平性の問題、これはいつも公平性の問題で言われますけれども、そういう点では国保だけでなく、全ての政策においてそうじゃないですか。市民公平に全部行きわたるような政策で恩恵を受けるというものは、本当にないんですよ。全ての者が受けるというのはないと思うんですよ。 ですから、そういう点では国保に入っている人たちが相当4割いるわけですから、そこへ力を入れていく必要があると、私は最後にそれを申し上げて終わりたいと思います。 ありがとうございました。 ○議長(勝野富男君) 以上で平林英市議員の質問は終了いたしました。 ここで、2時15分まで休憩といたします。 △休憩 午後1時58分 △再開 午後2時15分 ○議長(勝野富男君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 市政に対する一般質問を継続いたします。 質問順位第4位、大和幸久議員の質問通告は2項目です。大和幸久議員の質問を許します。大和幸久議員。     〔5番(大和幸久君)登壇〕 ◆5番(大和幸久君) 虹と緑の会の大和幸久です。 今回は、北アルプス国際芸術祭についてと、人口減少時代の大町のまちづくりのあり方についての2点について質問いたします。 初めに、北アルプス国際芸術祭について質問いたします。 市民の間でさまざまな議論を呼ぶ中、議会の賛成多数により予算承認に基づき準備されてきた国際芸術祭の開幕が5日後に迫っております。本番を前にした今日の時点で課題や問題点は何か説明いただきたいと思います。 以上で1回目の質問を終わります。 ○議長(勝野富男君) 大和幸久議員の質問に対する答弁を求めます。市長。     〔市長(牛越 徹君)登壇〕 ◎市長(牛越徹君) 北アルプス国際芸術祭について、開会を目前にした時点での課題や問題点は何かとのお尋ねにお答えします。 開幕まで本日を含め4日となりました。これまでを振り返りますと、昨年3月の議会では、一般質問に登壇した全ての議員の皆様からこの芸術祭の開催に向けての御質問をいただき、多方向からさまざまな御議論をいただき、予算を議決賜りました。それに至るまでの間、市民の皆様からもさまざまなお立場から御意見をいただく中、開催に向けての準備の緒についたところでございます。 さて、今の時点での課題といたしましては、北アルプス国際芸術祭は大町市にとりましては初めての取り組みであり、さらに57日間の開催となりますことから、会期中の運営について、事務局におきましてさまざまな場面を想定して検討を加え、それに対する準備を進めてきております。しかしながら、来訪者数を初め来訪の手段やパターンは気象状況や個々のアートサイトの状況など、さまざまな要因が相互に影響を及ぼし複雑に絡み合うことから、それらの想定に時間を要しているところでございます。また、会期中におきましても、自主的な財源であります作品鑑賞パスポートの販売促進に努めますほか、誘客のための広報・宣伝活動も引き続き積極的に実施することといたします。 そのほか、市外からの視察を初め観光ツアーや外国からの観光客の受け入れ態勢など多くの事案に対応することが求められております。特に交通関係では、土・日、祝日や学校が夏休みとなります7月後半の来場者の誘導や駐車場の対応に加え、二次交通の迅速な対応など、現時点でもなお想定し切れない事態も考えられるところであります。また、梅雨明け直前の集中豪雨など、自然災害の発生への緊急対応につきましても、警察や消防、医療などの関係機関と連携し、適切に対応するよう準備を進めております。 会期中につきましても、芸術祭の運営に万全を期し運営管理を徹底するため、運営管理会議を設けるなど運営体制の整備を図り、実行委員会の構成団体を初めボランティアサポーターの皆さんなどとともに、引き続きオール大町の体制で取り組んでまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありませんか。大和幸久議員。
    ◆5番(大和幸久君) 多くの声が私にも市民から寄せられていますが、主な点について伺いたいと思います。 初めにパスポート、前売り券販売の問題点について伺いたいんです。 市民から、あちこちで多くの市の職員からパスポートを買ってくれないかと声をかけられている、異様な感じがする。そもそも公務員が特定の団体のパスポートを組織的に売り歩いてよいものかどうかという声が届いております。なぜこのような事態になっているのか、説明いただきたいと思います。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。総務部参事。 ◎総務部参事(勝野礼二君) ただいまの御質問にお答えいたします。 まず、パスポートの販売につきましては、全体の来場者を2万人というような目標を掲げておりまして、前売り券の販売で1万枚から1万2,000枚程度を販売したいということで目標を掲げているところでございます。 その中で、実行委員会の各構成団体の皆様方、それから市の職員など、全体の体制の中で販売を促進していこうということで取り組みを進めているところでございまして、市の職員の皆様方にも応分の応援、御協力をお願いしているところでございます。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありませんか。大和幸久議員。 ◆5番(大和幸久君) 5月22日の時点で、一般については3,025枚となっております。開幕まで2週間までの時点で販売計画2万枚に対して15%という状況であります。 市長は、この数字についてどのような評価をされているんでしょうか。また、北川フラム氏がこの数字についてどのような評価をしているのか、聞いてあれば説明ください。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。市長。 ◎市長(牛越徹君) 議員から紹介のありました一定時点での枚数は、確かにそのとおりでございます。しかし、最近は相当大勢の皆さんの御理解、御協力のもと、随分ふえてきていると聞いております。 なお、北川総合ディレクターの見解については、私自身は承知しておりません。 以上です。 ○議長(勝野富男君) 総務部参事。 ◎総務部参事(勝野礼二君) 北川総合ディレクターのこの数字への評価ということでございますが、3,000枚時点でのお話ではなく現時点で、最近北川さんが大町へ見えましてお話し合いをした経過がございます。最終的な打ち合わせ会議ということになっておりますが、その時点では大体8,000枚程度でございますか、そして8,000枚超える現在販売枚数がございまして、1万2,000枚からいたしますと、大体6割強といった状況でございまして、ある一定のこの程度売れていればといった評価をいただいているところであります。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありませんか。大和幸久議員。 ◆5番(大和幸久君) 関係団体へ何十枚ものパスポート、販売の押しつけと言われるような事態が進んでおります。市職員、それから実行委員会の構成団体、その他の団体等、依頼した団体名とそこへ幾らの枚数を依頼したのか、全て説明いただきたいと思います。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。まちづくり交流課長。 ◎まちづくり交流課長(駒澤晃君) ただいまの御質問にお答えいたします。 具体的な団体への配布枚数は、今、手持ちに資料がありませんが、まず実行委員会の構成団体へは総計で1,500枚であります。市職員に対しましては約5,000枚、あとほかにプレイガイド、いわゆる美術館等には約500枚程度ということでございます。 以上であります。 ○議長(勝野富男君) 総務部参事。 ◎総務部参事(勝野礼二君) 補足でちょっと御説明申し上げます。 押しつけといったようなお話がございましたけれども、決してそのようなことはなく、構成団体の皆さんにおきましては、構成団体の皆様方に御協力いただけるかどうかを確認した上で、おおむね20枚から30枚ということでお願いをしているところでございます。やっていただけるという意思を確認した上で御依頼をしているところであります。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありませんか。大和幸久議員。 ◆5番(大和幸久君) 4月10日付、実行委員長牛越徹名によりまして、職員の各部課等の長経由で職員確約という「芸術祭パスポート前売り券の販売促進についてお願い」という文書が配られております。この文書について配布、販売方法、配布の内訳、留意事項の内容について、読んで説明いただけますか。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。まちづくり交流課長。 ◎まちづくり交流課長(駒澤晃君) ただいまの御質問に答弁をさせていただきます。 まず、販売方法でございますが、手売りを基本とします。販売結果は各課等の長が課単位で月ごとに取りまとめて事務局へ引き継いでいただきます。取りまとめは、4月分が4月28日金曜日に、5月分が5月30日火曜日となりますので、職員の皆さんは、その時点までの販売結果を各課等の長へ報告の上、販売代金とともにお渡しください。 配布数でございます。パスポートの配布は以下のとおりです。芸術祭のチラシを添えて配布しますので、販売をお願いします。受け取りの際は封筒に記載した内容と中身が一致しているかを必ず御確認ください。誤りがあった場合は事務局まで御連絡ください。理事者70枚、部課長級50枚、課長級30枚、補佐・係長級15枚、一般職10枚、残余のパスポートがあった場合には、5月30日の最終の取りまとめ時に各課等の部長の経由で事務局へ返却ください。 留意事項、販売対象は市内外ですが、できるだけ市外への販売を重点にお願いいたします。販売する際は、強制と思われるような言動は厳に慎んでいただき、誤解を招かないようお願いします。今回配布したパスポートは一般のみですが、高校生、小・中学生や追加の希望がありましたら、事務局まで御連絡ください。 以上であります。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありませんか。大和幸久議員。 ◆5番(大和幸久君) この文書をよく見ますと、この仕組みというのは一般職員は所属課長へ、それから部課長は任命権者の市長を通じて販売金額と残ったらパスポートを返せと、こういう仕組みになっているんです。これは今、国会で問題になっている所属長への一般職員のそんたくが働いちゃうと思うんですよ。これ部課長に「すみません、売れませんでした。余った物を返します」、こういうなかなか勇気が出てこない。 こういう問題がここには含まれていまして、結果的にはこれが事実上の強制行為になるというふうに私は受けとめているんですけれども、そういった認識はないでしょうか。市長にちょっと伺いたいと思います。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。市長。 ◎市長(牛越徹君) まず、強制ではないということを特にそれぞれ職員に要請する文書の中に書いてあります。それはお願いということであります。また、私自身が現実にその事務を取り扱うことは一切ありません。私自身割り当てられた自分の枚数をきちっと大勢の人に買ってもらう活動をしておりまして、実際にどのくらいの枚数が売られているのか、私はそれを承知するつもりはありません。 ですから、そうした仕組みは、この事務に限らず市長名で出る全ての文書について私が監視の目を光らせるとか、それについて何か私自身が再度働きかけをするという、そうしたつもりはありませんし、また今までもそうしたことはありません。ですから、そういうことに鑑みますと、職員の皆さんは、もし手元に残ったものはちゃんと普通にして返却してもちろんいいということは、もう周知徹底しております。それについて、今、議員御心配のような私自身にそれほどの大きな影響力、強制力があるというふうには私自身も考えておりませんし、そのようなことでは、私自身も気をつけてきております。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありませんか。大和幸久議員。 ◆5番(大和幸久君) 5月30日では余ったパスポート、また売れた金額を所属長、課長とか部長等に返せと、こういう指示があるんですが、5月30日の時点で返還されたパスポート、職員から何枚になりますでしょうか。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。まちづくり交流課長。 ◎まちづくり交流課長(駒澤晃君) 5月30日現在で、こちらのほうに返却されたパスポート枚数は約1,500枚です。 以上であります。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありませんか。大和幸久議員。 ◆5番(大和幸久君) 5,000枚配布して1,500枚しか返ってきていない。かなり職員も苦労して販売しているということがうかがえます。私のところへ聞こえてきている範囲では、大分パスポートが値段落ちしまして1,000円で買えたと、こういう実際の市民がいます。それだけちまたではパスポートがあふれていると、こういう状況になってしまっている。この点はしっかり検証しておいていただきたいと思います。 こういった形、中には職員でも、こんな枚数はとてもさばけないと、自腹を切って親戚や身内に配ったと、こんなことを話している職員がいるというふうに聞いております。また、老人クラブの役員等も、上の役員から10枚入りの封筒が私のところへ来たけれども、これはどうしたらいいんだと、困ってしまうと、こんな声も届いております。 こういった状況を見ても、結局は身内の中でどんどん押しつけられて、無理をして、何とか数合わせだけすると、こういう結果になってしまうのではないかと思います。 こういった形の数合わせで、見かけ上のパスポートが売れたとしても、決してそれは市民から評価されるものではないし、この芸術祭の実態が成功するわけでもない。こういうふうになると思うんですけれども、こういった点にならないようにどんな努力を今後するのか、ちょっと一言考え方だけ聞いておきたいと思います。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。総務部長。 ◎総務部長(市河千春君) 職員、労務管理を担当している総務部長という立場で考え方を整理をさせていただきたいと思います。 今、るる御指摘、市民の御意見等御紹介いただきましたけれども、まず、国際芸術祭の実行委員会が主催をしておりまして、そのいわゆる主体となるものは大町市であることは、これまでも再三繰り返し申し上げてまいりました。その大町市たる組織の構成員となる市の職員たる者は、この事業に対して全力で事業推進に向けて努力することは、これは構成員として、私は当然の責務だと考えておるわけです。 そうしたことから、成功するためにはいかに市の職員の関与が重要かということを前提といたしまして、これまでも庁議におきまして、部課長会議の中でどのように具体的に職員に分担をいただいて、どのように成功に向けて準備をし、運営をしていくかということをお聞きしてまいりました。その中の一つとして、パスポートの販売というほんの一つの業務でございますが、これ以外にもたくさんの業務が市の職員が頑張って今、やっております。 そういう中で、パスポートにつきましては、今、再三強制、強制というお言葉をお使いになっておりますが、これは市長申し上げたとおり、全く強制ではなくて、大町市が初めて行うこの事業に、市の職員が大町市で行うこの芸術祭のPRを兼ねて、非常に多くの市民、国民、全世界の皆さんに周知をしなければいけない。そのために市の職員が一人一人広告塔となって芸術祭の内容を説明し、その先にはパスポートを購入をいただくという、そういうあっせんといいましょうかということにつながるということでございます。私のほうには、例えば県庁の友人等からパスポートが欲しいから、ぜひ市河、持ってきてくれというような話も再三来ているわけです。 ですから、そういった面もございますので、今回は数合わせではなくて、国際芸術祭第1回目が成功するように向けて、ぜひ多くの人にこの内容を知ってほしいために、市の職員の力をおかりしてPRに努めた、その延長線としてパスポートのあっせんがあったということでありますので、ぜひ御理解を賜りたいと思います。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありませんか。大和幸久議員。 ◆5番(大和幸久君) ちょっと質問し忘れたんですが、先ほど1,500枚の返還があったと答弁ありましたが、職員からの返還枚数は何枚でしょうか。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。まちづくり交流課長。 ◎まちづくり交流課長(駒澤晃君) ただいまの質問にお答えいたします。 職員の返還枚数が1,500枚ということです。 以上であります。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありませんか。大和幸久議員。 ◆5番(大和幸久君) ただいま総務部長から、事業主体は大町市であるという答弁がありましたけれども、庁議、庁議って盛んに言いますが、これは27年6月23日の庁議の時点で、庁議で決めていることは、食とアートの廻廊の開催の支援をするということを決めています。内容を見ても、全て全庁で組織的に支援する。それから、事務局で支援をしていく、こういう内容でありまして、これは実行委員会が事業主体であって、大町市は支援するという立場です。これは履き違えないように、いつの間にかこれが大町市が事業主体だと平気で言い出すようになっています。これは違うということを確認しておいてもらいたいと思います。 ちょっと時間がありませんので、先へ進みますけれども、1点抜けていると思う点があります。それは、総合ディレクターである北川フラム氏とその会社「アートフロントギャラリー」には、パスポート販売についての依頼は全くしていないのでしょうか。この点について説明ください。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。まちづくり交流課長。 ◎まちづくり交流課長(駒澤晃君) ただいまの質問にお答えいたします。 今回、このパスポート販売については、当然実行委員会もそうですし、総合ディレクターの北川フラム氏にもお願いしております。すみません、訂正させていただきます。アートフロントギャラリーに販売をお願いしているところであります。枚数は1,000枚です。 以上であります。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありませんか。大和幸久議員。 ◆5番(大和幸久君) 職員の要請文にもできるだけ市外で売ってくれと、要は都会から大勢のお客さんとかを呼ばないと、この芸術祭というのは意味がない。もともとこれ定住人口の増加とか、そういった効果が最大目標でやられているわけですから、外から人が来てもらわなければいけない。こういう点では、北川フラムさんにもっと力を発揮してもらうと。私は1万枚ぐらいは引き受けてもらって、あれだけのネットワークと会社の力があるわけですし、1億5,000万円以外にもディレクター費で2,000万円を超えるような金額を支払っているわけですから、当然それに見合うような仕事をしてもらう、こういうことが肝要かと思っていたわけですけれども、わずか1,000枚しか預けていないと。やはりもっと大きな数字を依頼して、責任を持って実績を上げてもらう、このことが大事かと思うんですが、その点についてはどうなんでしょうか。市長の考え方を伺っておきたいと思います。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。総務部参事。 ◎総務部参事(勝野礼二君) ただいまの御質問にお答えいたします。 当然実行委員会もそうですし、アートフロントギャラリーにつきましても、北川ディレクターにつきましてもこの芸術祭を成功させたい、次につなげていきたいという思いは一緒であります。たまたま今、1,000枚ということでお預けをしておりますけれども、追加がございましたら、ぜひもうアートフロントギャラリーのほうからも追加でお願いしたいということをきっといただけるんじゃないかと思いまして、私どもも要請してまいります。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 市長。 ◎市長(牛越徹君) 私からも補足をさせていただきます。 まず、議員のお話にありましたように、アートフロントギャラリーは極めて強力なネットワークを持っておりますと同時に、情報発信力を持っております。そこで実験としての1,000枚を売る以上にさまざまな皆さんから買っていただくための情報発信は相当のものがございます。これは全国のコンビニなど、あるいはプレイガイドなどで発売していますから、そういったところの情報は、私どものホームページから発信される情報よりも多分情報量は、アクセス量はそちらのほうが多いんではないかと推測しておりますが、そういったネットワークの強さ、情報発信力に期待し、そして、パスポートの販売に大きなプラスの要因になるんではないかと期待をしております。 以上です。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありませんか。大和幸久議員。 ◆5番(大和幸久君) 当然売り込みにはネットワークがある、実績があるということで売り込んできているわけです。それに対して市長は、実行委員会を通して業務委託をしているわけですから、それなりの実績を持って来ていただかなければいけないと思います。当然、1,000枚ばかりではなくて、私は半分の1万枚ぐらいは当然やるべき仕事、実績として残すべき数字だというふうに感じたんですが、全くそういう働きかけ等、今後の中でぜひその点を実績数字を入れて再交渉をして頑張ってもらうという交渉をしていただきたいと思うんですが、どうでしょうか。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。市長。 ◎市長(牛越徹君) 先ほど参事からもお答えしたとおり、これからも要請してまいります。それは当然のことでございます。ただし、アートフロントギャラリーというオフィスで売れる枚数は、それよりもはるかに全国に配備したプレイガイドなどのネットワークのほうがはるかに購入枚数は多くなるはずでありますし、それを狙っております。1拠点で販売する量というのは、やはり限りがあります。 ただ、議員の御指摘のように、国際芸術祭の業務にかかるみんなの力で、販売を1枚でも多く、そして大町に来ていただくような、そんな取り組みはこれからも強化してまいります。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありませんか。大和幸久議員。 ◆5番(大和幸久君) アートフロントギャラリーがどのくらいの実績を上げたのか、ぜひ芸術祭が終わったときには検証をして、きちんと市民に数字を含めて報告していただきたいと思います。それは実行していただけますか。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。総務部参事。 ◎総務部参事(勝野礼二君) ただいまの御質問にお答えいたします。 これはお預けした枚数、それから当然返却枚数があれば、数字としてありますので、御報告いたします。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありませんか。大和幸久議員。 ◆5番(大和幸久君) 続きまして、芸術祭の職員の動員について伺いたいと思います。 総合プロデューサーの北川フラム氏の説明では、作品制作や芸術祭運営に当たる人員については、フラム氏の都会や地元から参加するボランティアスタッフで賄うというような説明を聞いていたと思います。ところが実際には、市職員の芸術祭事業への大量動員が行われております。開催前と開催期間中の職員の動員状況や予定について、内容別に延べ人数の見込みをそれぞれ説明していただきたいと思います。 また、総計では延べ人数で何人程度となり、その人件費を総額ではどの程度に見込んでいるのか、わかったら説明いただきたいと思います。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。まちづくり交流課長。 ◎まちづくり交流課長(駒澤晃君) ただいまの御質問に答弁いたします。 まず、作品制作の関係でありますが、今現在ですが、職員の動員の関係ですが、5月9日から支援をいただいておりまして、5月31日現在で147名の職員に御参加をいただいたところでございます。会期中につきましては、平日におきましては27名のスタッフが必要となります。また、土・日、祝日、いわゆる繁忙期などにつきましては、36人のスタッフがサイトで必要となりますというふうな形で見込んでおります。 なお、そのほか運営本部やインフォメーションセンター等で働くスタッフを総勢で考えますと、全体で延べ約4,000人のスタッフが必要となるというところでございます。 以上であります。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありませんか。大和幸久議員。 ◆5番(大和幸久君) 私、いろんなスタッフじゃなくて職員の動員数についてちょっと伺ったので、それで今の中では、アート制作担当者に委嘱された職員、これについての説明がありませんが、これは延べ何人になっているのか、あわせて説明ください。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。まちづくり交流課長。 ◎まちづくり交流課長(駒澤晃君) アート制作の関係ですが、全体で27名の職員にアート制作をお願いしておりました。これはあくまでも作品制作に携わる、もしくは撤去に携わっていただく職員であります。 以上であります。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありませんか。大和幸久議員。 ◆5番(大和幸久君) 27名で、延べ何日予定して延べ何人なのかという説明をお願いしたいと思います。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。まちづくり交流課長。 ◎まちづくり交流課長(駒澤晃君) 今、すみません、手元に資料がありませんので、改めて御回答させていただきたいです。よろしくお願いします。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありませんか。大和幸久議員。 ◆5番(大和幸久君) 事前にちょっとその点も聞こうと思って電話したんですが、返答がなかったので、残念ですが、わかっている範囲で、エリア担当が6人で27日、162人、一般職員の動員が、今説明ありましたが、開催前で5月9日から5月12日で4人で4日で16日、それから5月15日から29日が10人で11日で110人、合計126人、今の説明ですが、開催前27人が30日で810人、繁忙期で36人、27日で972人、合計1,782名。今の一般動員とエリア担当だけ合わせても2,070人という一般職員がこの芸術祭に動員されると、こういう数字になっております。膨大な数字だと思います。 また、市の説明では、こういった市の大量動員がなければ、芸術祭の運営が担保できない、こういった説明をしております。こういった状況になった原因というのはどこにあるのか。どこにあったと考えているのか、説明ください。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。総務部参事。 ◎総務部参事(勝野礼二君) ただいまの御質問にお答えいたします。 動員という御指摘でございますが、今回の芸術祭につきましては、初回の開催でございます。現在、運営をしていく上で、あるいは準備を進めてきた中でお手伝いなり、お願いをしているところであります。特に運営のことで申し上げますと、ボランティアサポーターの登録を今、400人を超える皆さんに御登録をいただいております。当日は来ていただける方もいらっしゃると思うんですが、初回でございますので、特に6月、7月の平日というのは、なかなかボランティアの皆さんもお仕事をされておりますし、休みにも入っていないということで、どれくらいの方が来ていただけるかということが予測がつかないわけでございます。 そこで私どもといたしましては、事前にある程度、職員の皆さんにお願いをして、その人数を確保していきたいということからお願いをし、その張りつけの計画を立てているということでございます。 したがって、これが今、御指摘あったような数字が全て職員が行くということではなく、実際にそこにボランティアサポーターの方が来ていただければ、そこから職員の数は減ってくるということも考えられるわけでございまして、そこがそんな形で今は準備をしているということで、ぜひ御理解をいただきたいと思います。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありませんか。大和幸久議員。 ◆5番(大和幸久君) ボランティアの奉仕については、北川氏やその会社では、今回どの程度の実績を上げていると評価されていますか。ボランティア数の確保についての実績です。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。まちづくり交流課長。 ◎まちづくり交流課長(駒澤晃君) ただいまの御質問に答弁させていただきます。 北川ディレクター自体、東京、長野、松本、大町とそれぞれ会場にて、本人が直接サポーターの募集を含め、説明会に上がっているところであります。ただ、今現在登録されているボランティアの数がおおむね400名ぐらいありますけれども、その方々が要は北川さんのもとで、いわゆる説明会のところでいわゆる応募されたかどうかは、そこまで調査をしておりませんのでわかりませんが、ただ、県外からのボランティア、もしくは市外のボランティアの皆さんは、大勢の皆さんは北川さんの影響があったというようなことで認識をしております。 以上であります。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありませんか。大和幸久議員。 ◆5番(大和幸久君) 市職員の大量動員というのは、大町市の通常の業務の遂行に影響を与えると思うんですけれども、実態はどのようにしているのか。また、対策をどのように講じているのか、説明ください。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。庶務課長。 ◎庶務課長(藤澤浩紀君) ただいまの御質問にお答えいたします。 通常の業務の影響に対しての御質問でございますけれども、私ども職員、各部局ごとに構成を5部構成にいたしまして、それぞれ各担当部局に負担のない範囲で日がわりで職員を負担していただいております。実際に本来といいますか、実務に影響が出るような場合につきましては、双方を調整し合って対応しているところでございます。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありませんか。大和幸久議員。 ◆5番(大和幸久君) 今、職員というのは、現在持っている職務が割り当てられていまして、それで仕事を目いっぱいするというふうな職務、配分規定があって、それに基づいて仕事をしているわけです。この芸術祭の仕事というのは全く余分な仕事になるわけでして、これ負担がないようにというのはあり得ないことでして、もろこの部分は負担になるはずなんですが、その認識はないでしょうか。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。総務部長。 ◎総務部長(市河千春君) 私のほうからお答えをさせていただきますが、まず、議員のほうからは、これは業務ではないという断定をいただいているわけでありますが、これは私どもといたしましては、業務として捉えているわけです。確かにこのような膨大な業務が今紹介あったように、何千人という延べ人数に換算されるということを御紹介いただきましたけれども、これは本当にすごい業務だと思います。 これまでも申し上げましたように、この事業は大町市の総合戦略に位置づけた大町市の活性化の起爆剤とするための重要な施策ということで位置づけて実施をして、そこに大町市が実行委員会に参画をしていると。先ほど議員からは支援と主体は違うというお話がございましたが、その60構成団体の実行委員会の中の主要な主体を大町市が担っているという、そういう意味でございまして、それを全うするためには、大町市の組織の中の構成員たる市の職員がこの事業について、公務として実施をしていくという部分であります。 ですから、通常の業務以外に確かに職員には相当の負担を強いているわけでありますが、それは所属長たる課長が自分の課の通常の市民サービスに影響を招かない程度に割り振りをいただいて、それぞれの課長のそれぞれのセクションの責任の課長のところでそれを操作をして、間違っても市民サービスに影響のないようにやりくりをしながら一生懸命やっているわけです。 ですから、それは私どもは業務命令としてそれぞれ部課長会議に諮って、支援、協力をお願いをしていると。 以上であります。 ○議長(勝野富男君) 再質問ありませんか。大和幸久議員。 ◆5番(大和幸久君) 一般職員というのは、芸術祭の仕事というのは、現在の職務の配分では割り当てられていなかったんですよ。これ地方公務員法35条で、職務に専念する義務というのがありまして、休日も含めてしっかり休養して平日の業務には専念すると、こういう義務が課せられています。この規定に全くこれを命令でやったら、違反になってしまうわけですよ。この点について、どんな認識を持っているのか、改めて確認しておきたいと思います。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。総務部長。 ◎総務部長(市河千春君) 確かに私ども市の職員は、地方公務員法等々に当然制限を受けて仕事をしているわけでして、本来割り当てられた仕事ではないというふうに今、御指摘でございますが、確かに事務分掌上は税務課のところに国際芸術祭に関するということは、下りは一言もありません。あるのは、総務部まちづくり交流課のところに国際芸術祭に関することという事務分掌があるわけです。これをもって大町市の業務ということは明白でありまして、その中で、じゃまちづくり交流課でこの担当十数人だけで、この莫大な業務を担っていけるかということなんです。 そこで、それはやはり先ほどから申し上げておりますとおり、大町市の職員、横断的にまちづくり交流課が大変なときはそれぞれの部課が応援し合う、これは当然のことでして、それが組織力です。そこができない組織はやはり逆におかしいと、私は思います。ですから、今回は初めての経験でありまして、非常に想定外のことも多いんですけれども、これはまちづくり交流課だけが事務分掌にあるから、仕事としてやるということではなくて、それを補うそれぞれの全体の全庁体制をとるべく、昨年の秋ぐらいからそれぞれ部課長会議等で議論をして現在に至っていると、そういう点を御理解を賜りたいと思います。 以上であります。 ○議長(勝野富男君) 庶務課長。 ◎庶務課長(藤澤浩紀君) 私からは、地方公務員法上の第35条のなすべき責を有する事務について御説明させていただきたいと思います。 これは行政実例、行政の質疑応答集等から引用したものでございますが、権限ある機関が適法に共催や協力を決定した限りでその事務は地方公務員法第35条のなすべき責を有する事務に含まれるものと解されているというものが実際出ております。しかるに今回、国際芸術祭に係るサポートにつきましても、業務の一環で行われているというふうに判断しているところでございます。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありませんか。大和幸久議員。 ◆5番(大和幸久君) 新潟県の十日町の芸術祭に視察に行った折、十日町市の職員が「実態は市の職員が芸術祭の全ての仕事を担うことになっている」と言った言葉があったことがよみがえっております。十日町市の議会でも、休日もとれない職員でへとへとの状態であることや、ボランティア扱いされている職員の残業代を金額換算にすると数千万円に上るなどの問題が取り上げられております。これらの問題、市長は職員をやって調査をさせていながら、報告を受けているはずなんですけれども、これらの教訓に何も学んでいないんでしょうか。全く大町市でも、同じようなことが再現されているということを指摘しておきたいと思います。 さきに提案しましたように、北川氏はもともとボランティアでやられるような話を盛んに言っていたわけですから、ここでもしっかり不足分、ボランティアの動員をこれからでも力のあるボランティアを出してもらって、職員の負担をできるだけ減らすという努力をしていただきたいと思います。そのためにも北川氏に対して、再度市長はきちんとボランティア等の募集等を要請すると、このことをやっていただくよう約束をしてほしいんですが、どうでしょうか。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。市長。 ◎市長(牛越徹君) ボランティアは、これは単に会場を運営する手数として考える以上に、参加することによって大勢の皆さんの力をかりて芸術祭を成功に持っていくという非常に大きな役割を担う、単に手数が欲しいということではありません。しかしながら、やはり大勢の皆さんに参加いただく。特に市外からも、特に若い皆さんに参加いただくことは非常に重要なことですので、これを含めて私どもとしても取り組みを強化してまいります。 先ほども、他の議員の一般質問でも御答弁申し上げましたが、やっぱり日々芸術祭はバージョンアップしていく、そうした性質のものだと考えておりますので、その意味でも運営の皆さんにも、より多くの皆さんに参加していただくという取り組みを進めてまいります。その中で、もちろんアートフロントギャラリーも、先ほど申し上げたように大都市圏での情報発信の力が非常に強いものがございます。これについても要請してまいります。とりわけ、ボランティアサポーターの登録状況を見ますと、ここ一、二週間で相当数が累増してきております。そうしたことにも期待をしながら努めてまいります。 なお、北川総合ディレクターがボランティアの力だけでやるなんていうことは、どこでも言っていません。ボランティアの力が相当大きな役割を占めるということは確かに言っておりますが、もちろん今、御紹介いただきましたように、新潟県十日町市の越後大地の芸術祭においても、やはりボランティアの参加も非常に目につきますが、底支えしている部分については、十日町市の職員ということは、私、直接現地を視察する中でも承ってきておりますし、また見てまいりました。これが両方の力が、地元の力と外からの力が相まってようやくこの地域のよさを大勢の人が体感する。そして、それを共有する、そうした素地ができていくものと考えるところでございます。 そうした中で、もちろん市の職員もこれまでも、例えば恒例でありますアルプスマラソン、あるいは恒例でありますやまびこまつり、市民祭り、そういったところにもみずからの狭い意味での職分を越えてボランティアで参加したり、また業務の一環として参加していると、そうしたことについても、ぜひ御理解いただきたい。 そして、そうした取り組みとそれぞれのイベントについて、市が主体的に取り組み、支援者であったり、あるいは実施主体であったり、そうしたことに取り組む過程で、北アルプス芸術祭も同じように位置づけられるんではないか。ただ、これは議員が懸念するように過重なものになってはいけない。ですから、これは強制ではなく、この参加についても、例えば土・日であれば、本人の了解のもとボランティアの扱いにしたり、あるいは業務命令で従事していただく際には、超勤でお支払いする以上に福利厚生の面からは代休をとるというような、そんな考え方も織り込んで進めてまいりたいと考えるところでございます。 以上です。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありませんか。大和幸久議員。 ◆5番(大和幸久君) 北川フラム氏は、一般職員の動員でこの事業を運営するなんて一言も説明したことないんですよ、そのこともよく確認してください。ぜひ数字を挙げて、北川フラム氏と再度交渉してきちんと力を発揮してもらう、これは2,000万円を超えるディレクター費用払ったりしているわけですし、制作費については、当然北川氏に払った1億5,000万円の中から制作ボランティアのスタッフにはお金を払われるはずですので、職員は必要ないはずなんですけれども、その点についてはどうなんでしょうか。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。市長。 ◎市長(牛越徹君) 議員、北川さんのさまざまな説明会における言葉尻だけを見てそのようにおっしゃるかもしれない。職員の動員は一切必要ないなんていうことも、逆には発言していません。     〔「一切なんて言っていないでしょう」と呼ぶ者あり〕 ◎市長(牛越徹君) じゃ、一切は削るとしても、職員の動員は必要ないということも発言していないと思います。 そうした中で、議員おっしゃるように、やはり広範な協力が必要でありますので、アートフロントギャラリーにも、より多くのボランティアサポーターの参加を要請してまいります。 以上です。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありませんか。大和幸久議員。 ◆5番(大和幸久君) 数字を挙げて要請をして、その検証もきちんとして市民に報告するということを約束していただきたいと思います。どうでしょうか。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。総務部参事。 ◎総務部参事(勝野礼二君) ただいまの御質問にお答えいたします。 全てのスタッフをボランティアサポーターで賄うと、自主的に参加をいただき、主体的に取り組みたいという希望を持った皆様方による運営というものはできるというものであれば、それは理想的なことではあるかと思いますし、北川ディレクターもそのような観点からお話をされているものと思います。 しかし、今、第1回目の初回の開催ということを何度も申し上げておりますけれども、なかなかそこに至っておりません。他の芸術祭を見ましても、やはり初回は大変だったようでございまして、2回、3回と回を重ねるごとにサポーターの皆さんの活動というのが盛んになってきたということでございまして、我々もできるだけ大勢の皆様方に御参加をいただきたいわけでございますが、あくまでもこれは参加される皆さんの自主的、主体的取り組み、考え方であろうかと思います。そういうところを我々もぜひPRする中で、大勢の皆様方に御参加いただくように取り組んでまいりたいと思いますし、ただ、それをアートフロントギャラリーが何人という数字を挙げて、そういうことを何人を動員するというんでしょうか、そういうことにはならないんじゃないかと。あくまでも自主的、主体的な御本人の考え方による御参加であると。そしてまた、そういうことをしていただけるように我々は取り組んでまいりたい。 以上でございます。
    ○議長(勝野富男君) 再質問はありませんか。大和幸久議員。 ◆5番(大和幸久君) そういうボランティアをフラムさんは集められるし、実に十日町市でもやってきたという説明を何回もしているわけですよ。大町市でもその実力を発揮してほしい。そのためには口先だけではなくて、実際の数字に基づいて要請をして、結果についても報告していただく、これについてやれるかどうかを聞くだけです。余計なことをしゃべらないでください。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。総務部参事。 ◎総務部参事(勝野礼二君) ただいまの御質問にお答えしたいと思います。 大勢の皆様方に御参加いただきたいというのはそのとおりでありますし、我々もこれまで説明会も行ってまいりました。これからもアートフロントギャラリーとともに大勢の皆様方に御参加いただくように取り組んでまいりたいと思います。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありませんか。大和幸久議員。 ◆5番(大和幸久君) 続いて、木崎湖の作品展示について伺いたいと思います。 現在、木崎湖の湖面上にアルフレド&イザベル・アキリザン氏の作品「ウォーターフィールド(存在と不在)」及び五十嵐靖晃氏の作品「雲結い」の2作品が展示されております。この2作品につきましては、長野県の屋外広告物条例の屋外広告禁止地域である木崎湖風致地区に展示されているもので、条例違反に当たるものかと思います。この件について、どのような検討があったのか説明ください。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。まちづくり交流課長。 ◎まちづくり交流課長(駒澤晃君) ただいまの御質問に御答弁させていただきます。 これは全作品、屋外作品は特にそうでございますが、私ども実行委員会としましては、基本的に関係する法令について、関係する課を通しましてそれぞれ確認をさせていただいているところであります。河川法とか、今言った屋外広告物条例等を含めて、それぞれ必要な関係箇所を含めて確認をとらせていただいている経過がございます。 今回、木崎のアキリザン氏と五十嵐さんの作品でございますが、それについても県及び市のそれぞれ担当のほうと確認をとって設置をさせていただいたものです。 以上であります。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありませんか。大和幸久議員。 ◆5番(大和幸久君) これがオーケーという根拠について説明ください。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。まちづくり交流課長。 ◎まちづくり交流課長(駒澤晃君) ただいまの御質問にお答えいたします。 今の2作品でありますが、まず屋外広告物条例については、現在市の建設課のほうで権限移譲で行っております。これについて、建設課との協議の結果、許可をいただいたものであります。 以上であります。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありませんか。 ◆5番(大和幸久君) 根拠についての説明を求めます。 ○議長(勝野富男君) 建設課長。 ◎建設課長(田中一幸君) ただいまの御質問にお答えしたいと思います。 当課のほうでこの作品について審査した内容でございますが、風致地区ということで、これにつきましては特別な派手なものであるとか、特別目立つようなものでなければ、条例に違反していない範囲でもって許可したということでございます。 よろしくお願いします。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありませんか。大和幸久議員。 ◆5番(大和幸久君) 県条例では屋外広告物の規定を4要件で規定しております。この4要件の説明と、これに該当しているのかどうか、説明ください。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。建設課長。 ◎建設課長(田中一幸君) ただいまの御質問にお答えします。 現在、ちょっと資料を持ち合わせておりませんので、後ほど御答弁申し上げたいと思います。よろしくお願いします。 ○議長(勝野富男君) 市長。 ◎市長(牛越徹君) 屋外広告物条例、私自身、今手元に条例そのもの持っていないんで、具体的なことは申し上げられないんですが、これは屋外広告物条例が規制する対象というのは、あくまでも屋外広告物であって、こうした芸術作品を展示するそうした個々の作品がそれに該当するかどうか、非常に微妙なところがあると思うんです。 そこでお尋ねしたいんですが、議員は屋外広告物条例の第何条のどういう規定に規定されていて、それに抵触するおそれがあると御発言なさったか、もし説明いただけるんであれば、私ども答弁はそれだけやりやすくなりますので、もしいただければ、お願いしたいと思います。 ○議長(勝野富男君) 大和幸久議員。 ◆5番(大和幸久君) 時間がありませんので、4つ説明する余裕がありません。これは完全に風致地区上の禁止されている4要件に該当しまして、屋外広告物に当たります。ですので、これは法に基づいて直ちに撤去することを市長に求めたいと思います。確認の上で判明したら、撤去をお願いしたいと思います。 ちなみに風致地区屋外広告物条例のあれではですね、木崎湖の良好な景観を形成し、もしくは風致を維持し、または公衆に対する危害防止の目的を達成する、これが広告物条例の目的であります。このためにも撤去する必要があると思いますので、確認の上、撤去をいただきたいと思います。 ○議長(勝野富男君) 建設課長。 ◎建設課長(田中一幸君) すみません、私のほうから先ほど資料がないということで保留させていただいた内容につきまして、御報告させていただきたいと思います。 屋外広告物につきましては、形状、寸法、材料、構造、意匠、色彩、その他の表示ということになっております。これにつきまして、風致地区につきましてはその景観を損なわないというような内容であれば、許可するものというふうに考えております。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありませんか。大和幸久議員。 ◆5番(大和幸久君) 時間がないので言います。4要件、①常時または一定の期間30日以上表示されているもの、②屋外で表示されるものであること、③公衆で表示されるもの、④その他の工作物等に掲出され、または表示されたもの並びにこれらに類するものであること。これは芸術作品と呼ばれているものは全部この要件に当てはまって、風致地区では飾られてはいけないものに当たります。確認してください。 ○議長(勝野富男君) 建設課長。 ◎建設課長(田中一幸君) ただいまの御質問にお答えします。 その辺につきましては、今、私から御答弁申し上げたのは広告物条例でございまして、風致地区の部分とそのまた県の条例につきましては、もう一度確認させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありませんか。大和幸久議員。 ◆5番(大和幸久君) 芸術祭の原価公表について伺いたいと思います。 木崎湖の桟橋に設置しました五十嵐靖晃さん作品「雲結い」は、当初20メートルの高さで制作される計画でありました。実際のでき上がりは8メートルということでありまして、当初の40%ということになります。当然、これに基づく制作費や人件費などは減少しているはずですが、このようなケースに対して大町市はどのような確認と対応をとるのか、説明ください。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。まちづくり交流課長。 ◎まちづくり交流課長(駒澤晃君) ただいまの御質問に答弁させていただきます。 当初、この五十嵐さんの作品は確かに20メートルということで予定をしておりました。ところが、構造上、安全上を含めて再検討した結果、現在の8メートルとなったところであります。これに関しては、作品制作の費用等については、いずれにいたしましても、全ての事業が完了した後に我々としては受け取るということになっておりますので、御報告いただくことになっておりますので、その時点で確認をさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありませんか。大和幸久議員。 ◆5番(大和幸久君) この減額分については、当然大町市に返還されるべきだと思いますが、その手続はどのようにとられますか。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。まちづくり交流課長。 ◎まちづくり交流課長(駒澤晃君) ただいまの質問に御答弁させていただきます。 この芸術祭全てそうですが、作品そもそも通常の建設事業みたいに、もう既に決まった単価とか、いわゆる企画があってやっているものではありません。あくまでもこの作品をその場所でつくるに当たっては、当然その地形上だとかいろんなことによって変更が生じると思います。その中で総体的にその予算の中で処理していただくということが基本的な考え方でありますので、いずれにいたしましても、でき上がったものが完成品ということであります。それをもって完成品を一応受託するということで確認をしていただいて、最終的に精算をさせていただくということになります。 以上であります。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありませんか。大和幸久議員。 ◆5番(大和幸久君) 実行委員会の28年度の決算書、ここでも作品制作費などで3,750万円の減額となっております。一方で、28年度中に完成した作品は1点もないわけですので、この実施分については、国の加速化交付金の補助金相当額は返還されるべきだというふうに思うんですけれども、これについてはどのような手続をなされるか、説明ください。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。まちづくり交流課長。 ◎まちづくり交流課長(駒澤晃君) ただいまの御質問にお答えをさせていただきたいと思います。 当初、加速化交付金につきましては、6,000万円で一応芸術祭の関係を予定しておりました。中身につきましては、アート制作費の経費がそのうち3,000万円、総合ディレクター業務費700万円、あと地域色あふれる食メニューの開発等が50万円、まちなか交流拠点事業整備費運営費が150万円、芸術祭宣伝及び広報媒体印刷費等が70万円ということでございます。 先ほど当初計画しました7,500万円から5,200万円に減額をしたわけでありますが、その部分につきましては、作品制作自体はそのうちの3,000万円は担保されておりますので、一応加速化交付金自体につきましては、精算の段階では5,200万円のうち4,389万2,000円余を一応対象の経費として上げるところであります。 以上であります。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありませんか。大和幸久議員。 ◆5番(大和幸久君) 返還の手続はないんでしょうか。それから、返還相当額が適正であるかどうか、この点については、検証するには制作費を公表して市民の検証を可能にすべきだと思います。これが公明正大に事業を実施する、税金を使った事業実施では欠かせないと思います。その点について、市長及び実行委員長である牛越氏は、これを実行する意思があるのかどうか、確認しておきたいと思います。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。市長。 ◎市長(牛越徹君) 平成28年度国の加速化交付金を受けて事業を進めてまいりました。28年度事業についての内容は、ただいま担当課長から御説明したとおりであります。これも国の交付金の交付要綱、あるいは適正化法などについて、順次それに則して適正に事務に進めてまいります。現時点で28年度の決算、いわゆる交付対象経費をどのように整理するか、私自身まだ報告を受けておりませんが、間違いなく国の交付要綱に基づいた執行が可能と考えるところでございます。 以上です。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありませんか。大和幸久議員。 ◆5番(大和幸久君) 続きまして2番目の質問事項、人口減少時代のまちづくりについて質問したいと思います。 本格的な人口減少時代を迎えた日本ですけれども、国の都市計画は相変わらず高度成長期の人口増加を前提とした21世紀型の枠組みのままであります。人口増を前提にした制度から人口減を前提にした制度へと抜本的な見直しが求められていますけれども、人口や産業が減っても、生活の質が低下しないように、さらに生活の質を向上させていく方策というのが大町市のまちづくりに求められていると思います。これについてどのように考え、実行しようとしているのか、伺いたいと思います。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。総務部長。     〔総務部長(市河千春君)登壇〕 ◎総務部長(市河千春君) 人口減少時代に対応したまちづくりについてのお尋ねにお答えをいたします。 人口減少社会の進行は、当市に限らず国全体の社会経済構造に起因する極めて大きな命題であると認識をしております。我が国の高度経済成長期に進行した東京を中心といたします都市圏への人口流出は、地方における社会動態の悪化を招きつつも、出生者数の維持により国全体の人口は増加傾向にありましたが、地方における出生率の低下を背景に平成20年ころを境に人口減少に転じたところでございます。 こうした状況を踏まえまして、国では26年にまち・ひと・しごと創生総合戦略を策定し、人口の東京一極集中を是正し、若い世代の結婚、出産、子育ての希望をかなえ、合計特殊出生率の回復を図ることにより、人口減少を克服する施策を打ち出したものでございます。こうした国の地方創生の取り組みを受けまして、当市におきましても、翌年度に市の総合戦略を策定いたしましたことは、既に御案内のとおりでございます。 市では、総合戦略やこれと整合を図り、策定をいたしました第5次総合計画におきまして、人口減少下にあっても持続可能な行政運営を推進することを念頭に広範な施策を展開することとしております。 具体的な事例を申し上げますと、産業振興と雇用の確保におきましては、これまで企業誘致を中心に取り組んでまいりましたが、道路交通網を初めといたします当地における企業立地環境からも、多くの企業が次々に進出することは望めないことに加えまして、昨今のIT化の進展に伴いまして企業の立地が図られましても、雇用者数の大幅な伸びにはつながりにくい側面もございます。このため、企業誘致の継続的な進行に並行いたしまして、創業支援や既存事業所の後継者対策、事業継承を支援する取り組みを関係機関等との密接な連携により積極的に推進してまいることとしております。 また、市民生活を支え、質的向上を図る取り組みといたしましては、北アルプス連携自立圏の形成により大北圏域としてのスケールメリットを生かし、個々の市町村単独では効果的、効率的な取り組みが図りにくい諸課題への対応につきまして、大北の市町村間におきまして協議が整いました事業分野から順次取り組みを進めております。今後も継続的な協議、検討を進めてまいることとしております。 人口減少の影響は、市の行政運営にさまざまな影響を及ぼす課題でありまして、また行政だけの取り組みでは対応が困難な分野も数多くありますことから、市民の皆様への丁寧な説明と認識の共有に努め、市民参画と協働の視点を織り込みながら、時勢に即応した迅速な施策展開に努めてまいります。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありませんか。大和幸久議員。 ◆5番(大和幸久君) 3月議会で予算計上され、採決前日に取り下げられた駅前の親水公園建設事業の基本構想が本6月議会の全協で再び説明されて、非常な違和感を禁じ得ませんでした。過去に建設されたポケットパークの評価などないまま納品された構想です。実質的には委託料100万円というのは、この税金というのはどぶに捨てたも当然のようになっています。 今、大町市はこんなことを漫然と繰り返している余裕など全くないはずであります。やるべきことは、各方面の専門家を招き、50年、100年後の大町市の姿を客観的に分析・予測してシミュレーションし、これを市民と共有しながら50年後、100年後まで十分に役立つまちづくりの基本的なスキームをつくらなければならない時期だと思います。時間と税金の無駄遣いは許される余裕がありません。直ちにこの作業に着手することを市長に提案したいと思いますが、市長の見解を伺っておきます。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。市長。 ◎市長(牛越徹君) まず、駅前広場の親水施設整備については、全協でも詳しく御説明したのは、やはり議員の今御質問にありましたように、基本構想を平成28年度予算に基づいて発注し、その委託に基づいて納品された成果品であります。構想案となっております。これをたたき台にして、全協で説明申し上げたように、より広範な市民の意見を意見交換の中で積み上げ、そしてより効果の高いものにしていくということについては説明したとおりでございます。その折にも、やはり市内に既に整備されておりますポケットパークなど、あるいは親水施設的なものとどのようにリンクしていくか、そういったものについても、なおそれをたたき台として積み上げていくという答弁も申し上げたところでございます。 そうした上に立って、議員から50年後、100年後に向けたまちづくりの構想をつくるべきだという御提案、まさにそのとおりでありますが、こうした流動化の時代、さまざまな要因が絡み合って大きく時代が変わっていく中で、50年後、100年後を見通すこと自体非常に難しいとは考えられますが、できるだけ長期にわたって、大町市が現在の状態を維持する、あるいは少なくとも衰退に歯どめをかけるような、そうしたまちづくりに資するという観点からは、そうした視点を大事にしながら、今回の駅前広場の親水施設についても、再度基本構想案を踏まえて構想を練り直し、そして環境が整えば、その先に徐々に進めていきたいと考えるところでございます。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありませんか。大和幸久議員。 ◆5番(大和幸久君) 50年後、100年後って、先遠い話のように思いますが、人口問題に関していえば、現状の子どもを産み育てる若い世代の減少傾向から見ると、もう50年、100年先でないと、たとえ増加に転じようとしても、その時点でしか転じない、こういう状況に今、我々あると、この認識がまず大事なわけですよ。そういう中で、どういうまちづくりをするか、それが一番大事であって、これはやっぱり専門家等を招聘して、本当に大町の将来を客観的、科学的に分析をしてスキームをつくる、このことが今、非常に大事であって、これを難しいと言っていたのでは、大町の将来は語れないことになると思うんですね。今、そこが一番大事であって、その認識が市長及び行政の役職員、また市民の中でまだ共有化されていないということに私は危機感を覚えているわけです。その点の危機感を共有して、50年といえば、私は生きていないと思いますが、でもその世代の人たちが困らない、今のような困窮に陥らないように、今我々が手を尽くすときではないかと、こういうふうに思うんですけれども、市長はどうでしょうか。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。市長。 ◎市長(牛越徹君) 議員の危機感、私自身より強く持っていると自覚しているところでございます。と申しますのは、これほど急激な人口減少を予測した人が10年前にどれほどいたでしょうか。20年前にどれほどいたでしょうか。産業のこれほどの空洞化、ここ30年の歴史の中で空洞化さえ予測していなかったのではないかと、これは自分への反省を込めて申し上げているつもりでおります。 これほど、この10年、20年、あるいは30年の急激な変化は、これからさらにそれが加速化していくのか、あるいは国、地方公共団体の努力によって歯どめをかけ、新しい展開が開けるのか、これこそまさに私ども為政者としての見通しをつくること自体、私ども為政者としての役割であります。これは議会の皆さんからも適切な御助言、御提言をいただく中で詰めていくべき課題であり、また、他の専門家といっても、日本国全体のこうした状況について、何一つ有効な解決策が出されていない中、それに応じたいい提案をしてくれるような専門家、果たしているでしょうか。その点の疑問も私自身は持ち続けてまいります。 そうした中で、議員の危機感、これは大勢の人に市民の皆さんにも危機感を共有していただくような、そんな取り組みを進めていきたいと考えるところでございます。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 大和幸久議員。 ◆5番(大和幸久君) 諦めずに専門家を探して絶対やるべき事業だと思います。どうでしょうか。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。市長。 ◎市長(牛越徹君) 私自身、探すことを放棄しているわけではありません。そう容易なことではないということ、これも共通の認識としていただきたい。同時に大和議員におかれましても、もしそうした適任者がいれば、ぜひ御提言をいただきたい、そのようにお願いするところでございます。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 以上で大和幸久議員の質問は終了いたしました。 ここで、3時40分まで休憩といたします。 △休憩 午後3時25分 △再開 午後3時40分 ○議長(勝野富男君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 市政に対する一般質問を継続いたします。 質問順位第5位、松島吉子議員の質問通告は4項目ですが、質問項目4つ目、北アルプス国際芸術祭について取り消しの申し出がありましたので、松島吉子議員の質問項目は3項目であります。松島吉子議員の質問を許します。松島吉子議員。     〔11番(松島吉子君)登壇〕 ◆11番(松島吉子君) 日本共産党の松島吉子です。 通告に従い、1、太陽光発電について、2、共謀罪について、3、教育問題について、以上、大きく3項目について質問いたします。 初めに、太陽光発電について伺います。 1、八坂明野地区に建設計画がある太陽光発電施設の現状と問題点について、昨年9月議会に引き続き質問いたします。 3回目の住民説明会がこの5月28日に開かれました。このときの様子は後で再質問のところで触れたいと思います。 株式会社野村屋が設置を予定している太陽光発電について、大平・石原自治振興会の住民の皆さんは、みずから経過説明会を開いたり、県の林務課の職員を招いて学習会を行うなど、問題意識を持って自主的な活動をしています。そこでの住民の声は、雨水対策、土砂災害への懸念、森林の伐採による影響、景観や環境への不安などが出され、建設を進めようとする会社側に対して反対する意見が多く出ています。林地開発について、市建設課、農林水産課も連絡をとり情報を共有していると思いますが、現状はどうか、問題点がどこにあると考えているか、お聞かせください。 2つ目に、太陽光発電施設の設置事業者を対象とした指針について伺います。 上田市は、防災や景観、環境面の影響を考慮し、立地を避けるエリアなどを明示しています。設置に不向きな場所を事前に示すことで設置場所の変更など、事業者の自主的な取り組みを促し、地元住民とのトラブル回避につなげるとしています。大町市でも1,000平方メートル以上の施設設置については市へ届け出ること。住民への説明をすることを要綱で定めていますが、もう一歩踏み込んで、複雑な地形、土砂の流出、環境への影響、生物の多様性、守るべき種など、これからのまちづくり、地域づくりをしていく上で市全体の問題と捉えて設置に不適当な場所の指針(ガイドライン)を早急につくることを提案したいと思いますが、市の見解をお聞かせください。 ○議長(勝野富男君) 松島吉子議員の質問に対する答弁を求めます。産業観光部長。     〔産業観光部長(竹村静哉君)登壇〕 ◎産業観光部長(竹村静哉君) 八坂明野地区における太陽光発電計画の現状と課題についての御質問にお答えいたします。 今回の太陽光発電施設の計画面積は約5ヘクタールでありますことから、事業を実施するに当たりましては、県の林地開発許可制度による知事の許可が必要となります。現在、事業計画者は4段階ある許可手続のうち、2段階目の事前協議中であり、地元地区への説明会を行い、地元地区との協定を結ぶ準備を進めております。しかし、地元住民の皆様からは開発による土砂の流出や崩壊、水害の危険性、周辺環境の悪化の懸念から反対の御意見があるとお聞きをしております。 地元の皆様が心配されるこの案件につきましては、事業計画者が県に提出する排水施設計画や環境保全計画等の書類審査と現地調査において県の定めた基準を全て満たさないと、開発許可がおりないこととなっております。 市といたしましては、災害防止にとりまして極めて重要であります森林伐採後の雨水対策や残地森林の配置計画等につきましてより具体的な説明を行うよう、関係課で連絡を密にして事業計画者に働きかけてまいります。 私からは以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 民生部長。     〔民生部長(竹本明信君)登壇〕 ◎民生部長(竹本明信君) 私からは、太陽光発電施設設置に係る市の指針(ガイドライン)をつくってはどうかとのお尋ねにお答えいたします。 近年、太陽光発電施設の設置に伴い、地域の景観や防災、環境保全に対する影響が懸念されております。県ではこの問題に対応して、太陽光発電施設建設の対応策や市町村が抱える課題について検討、助言等を行い、適正な自然エネルギーの推進を図るため、平成27年5月に市町村と県関係部局を構成団体として、太陽光発電の適正な推進に関する連絡会議を設置しました。 連絡会議では、市町村における問題点等について意見交換会を開催し、太陽光発電事業が計画された際に市町村の担当者がどのように事業計画を把握し対応していくか。また、景観や地域との合意形成、防災、環境保全などの対応方法について取りまとめ、昨年6月に太陽光発電を適正に推進するための市町村対応マニュアルを策定いたしました。 ほとんどの市町村では、このマニュアルにより太陽光発電施設の整備について適切な対応を行っております。しかし、ガイドラインでは指導や助言等の行政指導は可能であっても、法的な根拠がないために、事業者に対し義務や権利の制限を行うことができないという問題点がございます。そのため当市では、太陽光発電施設の問い合わせや相談等があった場合には、開発区域面積が1,000平方メートル以上のものについては、市開発指導要綱により事業者から開発事業計画事前相談書の提出を求め、太陽光発電施設市町村対応マニュアルに基づき、対応フローチャートによりチェックを行うとともに、関係各課による調整会議を開催して、当該開発行為が関係する法令等に即しているか、確認しております。また、事業者に対しては、開発区域の周辺住民等への説明会を開催し、合意形成を十分図るよう指導しております。 市といたしましては、市の開発指導要綱と当該マニュアルのフローチャートにより環境保全や防災、景観などの関係する法令等のチェックを行っており、直ちに市独自の指針(ガイドライン)等を策定することは考えておりませんが、他市町村の状況や事業者の動向を注視して、地域の環境、景観の保全、災害防止に向けて対応してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありませんか。松島吉子議員。 ◆11番(松島吉子君) 5月28日開催された住民説明会は、隣接する明野自治会員も多く参加しました。建設に反対する意見が多くあり、賛成する声はありませんでした。住民の意見とは逆に野村屋は建設を諦めないと、話し合いは平行線でしたが、住民の気持ちは反対していくことで一致していると、私は思います。林地開発の許可に向けて事前協議に入っていくに当たり、住民の気持ちや不安の声を十分配慮して臨んでいただきたいと思いますが、どうでしょうか。先ほどそのような答弁がありましたが、再度お答えください。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。農林水産課長。 ◎農林水産課長(細井忠君) ただいまの御質問にお答えさせていただきます。 住民の意見を十分に反映するということで、県の林地開発事務取扱要領の改正にもございますように、適切な説明が行われるように説明会の対象となる地域を明確にすることや残地森林等の維持管理の協定書等に自治会も加わることができるようにということで、事務要領を改正してございますので、その辺も踏まえまして、十分地元の意見もお聞きしまして業者のほうと対応してまいりたいというふうに考えております。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありませんか。松島吉子議員。 ◆11番(松島吉子君) 野村屋と他の事業者でも大規模な計画がされれば、複合施設ができますが、5ヘクタールプラス19ヘクタールだとアセスの対象となりますが、このことについて、県に要望するべきではないですか。このことについて、ひとつお聞かせください。 かつて八坂地域は、大規模な土砂崩落を経験しております。水は高いほうから低いほうへ流れますが、どこを流れていくかわかりません。森林の保水力を守り、地域住民の安全な暮らしを守るためにも、市の指導を十分していただきたいことを強く要望したいと思いますが、アセス逃れにならないように県への要望について、市の考えをお聞かせください。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。生活環境課長。 ◎生活環境課長(和田泰典君) ただいまの御質問にお答えいたします。 太陽光発電施設は、環境影響評価法で対象事業外であるため、県では長野県環境影響評価条例の見直しを行いまして、平成27年から太陽光発電を対象事業としました。先ほど議員さんおっしゃられたとおり、20ヘクタール以上については、環境影響評価アセスの対象となるんですが、その部分のところ、前段で5ヘクタールで続けて19ヘクタールとやった場合には、一団の事業として20ヘクタールを超えるということでありますが、県の環境課のほうに問い合わせしたところ、計画時点で20ヘクタール未満のものについては環境アセスの対象外ということで、新たに計画して当初事業と合算した場合でも、アセス対象には現在はならないという回答でありました。そのため1ヘクタール以上の森林開発につきましては、森林法による林地開発許可で対応しているということであります。 しかしながら、このような事例につきましては、地域の環境への影響が非常に懸念されますので、その取り扱いについては、今後も県と慎重に協議して、対応のほうを進めていきたいと思います。 以上であります。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありませんか。松島吉子議員。 ◆11番(松島吉子君) 県に強くそのことを要望していただきたいと思います。よろしくお願いします。 最近は、100年に1度の大雨、このことがよくテレビ等で報道されます。今のままの要綱だけでは住民の願いである景観や環境を守ることができないので、私は市としてしっかりと基準や指針をつくることをぜひお願いしたいと思いまして、再度それを申し上げて、次の質問に入りたいと思います。どうぞよろしくお願いします。 2項目めの共謀罪についてお伺いします。 去る5月19日、政府は衆議院法務委員会で共謀罪法案を強行採決し、多数の国民が反対する中、5月23日には衆議院本会議でも強行採決が行われ、法案が可決されました。わずかの国会審議で、政府の答弁が二転、三転するなど、同法案の矛盾は明らかであります。朝日新聞の世論調査4月16日付でも、同法案を今国会で成立させる必要はないが64%、政府の説明が不十分とするのは78%に上がりました。今、朝日新聞と言いましたが、ほかの世論調査でも同様な結果が出ております。共謀罪は現代版治安維持法であり、心の中を処罰する憲法違反の法律です。うそとごまかしにより、多数の力で衆議院を通過させました。 うそとごまかしにより何が問題かといいますと、1つ目として、東京オリンピックの成功ためテロ対策が必要としていますが、日本は国連主要13条約を批准済みであります。さらに国内法も整備し、殺人やハイジャック、サリンの散布など、テロ問題となる犯罪は未遂の予備段階で処罰する規定をそろえています。 2つ目として、一般の人には関係ないと答弁していますが、警察の判断で犯罪を実行することに一変したと見られれば、誰でも対象となります。これは多くの冤罪を生むことになります。 3つ目として、監視社会になるということです。人の心の中を捜査する共謀罪は、電話やメール、ツイッター、ラインのやりとりを権力機関が自由に盗聴、監視できるようになり、国民のプライバシーは守れません。 4つ目として、過去に出た共謀罪とは違うといいますが、3回廃案になった法案とほぼ同じで、「テロ等準備罪」と名前を変えたもののテロの定義もなく、大臣がまともな答弁ができないものであります。 政府与党はなぜ強行するのでしょうか。今、原発をなくせ、米国の基地は要らない、海外での武力行使はやめよ、森友学園の真相究明を、加計学園の問題など、国民の声、批判の高まりを恐れ、国民の目先をずらして、市民運動や野党の追及を避けることを狙っているのです。 長野県内では、ことしの3月議会で共謀罪に反対する意見書が幾つも出されました。長野県内では21の自治体の議会から意見書が上がっております。学習会や集会、デモ、座り込みなど反対運動も広がっています。大町市内では弁護士が積極的に市民の中に入って学習会を重ねたり、街頭からアピール活動が行われています。共謀罪は廃案にするべきです。市長の見解はいかがでしょうか、お聞かせください。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。市長。     〔市長(牛越 徹君)登壇〕 ◎市長(牛越徹君) 共謀罪法案に対する見解についてのお尋ねにお答えします。 共謀罪法案はテロ等準備罪法案とも言われ、正式には「組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案」と名づけられております。 国際的なテロ事件が世界各地で多発する中、国内法の整備が必要であるとして、平成16年小泉内閣において共謀罪法案が初めて提出されましたが、衆議院の解散等により、以来3回廃案となった経過がございます。 本年1月に召集されました今通常国会におきまして、過去に廃案となった共謀罪の対象となる犯罪を676から277に減らすなど構成要件を改め、テロ等準備罪を新設する法案が提出され、国会内外での論議を経て、今月19日に衆議院法務委員会で賛成多数により可決、続く23日、衆議院本会議での採決では、自民・公明両党と日本維新の会などの賛成多数で可決されております。 29日からは、参議院に移り審議が行われておりますが、弁護士会などの法曹界を初め国民各層の広範な意見に耳を傾け、十分議論を尽くした上で国民の理解を得て、国民が納得できるよう全力が尽くされることが何よりも重要と考えておりますが、一地方自治体の長として、その是非についてお答えする立場にないことを御理解いただきたいと存じます。 地方自治体は、国会の議決に基づき制定された法制度のもとで市民福祉の増進に努め、生命、財産を守り、安全な暮らしを保障する大きな責務がございます。今後も国政の場におきまして、時間をかけた十分な議論を経て、国民の皆さんの声を反映した適切な対応がなされるべきものと考えております。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありませんか。松島吉子議員。 ◆11番(松島吉子君) まだ起こってもいない犯罪を取り締まる議論より、一刻も早く必要な刑法改正が求められています。性犯罪の罰則強化の刑法改正案です。今国会で審議される予定でしたが、後から閣議決定された共謀罪が先に審議されるという異例な事態であります。女性が無権利状態だった明治時代から110年も変わらなかったものが少しでも実態に即したものにするために画期的であり、性犯罪の罰則強化を一日も早くするために改正すべきであります。しかし、政府は数を力に共謀罪の成立を急いでいます。 先ほど市長の答弁に十分な納得のいく審議と十分な議論をされるよう望むというふうな答弁をされましたが、今の国会の状態では拙速な進め方ではないでしょうか。おかしいと思いませんか、市長。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。市長。 ◎市長(牛越徹君) まず、先ほどの御質問の中にありました議員の御主張に係る部分は御主張ということで承りたいと存じます。その上で衆議院の審議を見てみますと、法務大臣の答弁などを拝見いたしますと、1つは犯罪を構成する要件など、人を罰する法律として最も重要な部分について、なかなか明快な答えがなかったということは1つ。 また、もう一つは、それ以上にこの法案がどういう背景で何を必要として制定をすることになったのか、他の立法措置との絡みも含めてなかなか理解が難しいということは、確かに私も国会の審議を新聞などで読む過程では感じはしております。しかし、実際に衆議院の審査における審議にかけた時間は相当の時間を要しております。そうしたことから、残るは参議院に付議されております、この参議院において十分な議論をされることを期待申し上げたい、そのように考えております。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありませんか。松島吉子議員。 ◆11番(松島吉子君) この共謀罪は先ほど述べたように憲法違反の法律であります。これが強行採決されたら、日本は委縮して物が言えない状態になる、極めて窮屈な社会になってしまうと、私は思います。ですので、本当に参議院の中で良識の府として徹底した議論を求めたいと思います。そのことを申し上げまして、3項目めの教育問題に入りたいと思います。 最初に、教育勅語の閣議決定について伺います。 安倍政権は、2017年3月31日、憲法や教育基本法等に反しないような形で、教育に関する勅語を教材として用いることまでは否定されることではないという閣議決定をしました。これは、教育勅語の復活を狙うものであり、道徳の教科化や新学習指導要領と一体のものであります。 教育勅語は、明治憲法のもとで天皇が家来である臣民に身につける道徳として与えたものであり、教育勅語の目的は、いざ戦争になれば、天皇(国家)のために進んで命を投げ出す臣民になるために必要な道徳という構造であります。 親孝行や家族愛などの徳目を道徳教育で教えたいならば、わざわざ戦後、排除、失効決議によって効力が消滅した教育勅語を教材に使う必要はありません。閣議決定した背景には別の意図、目的があるとしか思えません。教材は幾らでもあるはずです。このような政府の教育勅語復活の動きに対する教育長の見解を伺います。 2つ目に移ります。 中学校の武道に銃剣道が追加されたことについて伺います。 文部科学省は、2017年3月31日付の官報で告示した新学習指導要領で、中学校の保健体育の武道の種目として、新たに銃剣道を追加しました。我が国固有の伝統と文化により、より一層触れることができるようにするとしていますが、突然追加されたことに対して時代錯誤ではないか、今の時代にそぐわない、子どもたちに教えていいのかなど、不安や疑問の声が広がっています。 銃剣道は防具をつけた状態で小銃に似せた木銃で相手の喉や胴の部分などを突く競技ですが、銃剣道は旧日本軍の格闘術であり、今は自衛隊の訓練にも使われています。戦前の軍事訓練の流れをくむものであり、学校で正規の授業として取り入れられれば、自衛隊員や元自衛隊員が指導して学校に入ってくることが予想されます。先ほど述べた教育勅語の復活とともに、安倍首相の教育再生に名をかりた戦争する国づくりの危険な具体化であります。 銃剣道を武道に追加することに対する教育長の見解と市内の学校に取り入れる考えはあるのかないのか、お聞かせください。 3つ目に、公立小・中学校の教職員の勤務実態について伺います。 文部科学省は、4月28日、2016年度の公立小学校の勤務実態調査の速報値を公表しました。中学校教諭の約6割が週60時間以上勤務しており、過労死の目安とされる水準を超過しています。前回、10年前の調査に比べ、教諭や校長ら全職種で勤務時間がふえ、教諭の場合は土・日の部活動は倍増しています。 教諭の1日平均勤務時間は、前回の調査より小学校では43分増の11時間15分、中学校では32分増の11時間32分です。小学校で33.5%、中学校では57.6%の教諭が週60時間以上勤務し、20時間以上残業しています。これは厚生労働省が過労死の労災認定の目安としている月80時間超えの残業に相当します。子どもの教育にとっても、労働者の生活と権利にとっても大変な問題であります。大町市の教職員の勤務実態はどうか伺います。 4つ目の不登校について伺います。 最近、市内の児童・生徒の不登校の人数がふえているのではないか、そういう声を聞いております。さまざまな理由で学校に行けない、集団の中に入れないなど内容は複雑で、先生方や各方面の職員の皆さんも大変苦労していることがうかがえます。学校が以前にも増して窮屈になっているのではないかと思います。 さまざまな要因が考えられますが、市内の小・中学生の実態はどうか、どのような対策がとられているのか伺いたいと思います。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。教育次長。     〔教育次長(中島喜一君)登壇〕 ◎教育次長(中島喜一君) それでは、私から教育問題についてのうちから、最初に教育勅語に関する閣議決定についての御質問に順次お答えをいたします。 教育勅語の取り扱いにつきましては、去る3月の国会におきまして、憲法や教育基本法に反しない形で教材として用いることまで否定されることではないとの答弁書について閣議決定したとの報道がありました。 教育勅語は、旧憲法下の明治23年に天皇に対し国民が忠実を果たし、行動を尽くしてきたことを基本に、父母に孝行、それから兄弟の友愛、夫婦相和、学業の修得などを求めたもので、昭和23年に国会において失効宣言が採択されております。 教育勅語の内容につきましては、さまざまな評価がありますことから、これを学校での指導等に用いることは不適切と考えますが、社会科の授業等において、歴史的事実の資料として用いることは問題ないものと考えております。 次に、銃剣道の取り扱いについての御質問にお答えをいたします。 御指摘のとおり、銃剣道は戦争における銃火器の取り扱いから発生したスポーツではありますが、現在では体育科における武道の1種目として取り入れられております。当市では、全校で剣道を取り入れており、指導者もなく、施設や設備の面からも導入することは考えておりません。 私からは以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 教育長。     〔教育長(荒井今朝一君)登壇〕 ◎教育長(荒井今朝一君) 学校教職員の勤務状態と不登校の現況等についての御質問に順次お答えいたします。 初めに、市内の小・中学校における教職員の勤務実態についての御質問にお答えいたします。 教職員の労働環境につきましては、多忙化に伴う長時間労働が社会問題化されており、本来の業務である授業準備や生徒指導に加え、早朝、休日の部活動指導や行事、肥大化する学校事務などにより長時間労働となり、健康を損なうケースも生じており、児童・生徒とのふれあいの時間、さらには教職員自身の生活時間や自己啓発の時間も奪いかねず、結果的に教育の質的低下が懸念をされているところでございます。 当市における教職員の勤務実態につきましては、議員御指摘の文部科学省から公表されました教員勤務実態調査は、全国の学校から抽出した調査でありますので、週に60時間以上勤務している教職員の割合等につきましては、当市では調査をしておらず、数値を持ち合わせておりませんが、昨年度当初における時間外勤務に関しましては、小学校の教職員は1人1カ月当たり、勤務日となる時間外勤務の平均で39時間10分となっており、中学校の教職員は57時間41分という状況で、全体では県平均を若干下回る状況となっております。 こうした現況を踏まえまして、今後もノー残業デーの実施や不要不急の事務、会議等の縮減に努めるとともに、教職員は教育公務員特例法により、通常の教科準備や生徒指導等は時間外勤務の対象から除かれておりますが、昨年度から時間外勤務の対象となる生徒実習や学校行事、職員会議等で4週間より以前に校長が指定した勤務につきましては、代替休暇を可能とする制度を試行的に運用し始めておりますので、今後はこの結果を踏まえて、一層の時間外勤務等の縮減に取り組んでまいります。 次に、不登校の現況と対策についてお答えいたします。 不登校の児童・生徒は、平成19年度には小・中合わせて57人、在籍率で2.03%と、県下19市中でも最も悪い状況にありましたが、その後、心の相談員や不登校支援員等を配置をし、保健、医療や子育て部門と連携して予防や早期相談、指導に取り組んでまいりました結果、24年度には21人、在籍率で0.89%まで減少いたしました。しかし、近年、再び増加傾向となり、昨年度は36人、在籍比率では1.79%となっております。また、登校しても教室に入れない不適応の児童・生徒も増加をしており、不登校、不適応対策は緊急の課題と認識をいたしております。 不登校の原因は多様で、交友関係や退学傾向、学業を怠けるという傾向などのほか、家庭問題や保護者との関係、精神的な不安定や発達障害など、学校だけでは解決できない要因も多く、これらが複雑に絡み合っているケースもあり、担任や生徒指導など学校関係者と教育委員会、子育て支援課などの関係者が連携をして、ケース研究会や支援会議などを開催をしながら、総合的な指導と対応に努めております。 私からは以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありませんか。松島吉子議員。 ◆11番(松島吉子君) 教育勅語の中の答弁の中に、歴史的な事実を教える、これは大事なことだと思います。今、日本の国会を取り巻く状況は非常に私は危険な状態だと思いますので、平和教育と位置づけて、日本の歴史がどうであったかということを歴史の事実としてしっかり教育の中に位置づけていただきたいと思います。よろしくお願いします。 不登校についていろいろ述べられましたが、やっぱり子どもたちもいろいろ問題を抱えているし、先生も家族も本当に悩んでいると思います。いろんな人の支えで子どもたちが本当に学校に行けて、学校に行けなくても、ちゃんとその子たちが生きる力をつけていけるように、皆さんの力を合わせて頑張っていけたらいいなと、私は思っております。 今定例会の一般会計補正予算に教員の多忙化解消に向けた事業として540万円計上されていますが、具体的にどのような事業を行うのか。そのことで教職員の残業や実際の仕事の軽減になるのかどうかお聞きをしたいと思います。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。学校教育課長。 ◎学校教育課長(竹内紀雄君) ただいまの御質問にお答えいたします。 このたびの学校現場における業務の改善加速事業でございますが、先生方が授業準備や生徒と向き合う本来の時間の確保のため、学校業務改善、研究を行い、具体的な手法を全国に普及する目的で文部科学省が委託する事業でございまして、この改善研究を県教委が国から受託し、一部を大町市がモデル市町村としてお受けするものでございます。 県教委では、改善のための推進協議会を設けまして、協議、検討を行うとともに、大町市に業務の改善のための支援を行うということになってございます。市では、具体的に部活動や学校徴収金業務の負担軽減について実務的な検討を行う予定としております。学校現場の教職員を中心としました委員会を立ち上げて検討を進めてまいります。 実務的な研究、検討を県教委とともに重ねまして助言をいただきながら、成果をまとめて先生方の多忙化の改善につなげてまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありませんか。松島吉子議員。 ◆11番(松島吉子君) モデル事業として推進協議会、部活動など、実務的な研究をするということですが、それがまた一つ大きな先生たちの仕事になるんではないかというふうに感じましたが、大丈夫でしょうか。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。学校教育課長。
    ◎学校教育課長(竹内紀雄君) ただいまの御質問にお答えします。 実務的には先生方にお集りいただきまして検討を重ねなければ、実態がわかりませんので、先生方、負担が少ないようにできるだけ配慮を行いながら、現場の意見をお聞かせいただいて、どうすれば、改善につながるのか、ぜひ先生方に入っていただかなければわからない部分はありますので、先生方の負担を最小限にしながら、検討を進めてまいりたいと思います。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありますか。松島吉子議員。 ◆11番(松島吉子君) 最近、中学校の社会体育を民間の社会人が応援するという話を聞きましたが、その人材は今、確保できる見通しがあるのか、現在わかっていたら教えてください。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。学校教育課長。 ◎学校教育課長(竹内紀雄君) ただいまの御質問にお答えいたします。 外部講師、外部指導者の状況でございますが、第一中学校等におきましては、具体的に何人か登録がございます。具体的な数字は今、持ち合わせてございませんが、いずれにしても、先生方の負担軽減ということもありますので、できるだけ外部のといいますか、地域社会の力をおかりしながら、学校の部活動に協力、支援をいただくというようなことを考えてございます。協力の幅を広げまして進めてまいりたいと思います。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 教育長。 ◎教育長(荒井今朝一君) 私から若干補足をいたしますと、部活動等について直ちに人材があるという状況にあるわけでありません。今、課長申し上げたように、若干の登録や既に社会人の指導者が入っている種目もございますけれども、しかし、長野県が出しました今後の学校における部活動等のあり方の指針に沿って、少しずつそういう社会人の指導者を導入しながら、スポーツクラブ化をして学校での指導と、いわゆる部活動ではなくて、地域のクラブ活動化というふうな方向に進めていきたいというのが私どもの考え方であります。 以上です。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありませんか。松島吉子議員。 ◆11番(松島吉子君) 今、先ほど答弁があったように、学校が大変忙しくなっています。息苦しさを感じるのは子どもたちも教師も同じだと思います。 教育政策ですが、学校評価制度の導入や学力テストなどが教育現場を圧迫し、息苦しい学校をつくっている、私はその一つの要因だと思っております。でも、子どもたちも教師も本当に楽しい学校づくりのために今、知恵を出したり、協力し合っていってほしいと思いますが、教育長、楽しい学校づくりのために今、力を入れていることがありましたら、お聞かせください。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。教育長。 ◎教育長(荒井今朝一君) お答えいたします。 御案内のとおり、コミュニティスクール化を市内全校で、この4月から始めたわけでありますが、その考え方の根本には、開かれた学校づくりということが求められていると思います。学校の中の不登校の状況とか、いろんな課題を抱えた子どもたちの状況等については、どちらかというと学校だけでという考え方がやっぱりあったわけです。しかし、そうではなくて、やはり子どもたち同士が助け合う学校であり、それから子どもと保護者が、あるいは教員が一緒になってつくる学校であり、さらに地域社会がそれを支援する学校になっていく、それがこれからの学校のあり方だと考えております。そんな御理解をいただければありがたいなと思います。 以上であります。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありますか。松島吉子議員。 ◆11番(松島吉子君) 先ほどコミュニティスクールのことができましたけれども、今月の末に八坂小・中学校、また保育園みんなで小学校の草刈りや保育園の草刈りやりました。地域の人が大勢出てくれて、人数は少ないけれども、理想的ないい形だなと思いました。私はやっぱり子どもたちの笑顔があふれるような学校、地域にしてほしいと思います。そのために行政の皆さんも地域の皆さんも支えて、先生たちにも元気を与えるような地域になってほしいと思います。 以上、申し上げて終わりたいと思います。 ○議長(勝野富男君) 以上で松島吉子議員の質問は終了いたしました。 ここで、4時40分まで休憩といたします。 △休憩 午後4時26分 △再開 午後4時40分 ○議長(勝野富男君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 市政に対する一般質問を継続いたします。 質問順位第6位、栗林学議員の質問通告は1項目です。栗林学議員の質問を許します。栗林学議員。     〔4番(栗林 学君)登壇〕 ◆4番(栗林学君) 虹と緑の会の栗林学です。 通告により、今回の質問は大町市山岳博物館について伺います。 昨年、信州大学などで結成される学術調査団によれば、鹿島槍ヶ岳のカクネ里雪渓は国内で4例目の氷河がある可能性があり、観光のまちだけでない大町市を全国にアピールできる要素を秘めております。また、去る5月21日には、富山市の動物園でニホンライチョウの産卵が確認されましたが、山岳博物館でもニホンライチヨウの人工繁殖に取り組んでおり、こちらも期待が高まります。そして、ことしは大町市登山案内人組合設立100周年記念が開催されます。博物館でも11月17日に記念式典が開催されるということで、今までどおりの展示に加え催し物の企画など、重要な役割を担うと思われます。 以上の点を踏まえ、山岳博物館の使命についてどのような考えか伺います。 これで1回目の質問を終わります。 ○議長(勝野富男君) 栗林学議員の質問に対する答弁を求めます。教育次長。     〔教育次長(中島喜一君)登壇〕 ◎教育次長(中島喜一君) それでは、カクネ里雪渓の学術調査やライチョウ飼育などの取り組みに関連して、山岳博物館の使命についての御質問にお答えをいたします。 大町山岳博物館は、昭和26年に公民館活動の中から生まれ、博物館建設に寄せる市民の熱意と献身的な活動によって誕生をしました。その後、全国に先駆けてライチョウやカモシカの飼育に着手し、北アルプスを初めとした山岳地帯の歴史や文化、自然や環境に関する調査研究や山岳資料の保存、教育普及などに意欲的に取り組み、学術賞であります秩父宮賞の受賞を初め、各界から高い評価を受けてまいりました。また、年間の入館者も昭和60年には10万人に達するなど、市の観光の発展にも大きく寄与してまいりました。しかしながら、その後はさまざまな分野のレジャーの進展や近隣観光地の増加などにより、観光客の嗜好や形態が大きく変化し、入館者も年々減少傾向にあり、近年では2万人を割り込む状況が続く中、入館者増に向けた新たな方策の検討が必要となっております。 こうした現況を踏まえ、議員お尋ねの山岳博物館の使命につきましては、一方では、北アルプスを中心とした山岳地帯や山麓の里山を中心に営まれてきました伝統的な生活文化や地域資源を再発掘し、郷土の自然や文化を学習する新たな学びの楽しさを創造し、学校教育やさまざまな生涯学習関係施設等との連携によりまして、奥の深い広がりのある郷土学習の振興と育成を図ることが求められております。 また、観光客を初めとした多くの来館者は、北アルプスや山麓の自然や文化に関心を持っていただけるよう、魅力ある展示や普及活動と多様な情報発信が求められているものと認識をいたしております。 御指摘のカクネ里雪渓学術調査やライチョウ飼育につきましても、多くの皆様からその成果を期待されておりますので、今後も精力的に事業の推進に取り組むとともに、調査により得られた最新の知見につきましては、住民参加の手法も導入しながら、教育普及事業等に活用し、市民を初め広く全国に情報を発信し、入館者の増加につながるよう努力してまいりたいと考えております。 私からは以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありませんか。栗林学議員。 ◆4番(栗林学君) それでは、学芸員の仕事についてお伺いします。 まず、山岳博物館にはどんな専門の学芸員がいるのか、また仕事の内容についてお伺いします。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。山岳博物館長。 ◎山岳博物館長(鳥羽章人君) ただいまの御質問にお答えいたします。 一般に学芸員の仕事には、専門職員として施設における資料の収集、整理、保存、展示の準備、後処理、その背景として専門分野の研究、分析、また教育普及活動等さまざまな活動があります。また、それらを通して学術振興や文化向上に貢献していくことが使命となっております。現在、山岳博物館には新聞担当学芸員2名、動物担当学芸員1名、植物担当学芸員1名、加えて地質担当専門員1名及び指導員2名が在席しております。 それぞれ各分野を中心に業務多忙を極めている折ではございますが、邁進しているというところでございます。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありませんか。栗林学議員。 ◆4番(栗林学君) 去る4月16日、地方創生大臣による「学芸員はがん」発言が記憶に新しいところですが、私は学芸員は預かり知らぬ発言だと思っています。学芸員とは博物館概論、博物館経営論、博物館資料論と、さまざまな幅広い知識を必要とする職業であることは言うまでもありませんが、そこで山岳博物館の学芸員が市内小学校においてどのような活動をしているのか、お伺いします。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。山岳博物館長。 ◎山岳博物館長(鳥羽章人君) ただいまの御質問にお答えいたします。 山岳博物館では、学校教育と社会教育との連携、融合として、博物館の展示を利用した学校との連携事業を実施しております。現在の学習プログラムは、理科の連携事業として4学年対象の「生き物の暮らし」、「人と体のつくりと運動」や、社会科の連携事業として4学年の「郷土に伝わる願い」がありますが、昨年度は市内6小学校で御活用いただき、9回、296人の参加がございました。 なお、昨年度の学校等との連携事業では出張講座を含め、ただいまの市内6小学校、さらには市内中学校、高校等を合わせて16校で40回、934人の利用をいただきました。今後は、新たな学習プログラムを作成するなど、博物館を利用した各教科の事業を拡充してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありませんか。栗林学議員。 ◆4番(栗林学君) 平成27年の山岳博物館が発行している年報に学習会への協力の中に八坂児童クラブ主催で、「山岳博物館の歴史及びライチョウについて」という内容で学習会の協力がありました。この学習会は継続的に行われているのか、お伺いします。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。山岳博物館長。 ◎山岳博物館長(鳥羽章人君) ただいまの御質問にお答えします。 お尋ねの学習会は、八坂児童クラブからの要請に応じた職員の出張講座で対応しております。今後も児童クラブに限らず各種の団体等からも要請に応じて積極的に対応したいと考えております。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありませんか。栗林学議員。 ◆4番(栗林学君) すみません。今、継続的に行われてはいるんでしょうか。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。山岳博物館長。 ◎山岳博物館長(鳥羽章人君) お答えいたします。 児童クラブからの要請は、昨年度27年度1回ということです。その後は児童クラブからの要請はございません。ただ、要請があれば、先ほど申し上げましたとおり対応してまいりたいというふうに考えております。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありませんか。栗林学議員。 ◆4番(栗林学君) 八坂の児童クラブの話ですが、児童は初め興味のない様子でしたが、話を聞いていくうちに興味を持つようになっていったということです。こういった取り組みは非常によいことだと思いまして、八坂の児童クラブだけから出張講座の要請があれば、他の学校は知られていないこともあります。講座を活用したいようなところもあるかもしれません。また、学芸員のこういった活動を利用することによって、学芸員の宣伝活動により児童も山岳博物館に行きやすくなるのではないかと思います。ぜひともこういった積極的な児童クラブへの学習講座の呼びかけを行ってほしいと思います。 また、学習といえば、美麻小学校の学習に化石とりの授業がありました。大町市でも貝の化石がとれるところがあります。そういった地元の情報を加えた展示で、さらに見学者の興味を刺激するのも客員増加になるのではないでしょうか。 また、ところで博物館2階に手で触れることができるアンモナイトの化石があります。私は、これ初め大町でとれたものかと思いました。調べたところ、産地は外国産でした。 そこで、展示についてお伺いしたいと思います。展示の模様替えは行われているのか。また資料の収集は、どのように行われているのかお伺いします。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。山岳博物館長。 ◎山岳博物館長(鳥羽章人君) ただいまの御質問にお答えします。 山岳博物館では、北アルプスとその山麓地域の自然や文化に関する資料の収集、整理を行っておりますが、収集資料は自然科学系と人文科学系に大別され、収蔵資料件数は6万点を超えております。現在、資料収集は主に寄贈が中心となっておりますが、これらの収集した資料は後世に伝えるための保管管理をするとともに、教育普及活動として常設展示、企画展示等へ活用しております。 お尋ねの展示の模様替えでございますが、おおむね10年に1度リニューアルを図っておりますが、随時状況に応じて可能な範囲での展示の一部変更も行っております。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありませんか。栗林学議員。 ◆4番(栗林学君) 展示品は購入しているということですが、地質コーナーの展示品の中に黒曜石があります。これをやはりただ展示するのではなく、例えば縄文人がどのようにして矢じりをつくったなど、山博クイズラリーの企画もやっていますが、ふだんの展示の中でクイズ形式などで表記すると興味が湧くのではないでしょうか。実際黒曜石で細かい加工をするのにはまた鹿の角を使うそうです。博物館ではどのような意図で展示をしているのか、お伺いします。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。山岳博物館長。 ◎山岳博物館長(鳥羽章人君) ただいまの御質問にお答えいたします。 議員御指摘のとおり、黒曜石につきましてはそういった背景がございます。ただ、大町山岳博物館では、黒曜石につきましてはフォッサマグナのコーナーに展示してございまして、これは2,000万年から3,000万年前は海だったところが山になり始めて、陸上で黒曜岩溶岩が流れ出したことを理解していただくのを主眼として展示してございます。また、そのほかに鉄平石と流紋岩も展示してございます。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありませんか。栗林学議員。 ◆4番(栗林学君) 意図が違うということで展示の仕方も違うということだと思いますけれども、自然や歴史の地域、身近なもの全てをつなぐ輪の中に山岳博物館があり、大町市はこんな自然の体験ができる場所もあるということを知れば、学習の機会もふえ、新たな疑問はまた山岳博物館で調べるという知的循環が生まれます。自然の体験ということでは、付属園で餌やり体験の実施があります。山岳博物館の隣には付属園があります。 そこで、付属園についてお伺いします。付属園と動物園の違いについて説明ください。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。山岳博物館長。 ◎山岳博物館長(鳥羽章人君) ただいまの御質問にお答えいたします。 山岳博物館付属園では博物館としての資料収集・保管、調査研究、教育普及事業とのかかわりを持たせ、希少野生動物繁殖等の動物飼育繁殖事業を実施しておりますことから、付属園事業は博物館事業の一環として位置づけをしており、その点で通常の動物園とは性格を異なるものとしております。 動物園との違いにつきましては、付属園まつり等にて説明をしておりますが、今後、さらなる周知を検討してまいるということで考えてございます。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありませんか。栗林学議員。 ◆4番(栗林学君) 付属園は動物園と違うということですけれども、以前ライチョウを見に行きましたが、何らかの理由で見られなかったことがあります。やっぱり付属園というところは傷病動物の保護、飼育が目的であったり、動物園との役割があり違うということであれば、付属園の目的の施設を明確にし、来園者が納得いかないことも起こり得るのではないかと思いました。 また、園の老朽化も進んでいるように見えますが、今後、付属園の計画等何かあるのか、あったら教えてください。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。山岳博物館長。 ◎山岳博物館長(鳥羽章人君) ただいまの御質問にお答えいたします。 山岳博物館付属園の整備計画につきましては、現在、ライチョウ舎建設等のために既存のものを一部変更する必要がございます。議員御指摘の付属園の意味、それから老朽化した施設への対応等も含めまして、本年度中に見直すこととしております。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありませんか。栗林学議員。 ◆4番(栗林学君) 冒頭にも言いましたが、ライチョウのことについてお伺いします。 昨年12月10日、ライチョウが逃げた一件がありますが、今後、国家プロジェクトとしてライチョウの飼育、繁殖をしていく上で、その問題と解決策についてお伺いします。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。山岳博物館長。 ◎山岳博物館長(鳥羽章人君) ただいまの御質問にお答えいたします。 昨年12月にはライチョウが2羽逃げ出すという事故を起こし、市民を初め関係の皆様には多大な御心配と御迷惑をおかけいたしました。また、捜索の折には多くの方々から御協力をいただき、改めて心より感謝を申し上げます。なお、オス1羽は当日保護することができましたが、メス1羽は依然として発見に至っておりません。 ライチョウ遺失の原因につきましては、環境省のライチョウ保護増殖検討委員会からの指導により、現在内部での検証を進めておりますが、直接の原因であります排煙窓の構造につきましては、現在固定して開閉できないように改善をしております。また、日本動物園水族館協会からも、施設整備や飼育方法等について御指導をいただいておりますので、今後は同様にライチョウ飼育を実施している上野動物園や富山市ファミリーパークと緊密に情報を交換しながら、一層慎重に取り組んでまいります。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありませんか。栗林学議員。 ◆4番(栗林学君) 今後、こういう教訓を生かして、次の付属園の整備計画のほうをうまくやっていってもらいたいと思います。そして、国のプロジェクトもあります。目的が達成できるようになることを期待しております。ライチョウ飼育がうまくいけば、見学者もふえるでしょう。 そこで、案内看板についてです。山岳博物館の近くに長野県山岳総合センターがありますが、まず建物の説明がありません。山岳博物館の駐車場から見ても、何の施設かよくわかりません。まして周りの木が茂るとなおさら看板も見落としがちになります。施設内で体験できるボルダリングにも山岳博物館を訪れた人が少しでも長く足をとめていけるよう紹介すれば、観光という側面が出てくるのではないでしょうか。 観光客の目線から見れば、県の施設か、市の施設かということは関係なく、全体の環境に配慮すべきと思います。隣接する2つの建物が連携し、山岳博物館から山の情報を発信する窓口を広くすることで登山者の集まる拠点となれば、山岳文化都市宣言のまち大町がもっとごく深い山の情報を発信できるはずです。今後、具体的な情報発信等を考えていますか、お伺いします。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。山岳博物館長。 ◎山岳博物館長(鳥羽章人君) ただいまの御質問にお答えいたします。 長野県山岳総合センターとは、定期的に懇談会を設けてございます。その中で情報発信についても協議をしておりますが、今後はなお一層連携を図ってまいりたいと考えております。 また、駐車場の看板につきましては、現在、山岳博物館、それから長野県山岳総合センターを踏まえ、位置がはっきりするような施設整備、看板整備を考えておりますので、あわせて御了解をいただきたいと思います。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありませんか。栗林学議員。 ◆4番(栗林学君) そこで、観光客が山岳博物館に来るには、ことしは6月から11月の「ぐるりん号」に乗るか、またはタクシーで来るしかありません。登山者は大きな荷物を背負ってきます。駅周辺に荷物を預けるところがあれば、みどりの自転車を利用したり、徒歩で出向いたりすることも可能です。観光客の要望を山岳博物館で対応するだけでなく、観光課などと連携をしていくことでニーズが高まるのではないでしょうか。 また、長野県山岳総合センターでボルダリングができる案内や登山のツアー企画の案内など、山岳博物館で行えば、訪れる人は便利になります。人が集まる新たな役割が山岳博物館にはあると思います。長野県山岳総合センターも近くにあるので、お互いの情報交換を行っているそうですが、今後とも観光客の滞在時間も長くするよう、そういった企画を立ててもらいたいと思います。そこで、現在の山岳総合センターの関係はどうなっているのでしょうか、お伺いします。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。山岳博物館長。 ◎山岳博物館長(鳥羽章人君) ただいまの御質問にお答えいたします。 市の観光課や観光協会等はイベント開催や情報発信等、さまざまな形で連携を図ってございます。その中で山岳博物館への足の確保につきましても御考慮をいただき、「ぐるりん号」のコースに入れていただいたという経過もございます。 今後、議員御指摘の県の山岳総合センター等も踏まえ、山岳総合センターは指定管理者でございますので、その上部機関の県とも働きかけながら、連携をさらに強化してまいりたいというふうに考えてございます。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありませんか。栗林学議員。 ◆4番(栗林学君) 入館者がふえ、多くの方に利用してもらえばよいことだと思います。 ところで、市立大町山岳総合博物館の入館者は、平成3年の約4万7,000人をピークに年々減少傾向が続き、平成27年に至っては1万427人となりました。そこで質問ですが、入館者の減少について、入館者の分析と今後の対策についてお伺いします。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。山岳博物館長。 ◎山岳博物館長(鳥羽章人君) ただいまの御質問にお答えいたします。 先ほどの次長答弁でもお答えをいたしましたが、入館者数は昭和60年の約10万人をピークにさまざまなレジャーがふえるなど、観光の形態や嗜好が変わる中、年々減少し、近年は2万人を割り込んでいるという御指摘のとおりでございます。今後は効果的な情報発信のあり方等を中心に、入館者増への新たな対応を検討してまいります。 なお、議員御指摘の入館者数でございますが、平成3年は8万6,477人、平成27年は1万8,294人でございますので、また確認のほどをよろしくお願いをしたいと思います。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありませんか。栗林学議員。 ◆4番(栗林学君) すみません、資料の見方がちょっと違っていました。 今度は国立博物館の例です。博物館には幼児、小学生、中学生の利用者が多く見られ、そのため展示や教育活動を実施するに当たり、子どもを念頭に置いています。子どもたちがさまざまな装置や標本に実際に触れたり、操作したりといった科学的な物の見方、考え方を養い、自己教育を育むことを目的とした探検館という展示室を設置したそうです。 また、設置に伴い、子どもたちの科学に対する関心や疑問を引き出す手助けとしてインストラクター制度というものを導入しました。それまでと比べて博物館の利用方法が大きく変わったそうです。それまでは1時間半や2時間の見学時間で自由に館内を見学をするという形が多かったが、主な展示を見ると、見る目的もないまま時間を潰している状態も見られたが、探検館を設置した後、インストラクターとともに遊びながら探検し、より積極的に展示に接するようになったそうです。山岳博物館も誰をターゲットにするかで展示や企画の立て方など変わると思います。 そこで質問ですが、博物館の利用者の調査などは行っているのですか。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。山岳博物館長。 ◎山岳博物館長(鳥羽章人君) ただいまの御質問にお答えいたします。 企画展やイベント等の開催時にはアンケート調査を実施するなど、利用者の状況について市場調査に努めております。平成27年度には常設展におきましてアンケートを実施したわけでございますが、その中では来館者の傾向について、来館者層及び交通手段、来館目的についての中で、来館者は60歳代を中心として40から70歳代の男性、女性が単独、もしくは2人から4人程度の利用が多かったということでございます。また、観光旅行によって首都圏、あるいは中京圏、近畿地方、県内の近隣都市からの自動車による来館が多かったという傾向にございました。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありませんか。栗林学議員。 ◆4番(栗林学君) 平成27年は個人の入館者が7割程度で大人向けの博物館のようですが、展示物の一つである松濤明の手帳は1941年1月、松濤と有元克己が槍ヶ岳北鎌尾根で遭難し、そのときの様子が記されたものです。今は電子機器の発達により、いろんな展示方法が考えられます。実物は手にとって見ることはできませんので、例えばQRコードで手帳の中身を見られるようにすれば、よりリアルな展示になるんではないでしょうか。 ほかにも昔のスキー板の展示があります。今でこそカービングスキーが主流になり、滑り方も変わりましたが、山岳図書資料館には昔の滑り方を研究した本があります。展示品を利用して、資料も世に知らせることができるのではないでしょうか。また、冬限定で昔のスキーの体験イベントなどを行えば、冬にも人が来るかもしれません。一人でも多くの方を山岳博物館に呼び込む気持ちが来客数にあらわれるのではないかと思います。 また、展示について調べたところ、東洋大学海洋学部の博物館資料論に「博物館の展示づくりの落とし穴」というものがあります。博物館展示をつくるとき、学芸員が陥りやすい点が挙げられています。1つ目は研究者は体系を理解してもらおうとするが、相手が体系を知りたがっているとは限らない。2、研究者は展示をつくるとき、批判ばかりを意識する。3、展示は研究発表ではなく見る人にメッセージを伝えるもの、知識や情報を出せばよいというものではない。4、研究者の持っている知識や情報の中に展示のための宝物が隠れている。他のメンバーも集まり宝を寄せ合う。5、博物館をつくることになって、偉い人が呼ばれ丸くおさめて案ができ、博物館ができることは皆いない。6、みんなでよーく考えた使命は、その間の活動の判断基準になるとあります。見る人の立場で展示をつくるには、学芸員だけでなく教育者やデザイナーによると言っています。展示とは単なる陳列ではなく、展示で示すことで展示する学芸員がそのものから受けた感動や刺激が大きいほど、展示の質的内容は高くなると記されています。 また、山岳博物館研究紀要に掲載されている麻田玲氏による論文「資源を顕在化するプロセス、山岳博物館の魅力、遠くて近い友の会からの学び」では、行政や市民は山博を地域の資源として認識している。物理的な距離の近い市民は、山博の特徴を情報として認識しているが魅力として捉えていない。特徴が魅力となることで活用につながる可能性があると記載されています。 山岳博物館の魅力について、どう考えているのか、お伺いします。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。山岳博物館長。 ◎山岳博物館長(鳥羽章人君) ただいまの御質問にお答えいたします。 山岳博物館では、平成27年度から博物館活動や調査研究等に関する学術的な論文、報告等について、当館独自の研究紀要を編集、刊行するとともに、公式ウエブサイト上でも公開をしております。 議員御指摘の麻田氏の論文では、博物館の魅力を友の会の会員の意識に着目して、その特徴や傾向を分析し、考案しておりますが、そこでは物理的に距離の近い市民は、博物館の特徴を情報として認識はしているが、魅力として捉えてはいないとしており、一方、友の会の会員は、山博の特徴は魅力として認識していることに加え、博物館からの定期的に得る情報によってそり魅力は増し、物理的な距離とは関係なく、心理的な近さを山博に感じていると結論づけております。そして、友の会会員が認識している魅力の数々を行政を初め市民に発信することが第一歩と提言されております。 今後はこの提言をもとに、山岳博物館の持つ特徴を整備しながら、友の会への加入促進も含め、市民を初め多くの方々に対し山岳博物館の特徴を魅力として、積極的に情報発信することが山博への関心を高めるために必要な取り組みの一つと考えております。 なお、議員から御指摘をいただきました展示の方法等につきましては、今後の山岳博物館の運営のほうに反映をさせてまいりたいと思います。ありがとうございました。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありますか。栗林学議員。 ◆4番(栗林学君) 最後、意見ですが、友の会の魅力が市民に伝わることを願っています。そして、山岳博物館は博物館法に基づく役割と、あと観光資源という役割があります。この二つをうまく調整し、教育の場、そして観光の拠点となることが求められると思います。展示のリニューアルで入館者をふやすだけでなく、山岳博物館にある資源と大町市の資源を活用して持続性のある山岳博物館になってもらうことを期待して、これで質問を終わります。 ○議長(勝野富男君) 以上で栗林学議員の質問は終了いたしました。 ここで、5時25分まで休憩といたします。 △休憩 午後5時12分 △再開 午後5時25分 ○議長(勝野富男君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 市政に対する一般質問を継続いたします。 質問順位第7位、神社正幸議員の質問通告は3項目です。神社正幸議員の質問を許します。神社正幸議員。     〔6番(神社正幸君)登壇〕 ◆6番(神社正幸君) 7番目の質問者、神社正幸です。大分押してきておりますけれども、よろしく答弁のほどお願いいたします。 通告に従い、雇用問題と大町市の歴史・文化について、第5次総合計画人づくりについて質問させていただきます。 それでは、第1問目の質問として、雇用問題について質問します。 5月17日、合庁にて開催されました知事出席の北アルプス地域戦略会議の意見交換において市長は、移住相談で寄せられる声を考慮して移住・定住で一番大切なものは働く場所であり、製造業の振興の重要性を指摘したとの報道がありました。一方、第5次総合計画では、活力ある産業と地域の魅力を生かしたにぎわいのあるまち、自立的で持続的な経済循環を図るため、新産業の誘致や育成、創業の支援や産業振興と働く場所の確保に取り組みますと書かれております。また、誘致目標を5年で累計3社とし、地域の特性を生かした戦略的な企業誘致の展開をするとの計画であります。 今まで兼任であった産業立地戦略室長を独立させ、専任として配置した動きは、市長の企業誘致への熱意を感じるところでありますが、それではお聞きします。今までの企業誘致の総括をして問題点を把握しているのか。市長には、今までと変わった取り組みや腹案はあるのか、お聞かせください。 これで1回目の質問といたします。 ○議長(勝野富男君) 神社正幸議員の質問に対する答弁を求めます。市長。     〔市長(牛越 徹君)登壇〕 ◎市長(牛越徹君) 企業誘致に関し、問題や取り組みについての御質問にお答えいたします。 企業誘致による新たな産業の立地は、雇用の創出や地域経済の活性化等、広範な効果が期待でき、市民の皆様からも強い要望が出されており、議員御指摘のように第5次総合計画の中でも重要な施策の柱に位置づけております。 過日、知事出席のもと開催されました地域戦略会議の席上、私から提案いたしましたのは、現在当市が進めております定住・移住促進策におきましても、大町に定住して暮らしを立てていく最も基礎となる重要な前提は働く場の確保であり、この分野での県の支援を要請したものでございます。 また、平成27年に策定いたしました大町市まち・ひと・しごと創生総合戦略でもその基本目標の一つとして、「安定した雇用の場の確保と新規企業を支援する」を掲げております。一方で、現在、企業の立地は海外にシフトし、国内の空洞化が著しいことに加え、誘致に当たりましても、地域間の競争が激しく、他の地域とは異なる地域の特性を生かした独自の誘致戦略が求められております。 この独自の誘致戦略、地域の特性を生かすということを前提としながらも、やはり地域間の競争、あるいは海外に立地がシフトしていく、そうした現況が大町市におきましても、課題の一つであると認識いたしております。 このため、22年度に当市の特性を詳細に分析し、経済動向を的確に把握し、戦略的な企業誘致策として、大町市企業誘致戦略を策定するとともに、全庁挙げて機動的な誘致活動を積極的に推進するため、産業立地戦略本部を設置したところでございます。また、この実務を担うとともに、当市が積極的に企業誘致を推進していることを市の内外に強く発信するため、産業立地戦略室を設置いたしました。 こうした中、東洋紡大町工場跡地については、25年に当市の豊富な地下水を生かした水工場が進出し、次いで26年6月には工業専用地域から準工業地域に用途変更を行い、製造業のみならず、さまざまな業種について立地が可能になりました。これに伴い、御案内のように昨年4月、大規模商業施設がオープンいたしました。また、この間にもほかにも幾つかの企業進出の相談はありましたものの、その時点の経済環境や事業者の方針変更などにより、具体的な立地には至っておりません。 この企業進出の原点であります経済環境の変化などは、非常にボーダーレスの国際経済の中におきましても大きな要因であり、これも単一の市で解決できる課題ではないものと考えております。 次に、今までと違った取り組みや腹案はあるかとのお尋ねでございますが、現在、幾つかの企業進出の御相談があり、これらの案件につきましては、引き続き全庁を挙げて機動的、かつ積極的に対応してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありませんか。神社正幸議員。 ◆6番(神社正幸君) ただいまの答弁を伺いますと、何らかの企業のアタックがあるというように認識いたします。 それでは、市は200万円強の予算で大阪地区に企業誘致のための駐在員を雇用しているわけでありますが、今までの評価、そしてまたこれからも続けていく考えでしょうか。私は、余り費用対効果がなければやめたほうがいいと思うんですけれども、いかがでしょうか、お聞きします。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。産業観光部参事。 ◎産業観光部参事(小林敏文君) 御質問にお答えします。 「産業立地推進員」という名前で呼んでおりますが、産業立地推進員は平成26年5月から大阪府を中心に関西圏の企業を訪問し、企業情報の収集を任務としております。昨年の実績につきましては、訪問企業数が370社、うち新規企業数73社であります。昨年度は特に業種を研究機関やIT企業に広げ、新規企業への情報収集を積極的に行うよう指示したところでございます。本年度も同様の方針で活動をいただいております。現在までのところ、具体的な誘致等に結びついてはおりませんが、将来的に計画がある企業などを中心に情報収集に努めております。 今後の方針につきましては、本年度末で4年を経過いたしますことから、現在、そのあり方についての検討を行っている最中でございます。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありませんか。神社正幸議員。 ◆6番(神社正幸君) ぜひ検討していただきたいと思います。 次に、地域産業活性化懇談会は、どのような活動をしているかをお聞きします。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。産業観光部参事。 ◎産業観光部参事(小林敏文君) 御質問にお答えいたします。 地域産業活性化懇話会は、企業誘致等による地域の産業活性化について検討をするため、平成23年度に設置いたしました。委員は経済団体、金融機関、教育機関及び公募による市民の方々で構成し、企業誘致に関する情報の収集及び発信や既存企業の振興に関すること。産業間の連携による新しい産業の創出など多岐にわたり御意見や情報をいただいております。また、27年度には大町市人口ビジョン及びまち・ひと・しごと創生総合戦略の策定に当たりましても、御意見をお聞きしたところでございます。 今後も幅広い分野の皆様から企業誘致に関する情報やアイデアなどを御提案いただき、それらを共有し発信することなどにより企業誘致の推進につなげてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありませんか。神社正幸議員。 ◆6番(神社正幸君) 多分ほとんどの会員が地元の人だと思います。そういうことで、この懇話会をフルに活用してほしいと考えております。 大町市にロケット基地を誘致するということは、かなり無理があると思います。それでは、水関連企業と安易な結論を求める前に、もちろん企業の計画もありますが、大町市の地域の優位性を生かした企業戦略を前面に打ち出したいと思うんですけれども、そのことについてどのようにお考えですか。参事、市長の考えをお聞きします。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。産業観光部参事。 ◎産業観光部参事(小林敏文君) お答えさせていただきます。 ちょっと先ほどの答弁の追加になりますが、議員御指摘の地域産業活性化懇話会に信大の先生、あるいは県のOBで、そういった分野にたけた方も御参加をいただいて広く意見を求めているところでございます。 それでは、ただいまの御質問に御答弁申し上げます。 先ほど御答弁申し上げました平成22年に策定し、27年度に内容の見直しを行いました大町市企業誘致戦略では、当市の持つ景観、水資源、自然環境や観光地であるという社会的な要件を最大限に生かすことができ、企業や製品のブランド向上戦略に活用したいと考える企業誘致を目指すこととしております。また、癒やし、健康、美を環境や観光などの観点から、それらの分野と連携させ、組み合わせることにより、一体的な地域振興に資する企業立地を目指すこととしており、議員の御提案と同様の方向性を持つものと考えられます。 今後も時代の趨勢や経済情勢により内容を適宜見直すことがあるものと考えますが、誘致戦略の基本線に沿い、市の特性を最大限に生かした企業誘致を進めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありますか。神社正幸議員。 ◆6番(神社正幸君) ある企業のトップ経験者が、戦略とは1つの施策、事業で複数の効果を引き出すことであり、1つの効果だけでは1つの施策にすぎないと言われました。私も同感であります。また、時代は人工頭脳AIの時代であり、囲碁の名人が人工頭脳に負けてしまうという時代であります。機械が考える能力を持ち始めております。市場においては、今まで隆盛を極めた製品が淘汰されることもあります。企業は絶えず開発、研究を怠れません。 そこで、提言ですが、大町にはオリンパス工場跡地があります。また、今は県の所有地でありますが、北高跡地もあります。もしここに企業の研究施設が誘致できましたら、まちの人の流れも変わり、人口問題も歯どめをかけられると、私は考えます。まさに戦略的な考えであると、私は思います。時代を先取りするような研究者は、リフレッシュのために急にバスケットをしたり、登山をしたり、ボートをこいだり、癒やしの空間が必要だと言われております。それらを大町市は提供できるステージを持っております。 日本のトップ企業、例えばソフトバンクの孫正義氏に市長みずから会っていただき、アタックすることだと思いますが、できない話でしょうか。まさに日本のシリコンバレー構想です。市長の考えをお聞きいたします。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。産業観光部参事。
    ◎産業観光部参事(小林敏文君) 御質問にお答えいたします。 当市におきましても、テレワークやサテライトオフィスなど、ICT産業の誘致にも積極的に努めております。議員御提案のシリコンバレー構想につきましては、アメリカのシリコンバレーは、資金面では第2次世界大戦中の軍需関連の産業から多くの半導体企業が生まれ、そこから生ずる潤沢な資金がベンチャー企業を育て、その再投資により好循環が生まれ、発展を続けている地域であると認識しております。これに加えましてスタンフォード大学を中心に多くの大学の存在が現在の発展の背景となっていることと受けとめております。 こうした背景なくして、シリコンバレー構想の立案は容易ではないものと考えられ、自然環境や癒やしの空間を提供するだけでは研究機関等の誘致の実現は難しいものではないかと考えられます。 また、議員御提案の最先端企業のトップとの面談につきましても、容易に実現できるものではないことであり、市としてどのような提案ができるかなど十分な準備が必要であり、現時点では実現は困難なものと考えております。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありませんか。神社正幸議員。 ◆6番(神社正幸君) シリコンバレーと言ったのは、ちょっと大げさだったと思いますけれども、余りネガティブに考えなくて、ポジティブに考えていけば、将来的にそういうアタックのアポがとれるんじゃないかと私は思うので、努力していただきたいと思います。 続いて、大町市の歴史・文化について質問いたします。 大町市に生まれ、大町市を離れた多くの人にとって、ふるさとを思い出すとき、まず浮かぶのは圧倒的な自然、北アルプスの峰々であります。これは否定できない共通の概念であり、帰属意識であります。しかし、さらにとなると、発想は多岐にわたってはっきりいたしません。しかしながら、考えをめぐらせば、荒川をおさめ、大町をつくり上げた仁科氏への歴史認識にたどり着くと私は思います。平安時代、10世紀中ごろよりできた仁科の御厨より脈々と続いて今に至った仁科氏の歴史であり、仁科神明宮であると思います。 昭和11年国宝に指定され、戦後28年、世界文化の見地から類ない国の宝として再度指定されております。国宝は長野県に7つあります。うち建造物は5つと認識しております。全国的に認知されている松本城より神明宮は長い歴史を有しております。それに神明宮は大町、八坂、美麻、平、常盤、もちろん社、全ての地域の歴史を網羅しております。まさに大町の共通の概念になり得ると考えます。 しかしながら、社地区を除いては市民意識となると、私は疑問だと思います。仁科の歴史は、篠崎先生、仁科路研究会荒井先生、伊東先生、一志先生、幅先生など、多くの研究者によりより深く研究されております。荒井教育長におかれましては、古文書に精通し、郷土史にも明るく、大町市史編さんに尽力したと伺っております。また、5月に荒井先生、伊東先生による仁科路の講座があり、6月にはまさに教育長による講座が開かれます。 いかがでしょうか。仁科の歴史、仁科神明宮を前面に押し出す必要があると考えます。また、観光の視点から見ても、戦略的な発信や誘導、陳情にあるアクセス道路整備など進めるべきだと私は考えますが、いかがでしょうか。神明宮の境内でパワーを感じるのは私だけでしょうか。お願いします。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。教育長。     〔教育長(荒井今朝一君)登壇〕 ◎教育長(荒井今朝一君) 仁科神明宮の文化財としての保存と活用についての御質問にお答えいたします。 御案内のとおり、仁科神明宮の本殿と中門、釣屋は、我が国古来の建築様式である神明づくりを伝える最古の建造物として、県内に5つしかない国宝建築物の一つに指定をされております。現在のものは1636年の建築ですが、その創建は古く平安時代中期までさかのぼり、室町時代初めからの27枚の棟札と銅製の懸仏5面が国の重要文化財に指定されており、周辺の森は県の天然記念物になっております。この仁科神明宮を祭り、20年に1度の式年遷宮を欠かすことなく行ってきたのは、戦国時代までこの地をおさめていた仁科氏で、当時から北安曇郡内には若一王子神社を初め、仁科氏ゆかりの文化財が数多く残されており、現在の大町市街地の骨格や主要な用水堰なども仁科氏によって開かれたもので、この仁科氏は大町のまちづくりの先駆者であります。 御質問のこうした仁科氏の功績や文化を改めて評価をし、まちづくりの原点としてはいかがとの御提案は貴重な視点であり、塩の道や北アルプスを臨む田園風景や特色ある地域の生活様式などと相まって、郷土に対する誇りと愛情、愛着につながるよう、学校教育初めさまざまな講座や講演会、書籍の出版等の機会を捉えて一層の啓発に努めてまいります。 また、本殿を含めた仁科神明宮周辺の森は、樹齢数百年の杉木立が茂り、癒やしや施策を求める近年の観光嗜好とも合致をしており、昨年は減少をいたしましたが、近年は全体的には参拝者も増加傾向にあると伺っておりますので。教育行政といたしましては、これまでも観光パンフレットの作成や塩の道祭りのガイド、講演会の手配等さまざまな面から協力をしてまいりましたが、平成31年の御遷宮を控え、関係部署とも緊密に連携して地元の御支援に努めてまいりたいと考えております。 以上であります。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありませんか。神社正幸議員。 ◆6番(神社正幸君) すみません。私、質問の順番を間違えまして、途中で切ってしまいましたので、あと2つ続いてやろうと思っていたんですけれども、すみません、よろしいでしょうか。 ○議長(勝野富男君) はい、許可します。 ◆6番(神社正幸君) すみません。関連してもう一点お聞きいたします。 かつて大町市は「博物館のまち」と言われたと聞いております。山博、エネ博、塩博、酒博、劇団四季の資料館と今でもあるわけでありますが、民俗歴史資料館に至っては、ないとは言いませんが、社の分館が資料館となっておりますが、展示スペースが余りありません。そして、観光客や知人に案内できるような統一したものはありません。市内の空き家利用などでできればと思いますが、全国的に村単位でも資料館はあります。その点について、市長の見解をお聞きします。 次に、市の新たな歴史展開となる芸術祭について伺います。 私は、2年前プチ芸術祭のツアーガイドの経験もあり、このたびガイド研修に参加しました。今まで開催された地域より圧倒的に有利な自然の中で制作されている現代アートを見て、制作中とはいえ、手応えを感じました。特に、八坂地区の制作において、地域の人々の制作支援には感動を覚えました。市民全体でお客さんを迎え、アートとともに大町市の自然を堪能していただき、食していただき、泊まっていただきたいと思います。市民全体で心からの声かけやおもてなしをすれば、宣伝もしていただけるのではないでしょうか。市民の大町市への自信や観光大町の思いもバージョンアップすると考えております。大きな波及効果も期待できます。アクションを起こさなくては、大町市は変わりません。 木崎湖の湖岸清掃など、市職員も大変でしょうが、きょうの大糸の紙面にもあるように、駅前の花壇作業も市民と職員の協力の写真が出ておりました。願わくば、やらせられたではなく、やり切ったという達成感をみんなで勝ち取りたいと思います。開催が数日に迫った今、市長の思いをお聞きいたします。すみませんでした。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。建設水道部長。     〔建設水道部長(川上 武君)登壇〕 ◎建設水道部長(川上武君) 私からは、アクセス道路の整備についてのお尋ねにお答えいたします。 国宝仁科神明宮は、県道大町明科線から最短の直線距離でも約300メートル、高低差約50メートルと、高瀬川の段丘を1段上がった場所に立地しており、大型バスが通行可能なルートは、池田町との境の市道宮明沢線を上がるルートのみであります。 地元の宮本自治会からは、平成31年の式年遷宮祭に向け、大型バスの通行に支障となっております未改良部分の拡幅改良を要望されており、自治会等と協議を重ねてまいりました結果、宮本公民館から東側の参道に大型車同士がスムーズにすれ違いができるよう待避所の設置等を予定しており、本年度から用地取得に向けた準備に取り組んでいるところでございます。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 教育長。     〔教育長(荒井今朝一君)登壇〕 ◎教育長(荒井今朝一君) 空き家等を活用した民俗資料館の設置についての御質問にお答えをいたします。 御指摘のとおり、社公民館に併設の民俗資料館では、4つの展示室に縄文時代から中世までの出土品、文化財関係資料、紙すき用具、教科書や学校関係用具などを展示しておりますが、市内全域の資料を展示する施設とはなっておりません。このほか仁科神明宮には、伝来した棟札や懸仏、社宝などを保存する収蔵庫が設けられており、旧中村家住宅では土蔵を活用して、関係資料を展示をしております。また、塩の道ちょうじやでは、塩の道関係の資料を展示し、隣接する流鏑馬会館には若一王子神社関係の資料が展示されております。また、文化財センターでは、入り口付近に近年の発掘調査の成果を展示しておりますが、出土品等が多く広い展示スペースを確保することが困難な状況であります。 御質問の市内全域を対象とした資料館等の設置につきましては、文化財はできるだけ伝来した場所や収集地の近くで保存することが望ましいとされており、仮に民俗資料館等を設置しても、市内に伝わる貴重な文化財等の多くは、現地で保存されておりますことから、一堂に集めることは困難な状況にあることを御理解をいただきたいと思います。 また、空き家を利用するにしても、耐震性やセキュリティーの確保、照明や空調、保存設備など、施設整備の要件はかなり高度なものとなることが予想され、さらに高い知識を持った専門職や管理者の配置も必要になってくることから、現状ではなかなか課題も多く、長期的な展望に立ち、他の施設との連携を含め必要性や緊急性、費用対効果などを総合的に検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 市長。     〔市長(牛越 徹君)登壇〕 ◎市長(牛越徹君) 国際芸術祭についてのお尋ねにお答えいたします。 いよいよ開幕まで4日となりました。これまでの間、作品設置場所の提供に御協力をいただいていた方々、作品制作のお手伝いをしていただきました多くのボランティアサポーターの皆様や地域の皆様、食プロジェクトに御参加いただきました市内飲食店やホテル、旅館の皆様、陶芸愛好家の皆様や市内小・中学校の児童・生徒の皆さん、そして精力的に会議を開催し、詳細な計画を詰めていただきました実行委員会、各専門部会の皆様、さらには協賛、寄附に快く御理解、御協力をいただきました皆様ほか、関係の多くの皆様に心から御礼を申し上げます。 おかげさまをもちまして、アート作品がほぼ完成するとともに、芸術祭タイアップレストランの新たなメニューや自慢の一品、おもてなし小皿などにより、大町の食で来訪者をお迎えする体制も整ってきたものと考えております。 芸術祭開催の目的は、現代アートの力をかりて大町市の魅力を国内外に発信すること。また、それにより観光誘客を図り、人々の流動、交流を起こして地域を交流の場とすること。市民の皆さんの芸術祭への御参加を地域づくりの原動力とすること。そして、地域の消費を拡大し、地域を元気にする手がかりとすること。この4点を目的に掲げてまいりました。 この目的を達成するためには、議員御指摘のように、まずオール大町の体制で来訪者をお迎えすることであります。そのためには、市民の皆様には何らかの形で芸術祭に御参加いただきたいと考えております。 具体的には、アートサイトの受け付け、案内など、運営スタッフとしての参加を初め、来訪された方と挨拶を交わし合うことや道案内などでの交流、会期中のワークショップでの作家や鑑賞者との交流などが挙げられます。そして、市民の皆様一人一人がお客様として心からのおもてなしによりお迎えすることによって大町ファンをふやし、リピーターとして繰り返し何度も訪れていただくことにつながればと考えております。 この取り組みは、第5次総合計画の基本理念「郷土や文化に誇りを持ち 心から地域を愛するひとを育てる」や市の将来像「未来を育む ひとが輝く 信濃おおまち」の実現にも直結するものと考えております。私自身、元気な大町を若い世代の皆さんに引き継ぐため、57日間の会期、力を尽くしてまいりますので、議員各位の御協力、御理解をいただきますようお願い申し上げます。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありませんか。神社正幸議員。 ◆6番(神社正幸君) 芸術祭が大町の新たな歴史となることを祈って、私も全力を尽くしたいと考えております。 質問でありますが、私、最近神明宮でクラブツーリズムのバスを見かけました。また、池田町のトレッキングの出発点になっております。近年の仁科神明宮の入り込み数をお聞きいたしたいと思います。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。観光課長。 ◎観光課長(太田三博君) ただいまの御質問にお答えいたします。 近年の仁科神明宮の入り込み数についてのお尋ねでございます。 仁科神明宮の平成28年の入り込み客数は約2万3,000人と報告されております。月別に見てまいりますと、8月が3,100人余りと一番多く、次いで初詣ででにぎわう1月となっております。また、前年の27年は3万5,000人余りとなっており、昨年人数が減っております要因といたしましては、秋の天候不順等が考えられますが、立山黒部アルペンルートを初め、観光地全般が昨年減少しておりますのと同様の傾向であったと分析をいたしております。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありませんか。神社正幸議員。 ◆6番(神社正幸君) 意外と多い数だと私は思います。 そこで、文化財センターに神明宮の大杉の切り株が展示されております。きちんとしたガラスケースに入れて、展示にたえるようになっております。確かに薄い厚さがありますので、これを信濃大町の駅に移すことができたら、神明宮の観光誘導と宣伝に利用できると考えますが、どうでしょうか。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。観光課長。 ◎観光課長(太田三博君) ただいまの御質問にお答えいたします。 文化財センターに展示されている神明宮の大杉の切り株について、信濃大町駅に移して観光誘導と宣伝利用を図れないかとの御提言でございます。 仁科神明宮の大杉は、神明宮の歴史と神秘を感じさせるシンボル的な存在と認識をいたしております。御提言のように、駅構内に移設を考え方場合、まずはJR東日本との協議に加えまして、展示場所のスペースの確保や移設費用などの大きな課題があると考えられます。こうした課題を踏まえ、今回御提言いただきました件につきましては、仁科神明宮の今後の観光振興策を展開する中で、実現の可能性などについて関係団体等と検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありませんか。神社正幸議員。 ◆6番(神社正幸君) ぜひ没にしなくて、前向きにやってほしいと思います。 私も駅前を訪れましたけれども、展示するスペースがありました。 次に、近年、都会の高齢者はもちろん、若者の間でも神社仏閣を訪ねることがブームになっているそうです。全国には寺社は16万と言われております。単独では伊勢神宮や高野山には勝てませんが、パワースポットの国宝神明宮、廃仏毀釈に立ち向かった霊松寺、神仏習合の王子神社、小泉小太郎伝説の仏崎観音、仏像の体内から木札が見つかった八坂覚音寺、そして松川の弥勒菩薩の観松院、そして各地にあります道祖神、そしてまた温泉、これら等をリンクさせたら1泊の穴場ツアーができると思います。戦略的な観光施策ではないでしょうか。観光課長の答弁を求めます。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。観光課長。 ◎観光課長(太田三博君) ただいまの御質問にお答えいたします。 国宝仁科神明宮や霊松寺、仏崎観音寺等に道祖神や温泉を結びつけて旅行商品としてはどうかとの御提案でございます。 近年、伊勢神宮がパワースポットとして人気が高く、または東京などでは宗教を越え、連携したイベントの開催や若い女性やインバウンドをターゲットにした神社仏閣を有力な観光商品として売り出すなど、観光業界からも大きな注目を集めているところでございます。 また、大手の旅行エージェントにおきましては、一般的な観光拠点等をめぐる商品に加え、特別なテーマや趣味、嗜好に絞った旅行商品も展開しておりますことから、今回議員御提案の地元の神社、仏閣を結びつけ、新たな観光商品として検討していくことは、立山黒部アルペンルートに加え、新たな当市の観光誘客策として非常に有効であるものと考えております。 今後は、関係者等と調整を図りながら、商品造成の実現に向けまして検討を進めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありませんか。神社正幸議員。 ◆6番(神社正幸君) ぜひ観光課で検討していただきたいと思います。 次に、最後の質問でありますが、5次総合計画の中で郷土を愛する人づくりについてお聞きいたします。 「郷土に誇りを持つひとを育むまち」、この項目が一番大切であると私も考えます。それには学校におけるふるさと学習が大切と思います。近年、小・中学校で地域に出向いての学習が盛んに行われております。「ふるさと きのう・きょう・あした」という教育委員会の編集した、もう既に4版を数えるすばらしい教材もあります。英語や授業時間の制約やいろいろで大変だと思いますが、最後にそれらカリキュラムにどのように新年度は反映できているのか、教育長に取り組みの考えをお聞きいたします。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。教育長。     〔教育長(荒井今朝一君)登壇〕 ◎教育長(荒井今朝一君) 第5次総合計画に関し、学校教育における郷土を愛し、誇りを持つための人材育成についての御質問にお答えいたします。 急激な少子・高齢化の進行の中で、ふるさとに愛着を持ち、現状を踏まえ、将来の大町を担っていく人づくり、人材の育成は青少年はもちろん、壮年層から高齢者まで含めた全ての世代を対象としたものであり、生涯学習全般の推進と密接不可分な喫緊の課題と認識をいたしております。 とりわけ、学校教育におきましては、開かれた学校づくりを目指し、市内全校がコミュニティスクールとなりましたことから、地域住民の皆様の参画をいただき、博物館や図書館、文化財センター等社会教育施設との連携を深め、郷土の自然や歴史を初め、伝統文化や技術の習得、キャリア教育の推進等にも努めております。 御指摘の郷土学習冊子「ふるさと きのう・きょう・あした」は、当市の自然や歴史・文化遺産や行政、市民生活等について、それぞれ専門の関係者が分担して執筆したもので、小学校4年生以上の全児童・生徒に配布しており、理科や社会科、総合学習などの教科にも活用されております。また、活用に当たりましては、新しく当市の小・中学校へ赴任された先生方には、夏休みを利用して1日かけて主な文化財や施設の見学会を実施し、理解を深めていただくとともに、より深い学習を進める際は、執筆者を初め教育委員会事務局や生涯学習課、山岳博物館の学芸員などが学校と連携し、直接授業の指導に当たり、理解が深まるように努めております。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありませんか。神社正幸議員。 ◆6番(神社正幸君) 私は、40年関西に在住していたわけですけれども、その経験からして、小学校、中学校のときに訪れた、遠足で訪れた大町市の例えば鷹狩山であったり、仁科神明宮であったり、観音崎であったり、そういう思い出は、かなり印象深いものであったわけです。 そういうことで、今、小・中学校の特に小学校なんですけれども、そういう遠足のコースというものはどうなっているのか、ちょっとお聞きしたいと思います。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。学校教育課長。 ◎学校教育課長(竹内紀雄君) ただいまの御質問にお答えします。 申しわけございません。具体的にどこのコースということを把握してございませんで、答えることが今、できません。 ○議長(勝野富男君) 教育長。 ◎教育長(荒井今朝一君) 私から若干補足をさせていただきます。 実は全部の学校で全学年にわたって遠足があるわけではありません。近くの山野や河原等を対象にした遠足を行っているところと、それから、私も何回か出てますけれども、水路の学習だとか、中には例えば発電所を見たり、そういう遠足とは別の意味で、あるいは先ほどお話あった仁科神明宮や中村家住宅や若一王子神社をめぐって、遠足と同じような形態で共同学習をするとか、学校によってさまざまな学年等も含めて取り組みをするように、そんなことになっております。 以上であります。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありませんか。神社正幸議員。 ◆6番(神社正幸君) そういう答えで、時代が変わってくれば、それぞれの取り組み方法があり、また学校間でも格差があるとは認識できます。しかしながら、我々の過去のことを言ってもしようがないとはいえ、全校1年から6年まで、ある日にそれぞれの方向を持って大町地域を遠足したわけであります。こういう学習は、本当にいいのじゃないかと思います、古きをたずねてという問題もありますけれども、そういったものも研究していただいて、郷土を愛する生徒・児童を育てて、育んでいってほしいと思います。 以上で質問を終わります。どうも、先ほど間違いまして御迷惑かけました。 ○議長(勝野富男君) 以上で神社正幸議員の質問は終了いたしました。 以上をもちまして、本日の日程は全て終了をいたしました。 本日はこれをもって散会といたします。大変御苦労さまでした。 △散会 午後6時13分...